時に現実って邪魔なこと、ないですか?
好きな服を着たら周りから馬鹿にされて自分を殺してしまったり
ただ自分の意見を言っただけなのに強く否定されて塞ぎ込んでしまったり……。
邪魔、ですよね!
なら忘れましょう!
辛い事なんて全て忘れて、
私と一緒に夢の世界へ逃げてみましょう?
あら?どうやら誰かが何か話しているようですね。
私達も聞いてみましょうか
もしかしたら貴方が踏み出すキッカケになるかもしれませんよ?
これはたった一人の”誰か”が語る夢物語。
夢を見ていた。
キラキラ光る空が私の飴玉を照らしていて、
ゆっくりゆっくり転がって、音を立てながら落ちていく。
そしてその飴玉はまた違う夢を見る。
青く綺麗な海に沈んで海の馬と歌を唄う夢。
それも覚めた頃に私は知っていく。
「碧?ねぇ聞いてる?」
「ん?」
「ん?じゃなくて!うちの話、ちゃんと聞いてた?」
話…みゆってなんか喋ってたっけ?
「その感じ…聞いてなかったな〜!このやろ〜!」
「んー!みゆやめてよ〜」
親友のみゆに頬をつままれて頬が少し赤く染まっていた。
「全くもうー!とりあえず、はい御守り!」
みゆが差し出したのは白の糸で”縁結び”と書かれた御守りだった。
「縁結び…?」
「あんたが初めての恋人を失わないように強い縁で結ばれるって噂の御守り買ってきたんだから!」
恋人?みゆは一体何の話をしているの?
私の名前は 碧。
大学生…という名の引きこもりである。
大学には行ったことがまるでない、でも毎日友達のおかげで充実した毎日を過ごしている。
そんな私に恋人なんかがいるはずない、というかできるはずがない。
「まさか碧…恋人を忘れたなんて言わないよね…?確かにあんた忘れっぽいけど大切な人を忘れるとかはさすがにないでしょう…? 」
「ごめんみゆ、私に恋人なんているの? 」
そう言うとみゆはその場に倒れ込んでしまった。
「こうとなったら……招集だ!」
何故かみゆに友達みんな呼ばれてしまった。
「あおさーん!!」
「らなちゃんどうしたの!?」
「どうしたもなにも先輩が恋人なんていないとか言うからですよ!」
この子はらな。
高校の後輩でこんな私に懐いてくれているいい子なの!
そしてちょっと抜けてる天然な可愛い女の子。
「だって私に恋人なんて存在できると思う?」
「それは…あれですけど…でも写真見せてくれたじゃないですか! 」
「しゃ、写真?そんなのあるわけないでしょ!だっていないんだもん!」
最近らなちゃんに写真を見せた記憶はない。
ましてや恋人?どこの世界線の話よ……。
「それも忘れたんですか!?スマホ貸してください!」
「いいけど、スマホ見たところでなんにも出てこないと思うよ?」
そう言ってらなちゃんにスマホを渡す。
写真なんて飴の写真かみんなとの写真だけだしなぁ。
「ってさっきから他の皆はなに黙りこくってんの?」
「あーいやーそのー…碧ちゃんがまさかそんな事言うとは思わなくて…」
「そんなに!?」
「だって碧、恋人好き!って感じだったからね〜」
「蒼空もリンも何いってんの…」
正直者の蒼空とリンがそんなに驚くなんて…本当にいたのかな恋人。
「あ!ありまし…」
「ん?どうしたの?」
『ねえ碧、まだ思い出してくれないの…?』
コメント
6件
天才……? え……本当に書き方が好きすぎる!!!!!! めっちゃ想像が膨らむ話ですねぇ〜! 次回の投稿楽しみにしときます! 投稿お疲れ様!!!!!! 投稿ありがと〜!
えやばいめっちゃすきです…🥲✨️ 最初の前書き的なところからもう天才で(( 文字だけで今どういう状況でどういう表情なのかとかを 想像できるのって本当に神か天才か神だと思うんですよね(は 碧って名前好きだなぁ…((((
語彙力凄いですよね!! 私も現実忘れてしまいたい…( 恋人を忘れるとは…何があったんだ! 話さなかったら飯抜きだぞ!( ↑そんなんねーよ 投稿ありがとうございますっ!