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昼休み、高校の教室。トオルが弁当を広げていると、学校一のマドンナと噂される同級生・藤原マイが近づいてくる。長い髪と自信に満ちた笑顔が印象的な彼女は、トオルの隣に座り、「ねえ、桜井くんって車乗ってるんでしょ? 今度ドライブ連れてってよ」と唐突に言う。トオルは驚きと照れで箸を落とし、「え、俺? ドライブって…」と顔を赤らめる。舞衣は「車好きって聞いてたからさ。これ私の連絡先、楽しみにしてるね」と笑って去り、トオルは呆然としながら「何だよこれ…」と呟く。
その夜、トオルはユウジに相談し、「マイちゃんがドライブって言うからさ…どうしよう」と戸惑う。ユウジが「お前、ラッキーじゃん! 俺も行くからC1走ろうぜ」と盛り上がり、舞衣を誘うことに。トオルの180SXの助手席に舞衣を乗せ、ユウジのS13シルビアが並走する形で夜の首都高C1へ繰り出す。助手席のマイは窓の外を眺め、「やっぱりトオルくんたちもお兄ちゃんみたいなことしてたんだね」と意味深に呟く。トオルが「お兄ちゃん?」と聞き返すが、マイは「いいから、本気で走ってみてよ」と煽る。
トオルは緊張しながらもアクセルを踏み込み、マフラーと新サスペンションを活かしてコーナーに挑む。マイは黙って見ているが、走りが終わるや否や「コーナーが甘いね。びびってるでしょ?」と鋭く指摘。トオルは「え、どうして分かるんだよ!?」と動揺し、ユウジも電話越しに「マジか、マイちゃん何者だよ」と驚く。マイは「コーナーの進入が遅いし、アウトに膨らみすぎ。怖がってるからだよ」と冷静に分析し、トオルは「バレてたのか…」と恥ずかしそうに俯く。
マイを家まで送る途中、トオルは「なんでそんなに分かるんだ?」と尋ねると、マイは「まぁね、私も走ってるから」と軽く流す。到着した家のガレージには、見覚えのある赤いFD3S RX-7と、ピンクのS2000が停まっている。そこへカイトが現れ、「お、マイ、帰ったか。って…桜井!?」と驚く。トオルが「カイトさん!? どういうこと?!」と混乱する中、マイが「これ、私の愛車だよ。コーナーの攻め方、教えてあげようか?」とピンクのS2000を指差し、少し馬鹿にしたような笑顔を浮かべる。そして「そういえば紹介するね。カイト、私のお兄ちゃん」と衝撃の事実を明かす。
カイトが「お前、妹と一緒に走ってたのかよ。意外とやるな」と笑うと、マイは「お兄ちゃんには負ける気ないけど、トオルくんはまだまだだね」と挑発。トオルは「藤原マイが…カイトさんの妹で、走り屋!?」と頭を抱えるが、舞衣が「お兄ちゃんに勝つ前に、トオルくんに勝つのが先かな。今日からライバルだよ」とウインク。カイトも「面白いことになってきたな。マイに負けたら俺にも勝てねえぞ」と煽り、トオルは「負けるもんか!」と意気込む。
翌夜、トオルはマイの指摘を意識してC1で走り込む。ユウジが「マイちゃんに言われたこと効いてんな」とからかう中、トオルはコーナーの進入を早め、アウトへの膨らみを抑える練習を重ねる。すると、ピンクのS2000が後方から現れ、マイが華麗なコーナリングでトオルを追い抜く。「まだ甘いよ、トオルくん!」と笑う声に、トオルは「くそっ、次は抜き返す!」と闘志を燃やす。
ラストシーン。トオルはガレージで180SXを見つめ、「マイにもカイトさんにも…篠原マコトにも負けない」と決意を新たにする。マイは自宅でS2000を磨き、「トオルくん、面白いね。お兄ちゃんより先に私が帝王になるかも」と微笑む。カイトはFDを見ながら「マイも桜井も、いいライバルだ」と呟く。遠くの首都高の光が、三人の競争を予感させる。
**藤原マイ**:学校のマドンナであり、カイトの妹。ピンクのS2000を駆る走り屋で、鋭い観察力と技術を持つ。トオルに興味を持ち、仲間兼ライバルとして登場。
**藤原カイト**:舞衣の兄として、妹の成長とトオルの頑張りを楽しそうに見守る。ライバル関係に新たなスパイスが加わる。
**桜井トオル**:舞衣の突然の接近に戸惑いつつ、彼女の指摘で走りを磨くきっかけを得る。新たなライバルに刺激される。