それから私は中学3年生へと成長した。
私はその間ずっと同じことを繰り返した。
ずっと同じことをしていたら知識もつき始め自分が今何をしているのかを明確に理解出来た。
でも当時はそれを理解出来ても辞めることが出来なかった。
お金が手に入れば好きなことができ欲しいものが手に入る。
私はこれを幸せと感じた。
学校とキャバクラ、このふたつを両立するのはなかなか辛いものだった。
最初は余裕だと思っていたがお客によってはどんどんエスカレートする人もいた。
中に出されることも少なくなかった。
その度に私は心の中のなにかが壊れていく気がした。
この事は祖父にも、家の中の人間にも隠していたことだった。
だけど私はバカだった。
中学生の私は行動範囲も限られており地元内を派手な服装で歩き回っている所や、お客に送られてくる私を見かけた人が出始めた。
もちろん、学校ではどんどん私の噂は広がっていき今まで白い目で見られてたみんなの目は汚物でも見るような目だった。
必然的に祖父にもバレる羽目となった。
きっと怒られる、殴り殺されるんではないかと思った。
しかし家に帰ると祖父は私を抱きしめ泣いていた。
ただただ、「ごめん」と、謝り続けていた。
なぜあの時祖父は私に謝ったのだろうか。
なぜ泣いていたのか。
なぜ、、、私の目から涙が溢れてきたのか。
きっと私は壊れていたのだろう。
心も体もボロボロで人と関わるということをしてこなかった私はその時の祖父の温もりが凄く嬉しかった。
それ以降私はキャバクラも辞め、ただ、普通に過ごそうと思った。
学校の人からの目線は卒業するまでは変わらなかった。
だから私は駅から3時間ほどかかる高校を選んだ。
ヤクザの娘だということも、私の過去も全て無かったことにして過ごすことにした。
だが人と関わってこなかった私はどうやって会話をしたらいいのか分からずただ席に座ってぼーっとしていた。
「ねぇねぇ!何してるの!?」
頭上からそんな声が聞こえて思わず顔をあげるとそこには可愛らしい女の子が立っていた。
「うわぁ!すっごい綺麗な人!私早瀬真奈って言うの!良かったら友達にならない?」
そう言われた瞬間胸の辺りになんとも言えない感覚を味わった。
きっと、嬉しかったんだ。
「な、仲良くしてくだ、さい。」
慣れてないにも程があるが私は最初で最後の友達だと何故か思った。
大事にしようと。絶対悲しませないようにしようと。
そして、私の高校生活が始まったのだ。
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