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「重大発表」
「○○、ヤバいです」
こうした言葉が、ある国の工場で作られていることをご存じでしょうか。
本日はその工場へ、社会見学に行ってみたいと思います。
社名は「大げさファクトリー」。
創業者は、ヴァニタ・コールという人物です。
大げさな表現というのは、自然に生まれるものではありません。
人の感情が積もって、いつの間にか形になったもの。便利で、少し厄介な、言葉の加工品です。
なぜ、こうした表現が作られ続けるのか。実際の現場で働く人に話を聞いてみましょう。
「こんにちは。事前にお伝えしていた社会見学の者です」
「ああ、どうぞどうぞ」
工場の中では、作業員たちが大きなペンや塗料を使い、看板や文字列に手を入れていました。必要以上に大きく、必要以上に強く。
「ここでは、どういった作業をされているんですか?」
「目に留まる形に整える仕事です」
そう答えたのは、現場責任者のミリオ・グロウ。35歳。この工場に来て8年になります。
「正確かどうか、というのは二の次ですね。一瞬で振り向いてもらえるか。それが最優先です」
「抵抗はなかったんですか?」
「最初はありました。身近な人にも言われましたし。でも、今は割り切っています」
「やりがいを感じるのは、どんな時でしょう?」
「中身が何であれ、外側を整えるだけで人が集まる。その瞬間ですね。
考えている人より、仕上げている人の方が、ずっと手応えがある」
「それだと、この会社も長くは続かないのでは?」
ミリオは、少し間を置いてから答えました。
「そうですね。だから、ちょうどいいと思っています」
彼は今年の秋、この工場を離れ、別の職場へ移る予定です。
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