「…それがお前が起こした事件の全てだな?」
刑事である小林は私にそう尋ねてきた。
「そうだ。あんたが調べてきた4件の事件は全て私が起こした。そして遺体は全て井戸に捨てた。間違いはない」
「だが、4人の遺体は全て消えていた。あんたは一体なぜ遺体が一晩のうちに消えていたのか考えたことはなかったのか?」
小林は私にそう問いかけた。
「考えたことなかったな。今回の事件を起こすまではな…..」
小林はため息をつきながら、
「私は今回の事件が発覚してから、一連の事件全て調べたが、お前ほど親不孝な息子はいないだろうなとつくづく思ったよ。」
「最初は不思議に思ったさ。なぜ井戸に捨てただけで死体が消えるんだってな。でも次第にそんな考えは失せてしまった。当たり前になっていたからな。だが、今回真相を知ってしまうとな…..」
項垂れる私を見て、小林は私をまっすぐに見つめこう言った。
「あんたが母親を殺さなければ全ての真実は闇に葬られたままだったんだ。」
あれから20年後、私は母親を殺した。そして、逮捕された。私は今、刑務所にいる。
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