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あの冬の寒い日汚い私は綺麗なあなたに恋をした。
「桜おはよ!!」
そう声をかけてくれたのは私の親友早瀬真奈。
私の名前は桃瀬桜高校2年生。
真奈とは高校1年のときからずっと仲良くしてて2年も同じクラスになれた。
正直真奈以外の人とは全然面識もないから私の友達は真奈1人だった。
それでも充分私の人生とは思えないほど楽しい人生を送れていた。
「おはよ真奈、今日も元気だね私まで元気になっちゃうよ」
そう言って私は微笑んだ。
「え〜そんな事ないよ〜!でも真奈ね桜と毎日会えると思うと毎日楽しくて仕方ないの!」
「そんなこと言ってくれるの真奈だけだよありがと笑」
そんな会話をしてると遠くから真奈を呼ぶ声がした
「おーーい真奈ー!!!力くんって今日学校来てるー??」
「そんなこと知らないよ!自分で教室まで見に行けばいいじゃーん」
この子は松井智久くんって言って小さい時からの真奈の幼なじみらしい。
力くんっていうのは真奈のお兄ちゃんのこと。
と、智久くんの隣の男の子誰だ。
「ちぇっなんだよー。日和3年のとこまで着いてきてくれよな!!」
「めんどくせぇなぁ。ジュース1本で交渉成立だ笑」
そう言いながら歩いていく日和くんとか言う男の子を智久くんは「えー!!金とんのかよ!!」と言いながら走って追いかけていった。
朝から嵐みたいだな。
でも中学の私にはありえない環境だからちょっと楽しかったりもする。
「もートモってなんであんないつもうるさいんだろ。なんか今ので疲れちゃったーー桜で充電だー!」
そう言って勢いよく抱きつかれバランスを崩してしまったがなんとか持ち堪えた。
「おっとあっぶない!びっくりしたなーもー笑」
そんな他愛のない会話をしながら教室に入っていった。
今日もいつもと変わりのない時間を過ごしいつも通り家に向かって帰っていた。
学校から駅まで歩いて帰って駅からは迎えが来る。
いつもの日常。
駅に向かうといつもの迎えに車が待っていた。
「ただいま。」
「お嬢!お疲れ様です!学校どうだったですか?」
「いつもと変わりないよ。ところで例の奴は見つかったの?」
「それが今日親父が見つけたらしいんすよ、もういつもの部屋にいると思います!」
例の奴とは最近私の周りを嗅ぎまわってる奴がいて調べたところによると中学の時働いてたキャバクラの常連だった男の誰かと分かっていたが余りにも多くなかなかしっぽを掴めずにいた。
家に着き玄関を開けると共にドタドタと足音が近づいてくるのが分かった。
「桜ぁ〜!!!!おかえり!今日も疲れたやろぉよぉ頑張ったのぉ!!」
「おじいちゃん毎日出迎えてくれなくて大丈夫だよ、ところで男はどこにいるの?」
「今ちょうど口割りよったとこやったんやけど桜わしから聞くより本人から聞きたいやろ?」
「んーそうだね。自分で聞いてこようかな。」
「おぉ行ってこい行ってこいいつもの部屋おるでな」
いつもの部屋というのはうちならではの拷問部屋のことである。
「じゃあ行ってくるけどおじいちゃんも来る?」
「いや、わしわえぇで行ってこい」
「分かった」
「親父、お嬢一人で行かして良かったんすか」
「なんやお前あいつがほんな弱い娘やおもとんか?わしの孫やぞなんも心配することあらへん。」
「いや逆っすよ。さっき車の中でもそうだったんですけどお嬢めちゃくちゃキレてましたよ」
「ほんまかぁ、でもお前も分かっとるやろうけどあいつキレてもたらどうしようも無いでなぁ。もしかしたらあの男殺されてまうかもしれんなぁハッハッハ!さすがわしの孫や!!!」
(はぁ、これやで怖いんよなお嬢は。)
ふぅ、いつ来てもここは空気悪いから嫌いや。
部屋に入ると私の目線の先には椅子に括り付けられた男が座っていた。
「このままじゃ話せないでしょ、今話せるようにするから待って。」
そう言い私は口に縛られていた布を取った
「おぉ桜か、久しぶりだな。いやぁお前はいつ見ても綺麗な体してるよ。またあの時みたいに抱いてやろうか笑」
顔を見て思い出した。こいつは私が働いていたときまだ仕事中の私をホテルに連れて行っては中に出してお金も渡さず出ていった男。
思い出したくない過去、消し去りたい過去だったのに。
「お前急に店も辞めるからびっくりしたよ。調べたけど学校行って結構楽しそうにしてるんじゃん?今の友達お前の昔の事知ってんの?笑なんなら俺がバラしてやろうか笑」
そう言われた瞬間私の中でプツンと何かが切れる音がした
「おい己さっきから人が静かに聞いてたってたら調子乗りよって。前みたいに抱いたろか言うたな、お前みたいなほんなちぃさいこいのじゃなんも気持ちよぉもないねん。調べるのは勝手にしとったらええけどわれなんて言うたバラしたろ言うたか?ほんなことしてみぃお前のその使えん息子切り取って生き埋めすんぞボケェ。」
「お、おぃどうしたんだよ、お前ほんとに桜か?」
「おぉ、正真正銘桃瀬桜や。私に殴られんと帰れる思てなよ歯ぁ食いしばれ。」
それからの記憶は何も無い。
ただ無我夢中に苛立ちが治まるまで殴り続けた。
殴っている間何度かこの男の泣き叫ぶ声が聞こえた。
我に返った頃には男はすっかりと伸びていた。
私がこの部屋に来る時はいつも監視人がいる。
だがその監視人は私が人を殺そうが辞めるまで見ているだけの人間。
「もういい。おじいちゃん呼んできて。こいつ捨てに行かなきゃ。」
「はい。すぐに呼んできます。」
「はぁ、疲れた。手も汚れちゃったし。」
そんなことを言っているとおじいちゃんが部屋に入ってきた。
「おぉ今日もまた派手にやったのぉ。こいつ死んどらんか?おーーい生きてるかー」
「気絶してるんだから返事しないよ。生きてるから大丈夫。死んだ人間の匂い嫌いだし加減したよ。」
「これで加減かぁ。加減しても半殺して笑
さすがわしの孫や!!!ハッハッハ」
おじいちゃんに言っても無駄なので私の送迎係に頼むことにした。
「悪いんだけど、車表に回して来てくれる?」
「あ、は、はい。(こんな可愛い顔してんのに世の中怖いもんだな。)」
「もう表に車停めてます!!」
「じゃあ”これ”車に積んでくれる?」
「はい!」
そして男を車のトランクに積みに行くため外に出た時だった。
地元だからという考えが甘かったのだろう。
血にまみれたシャツに私の手。いつもどうりそのままにして出てきてしまったからいけなかったんだ。
「え、桃瀬、桜、、、?」
「え?」
声のした方を向くとそこには今日智久くんと一緒にいた日和くんが立っていた。