テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
月城 蓮桜音
2,764
1,597
水羽
1,040
「ねえ、金隠氏って何が怖いんだと思う?」山富士女史は黒木夫人宅で、夫人に聞いた。二人はくっついたり離れたり忙しい。
「そうねえ…強いて言えば亜漕さんみたいに理路整然とまくし立てて言う人じゃないかな?」「でも夫婦だったじゃ無い?」「だからよ!」「?」「金隠氏は彼女を盾にしてたのよ。自分が言え無い事は、彼女がガンガン言ってたから。」
山富士は思った。(私はむしろ合祀の割賦のことは金隠氏に言って貰った。では彼と亜漕の前の門跡だった人との相性はどうなんだろう?)
「ねえ幻覚寺の古い門跡のことは誰に聞けばわかるのかしら?」と黒木夫人にたずねた。「そりゃ本山に行けば、誰かしら知ってるんじゃ無い?」黒木夫人は興味無さそうに言って、山富士が持ってきた不味い干し柿を食べた。
コメント
1件
うん、第60話、読了しました。 お二人の会話を通して金隠さんの人物像が見えてくるのが面白いですね。「亜漕さんみたいに理路整然とまくし立てる人が怖い」っていう黒木夫人の分析、なるほどなと思いました。あえて攻撃的なパートナーを盾にしてたっていう観察は、夫婦関係の見方として結構鋭いですよね。そして山富士さんはもう次の情報(幻覚寺の古い門跡)を探り始めてて、この人の行動力、本当に止まらない……。黒木夫人が干し柿食べてるところも含めて、静かな中にいろんな含みがあるエピソードでした。続きが気になります!