テラーノベル
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文章や口調等、拙い部分が多数見られると思いますが、ご了承ください🙇🏻♀️
第三話です。
⚠️驚くほど意思の強い名前ありのモブ♀が出てきます。
地雷の方は自重お願いいたします!
さのじん「その声に魅せられて」
🩷side
いつものように茜色に染まる浜辺を歩く。
しかし、あの歌声がいくらたっても聞こえてこない。
そんなの初めてで、なんだか胸騒ぎがした俺は、いつもより入念に辺りを見渡した。
勇斗王子は、浜辺に横たわり、今にも波に飲まれてしまいそうな裸の青年を見つけました。
「おい!大丈夫か?!」
すぐに駆け寄って抱き起こして呼びかけるが、返事はない。
同い年くらいだろうか?それにしても、綺麗な顔…。
青年の口元に耳を近づけると、呼吸の音が聞こえ、生きていることが分かり、ホッと胸を撫で下ろす。
髪や顔や体に付いている砂を払ってやると、ビリッ、と頭に電流が走るような感覚がする。
なんだ、?俺、なにか大事なことを忘れてる気が………。
「とりあえず、この人を助けないと…!」
勇斗王子は青年をそのまま抱き抱え、お城へ帰りました。
とりあえず、事情を説明して、服を着せて部屋を用意してあげたのはいいけど………。
「どうしよう、この人…」
ついに来週、祝言をあげる俺は忙しく、この美青年に付きっきりになることは難しい。
それでも、離れる気にはなれなくて、先程まで海に浸かっていたのが嘘みたいにふんわりとした髪を撫でる。
すると、閉ざされていた目がゆっくり開かれた。
「っ!!大丈夫ですか、?」
身を乗り出して顔を覗き込む。
青年は、驚いたように零れそうなほど大きな目をぱちぱちと瞬かせて、俺の顔と部屋とを交互に見る。
「あぁ、すみません。俺は、この王国の第一王子、勇斗です。ここはお城の一室で、海で倒れてるあなたを見つけて、勝手ながら連れてきました」
驚いたよね?ごめん、と笑いかけるも、青年は固まって動かない。
まあそりゃそうだよな。目が覚めたら知らないところって結構怖いか。
「君の名前は?どこから来たの?」
そう尋ねるも、青年は答えず、静かに俯いた。
透過
1,705
「答えたくない…?」
青年はまた目を見開いて首を横に振る。
そんなまさか、とでも言いたげに。
「…もしかして、声が出せない?」
青年は少し眉を下げて、切なそうに微笑んで、頷いた。
「そっか……」
少しだけ気まずい雰囲気が流れる。
しかし、青年はそんなこと気にしていないようで、興味深そうに部屋を見渡している。
ほんと綺麗な顔してんな…。
大きな金色の目にちゅんとした鼻、ぽてっとした唇。色白で頬がもちっとしている。
………可愛い。正直めちゃくちゃ好み。
婚約者がいるのに、男性相手にこんなこと考えるなんて、非情なのは分かっている。
けれど、なぜだかこの青年とは初めて会った気がしない。
「…お城回って見てみる?」
なんてでた言葉に自分でも驚く。
青年はというと、嬉しそうに目を輝かせてこくこくと頷いた。
勇斗王子は青年の手を取り、お城の中を歩き始めました。
海で倒れてしまっていたからか、おぼつかない足取りで歩く青年。守らなきゃと思い、腰に手を添えて支えながら歩く。
青年がごめんなさい、と言う風に上目遣いで見つめてくる。
あれ、なんで俺こんなにドキドキしてんだろ……?
「ねぇ、やっぱり名前知りたい。文字は書ける?」
頷く青年に使用人から借りた手帳とペンを渡すと、壁に背をつけてペンをはしらせた。
「じ、ん、と……?」
「仁人か、…いい名前だな」
仁人が嬉しそうに笑う。
細められた目に涙袋が際立っていて、えくぼができている。
「かわい……」
脳から直接出た紛れもない本音。
仁人は少し驚いたあと、ほんのり頬を桃色に染めた。
その頬にどうしても触れたくなって、手を伸ばしたその時、廊下の向こうから誰かが走ってくる音が聞こえる。
「勇斗さまぁ〜〜!」
露出度の高いドレスの裾を持って、走ってきたのは俺の婚約者のリンだった。
「もぉ、全然お帰りにならないから、探しましたよ!」
「あぁ、ごめん」
「いいえ、来週が挙式ですから、きっとご緊張なさってるんですよね」
語尾にハートマークが付いているのではと錯覚するほど甘い声を出すリン。
仁人に伸ばしかけていた手を握られ、腕を組まれる。
「…あら、勇斗様、この方は…?」
「この人は仁人。浜辺に倒れてるのを見つけて助けたんだよ」
「まあ!こんな野暮ったい子にも勇斗様はお優しいですのね!」
屈託のない笑顔でそういう彼女に、グッと奥歯を噛み締める。
野暮ったい?仁人が?こいつの目は節穴か?
仁人への印象を悪くしたくなくて、何も言えずにいると、リンは仁人に話しかけ始めた。
「えーと、仁人、さん?だったかしら。初めまして、私は勇斗様の婚約者のリンよ。歌姫って言われてるんだけど、ご存知ないかしら?」
仁人が目を見開き、大きな目がより大きくなる。
「……あなた、挨拶もできないの?」
リンの言葉に仁人が〝ごめんなさい〟と口パクをして頭を下げた。
「あぁ、リンさん。仁人は声が出せないらしいんだ。悪く思わないであげて?」
「あらまぁ、声が…。可哀想な子、、勇斗様の優しさに魅入られてしまったのね、」
「ごめんなさいね仁人さん、勇斗様と私は挙式の準備であなたに構えるほど暇じゃないの。早くお家にお帰りになったら?」
「リンさん……っ!?」
「勇斗様、早く行きましょう?当日のドレスを選ばなくちゃ」
なにを言っているんだこの人は、!
仁人には俺が付いていてあげなくちゃっ……って、なんでこんなこと思ってるんだ…?
ぐいっと組んだ腕を引っ張られ、リンが向こうへ行こうとする。
咄嗟に仁人の手を掴むと、一枚の紙を握らされ、とん、と背中を押された。
「仁人っ、、」
微笑んで手を振る仁人は、俺が引っ張られている方と反対側に歩き始めた。
渡された紙を見る。
‘’はやとに会えて嬉しかったです
助けてくれてありがとう
りんさんとお幸せに‘’
‘’あなたが好きでした‘’
💛side
あーあ。失恋しちゃった。
王子様だもんな、そりゃ婚約者くらいいるか…。リンさん綺麗だったし、お似合いだったし。
(やめよ、悲しくなる)
最初は一目見れるだけでいいって思ってたんだから、これでいいんだ。
そう思いたいけれど、一度会ってしまったら気持ちが抑えられるはずもなく、あんな紙を渡してしまった。
仁人は泣きたくなるのを堪えて、お城の外へと出ようとしましたが、広くて出口まで辿り着くより先に足が限界を迎えてしまいました。
人間になってしまった仁人は、魔女との契約によりもう海へは戻れません。
(俺の馬鹿……)
今になって後悔の念が湧いてくる。
こんな思いになるなら、ミールの言ったように海にいた方が幸せだったのかもしれない。
初めて得た足を酷使しすぎて痛い。
お城のテラスのようなところにあったベンチに腰掛け、自分の足をするりと撫でる。
お城の中からみた時はまだオレンジ色だった空が、すっかり紫色になってしまっていて、煌めく星がひとつ浮かんでいる。
(これからどうしよう)
話せない、ということがこんなに辛いことだとは思っていなかった。
海を一望できるこの場所に海風が吹き、慣れた香りがする。
泣くな。俺が望んだことだろ。
泣くな、泣くな……、
(泣く、な……)
感情とは裏腹に目頭がだんだん熱くなる。
「仁人ーー!!」
(っ…!?)
誰かが俺の名前を呼んでいる。
しかも、とても聞き覚えのある声。
この声は…!
仁人は立ち上がり、目の前の手すりに手を付き、海の方を見下ろしました。
そこに居たのは仁人の姉たちでした。
(姉さんたち!)
…あれ?姉さんたち、髪の毛が短くなってる、?
変わり果てた姉さんたちの姿に胸がザワつく。
すると、一番上の姉さんが口を開いた。
「仁人っ!ミールから全部聞いたわ!私達も海の魔女のところへ行って、髪を対価にして元に戻れるようにお願いしたの!」
(……は?)
俺のせいで、姉さんたちの綺麗な髪が無くなったってことか…?
「何を考えてるか分かんないけど、あんたが自分を責める必要はないわ!」
「仁人ぉ、姉さんたちは大丈夫よぉー」
「仁人!コレを受け取って!」
そう投げられたのは、両手に収まるくらいのナイフ。
(これは…?)
「それで、王子の胸を刺すのよ、」
「そうしたら貴方にかけられた呪いは解けるらしいわ」
王子の、胸を、刺す、
姉さんたちの「行って!」という言葉で、俺は足に鞭を打ち、壁に手を付きながら勇斗王子の部屋を探す。
幸い少し歩いたところにあり、そっと扉を開き、中へ入る。
窓際に置かれた豪華なベッドに勇斗王子は横になり、眠っている。
刺す。胸を刺す、
なるべく音を立てないように近づき、真横まで来る。
刺せば終わる、刺す、王子を。
白いシーツに、ナイフを振り上げる自分の影が落ちる。
呼吸が浅くなり、手が震える。
これを、振り下ろすだけ。姉さんたちの犠牲を無駄にはできない、
深呼吸をして、ナイフを握り直す。
ぽつ、とシーツに一つ水滴が落ちた。
もう一滴落ちたところで、それが自分の涙だと気づく。
気づいてしまったらもう止まらなかった。上質そうなシーツにどんどんシミができていく。
(できない、ッ……!!)
王子は何にも悪くないのに…。
刺せるわけないじゃん…。
手からナイフが落ちるのと一緒に床にへたり込む。
もう勇斗王子の姿を見ることができない。
(もういいや、)
海に入ったら、泡になって消えられる。
王子を刺すくらいなら、俺が消えた方がマシだ。
すぐ後ろの窓を開けて、一歩外へ出る。
空を見上げると無数の星が瞬いている。
俺も、この星のひとつになれるかな、
手すりに身を乗り上げて、まさに身を投げようとしたその時。
「…誰だ?」
背後から声が聞こえる。勇斗王子が起きてきた。
それでも俺は構わず前に体重をかける。
「ちょちょっ!なに考えてんの!」
バタバタと騒がしい音が聞こえて、体ごと引き寄せられる。
「もう、そんな危ないこと……って、仁人…?!」
(勇斗、王子……)
嫌だ、こんな惨めな姿見られたくない。
涙が止まらない。
勇斗王子は俺の目尻を親指でなぞり、涙を拭ってくれた。
人魚の涙は宝石だと言われているのを思い出す。そんなわけない。俺の涙は、醜くて、汚い。王子に触らせたくない。
俺は王子を自分から離れさせるように力いっぱい押した。王子が少しよろけた隙に腕から抜け出して、走って再び手すりに足をかける。
「駄目だッ!!!」
後ろから、痛いくらいに抱きしめられる。
(やめろ、離れろ…っ!)
じたばたもがいてみるものの、王子はびくともしない。
(死なせて……お願いだから…、)
「駄目だ、死なせるわけにはいかない」
っ!?
俺の声が聞こえてる…!?
驚いて振り向いた仁人の頬に勇斗王子はキスを落としました。
仁人は衝撃で固まってしまっています。
勇斗王子は同じ場所にもう一度キスを落とし、仁人を正面から優しく抱きしめました。
「ねえ、まだ俺の事好き?」
勇斗王子が抱きしめた耳元で話しかけてくる。
「あの紙読んでさ、俺気づいちゃった。俺、仁人に一目惚れした。仁人のことが好き」
(……ぇ、)
勇斗王子が俺の首筋に埋めていた顔だけあげて、目を合わせてくる。
「仁人、俺の質問に答えて?」
王子はそういうのと同時に俺の唇にキスをする。身体中に甘い電撃が走り、喉がじんわりと温かくなる。
「す、き……」
to be continued…
お読み頂きありがとうございました!
今回で終わろうと思ったのですが、叶わず、、、笑🥹
恐らくストーリー的には次で最終話なのですが、🔞入れようか悩んでます。入れたら相互限定にしなくてはならないので……。
そして、いつの間にかフォロワー様1000人越え、、、?!ありがとうございます!
最近新曲やらYouTubeやらドラマやら供給が多すぎて混乱中です。メロつく覚悟をしておきます🫡
コメント
14件
うぁーー続きでるまてわくわくです😭💭 2人が結ばれるのか...ハピエンになるのかどうか楽しみです😻
続き楽しみです✨ お互いのすれ違いが切ない…🥹
泣きそうです😭続き楽しみにしてます、!