あの時の9月1日。
俺らは最悪の日。
あの子にとっては幸せの日。
生きていた中で、一番の。
だって、この地獄から抜け出せたんだから、
誕生日の前に亡くなったあの子のためには、俺らは何ができたのだろうか。
日々増えていった、腕の赤い線のこと。
だんだん少なくなっていった、瓶の中の薬のこと。
みんながいる空間から逃げて、一人になろうとしたこと。
わかりやすかったはずだった。
なのになぜ気づけなかったのだろうか。
だんだん薬が減っていったこと、赤い線が増えたこと、一人になろうとしてたことに。
「はぁ」
そうため息をつく。
今日は、あの子がいなくなってから、1年たった今。
あの時のことを今でもよく思い出す。
ちぐ/ちぐちゃん、見えていますか?
俺らのことを。
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