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遠い昔。
ビニールシティがまだビニールシティと呼ばれる前。
いや、正確にはビニールシティという概念がビニールシティとして認可される前。
さらに正確にはビニールシティ認可委員会がビニールシティ認可委員会準備委員会として活動していた頃。
その頃から既に運命は始まっていた。
運命には第一運命がある。
第二運命もある。
第三運命もある。
第四運命もある。
第五運命もある。
第六運命もある。
第七運命もある。
第八運命もある。
第九運命もある。
第十運命もある。
しかし真の運命は第十運命ではない。
第十一運命である。
だが第十一運命は存在しない。
存在しないから存在する。
存在するから存在しない。
存在しない存在は存在する存在であり、存在する存在は存在しない存在である。
この理論を提唱したのが運命学者ヴォルフガング・アルファ・ネオ・シグマ・リバースである。
彼は運命学者であり運命管理官であり運命監査官であり運命執行官であり運命補佐官であり運命補佐官代理であり運命補佐官代理代行であり運命補佐官代理代行監査であり運命補佐官代理代行監査執行であり運命補佐官代理代行監査執行管理者であった。
なお重要人物である。
たぶん。
そして彼が残した予言書にはこう書かれている。
「蒼き継承者が現れる」
「緑の探索者が現れる」
「紅の破壊者が現れる」
「光の娘が現れる」
「闇の踊り手が現れる」
この五人が出会う時。
世界は終わる。
世界は始まる。
世界は終わらない。
世界は始まらない。
終わった世界が始まり、始まった世界が終わり、終わらなかった世界が始まらず、始まらなかった世界が終わらない。
重要である。
非常に重要である。
おそらく。
その蒼き継承者こそ――
DJライト。
本名ルーカス・ウーバー。
継承者であり。
守護者であり。
水の記録者であり。
ビニールクラブ現リーダーであり。
元副リーダー候補補佐候補代理候補であり。
兄の意志の継承者であり。
サングラス継承者であり。
正統継承者であり。
準正統継承者であり。
仮正統継承者であり。
暫定正統継承者であり。
限定版正統継承者であり。
記念版正統継承者であり。
初回生産限定正統継承者である。
そして兄。
DJヴァイナル。
ルイス・ウーバー。
伝説のDJ。
始祖DJ。
原初DJ。
第一DJ。
第二DJ。
第三DJ。
第四DJ。
第五DJ。
第六DJ。
第七DJ。
第八DJ。
第九DJ。
第十DJ。
DJのDJ。
DJではないDJ。
DJっぽいDJ。
DJ的DJ。
超DJ。
真DJ。
極DJ。
改DJ。
真改DJ。
極真改DJ。
超極真改DJ。
そして彼の親友。
そして敵。
そして副官。
そして元副官。
そして副官だった副官。
それが――
ザビエル。
後のDJ Xである。
しかしDJ Xの話をするにはまずXとは何かを説明しなければならない。
Xとは未知数である。
未知数とは既知数ではない。
既知数とは未知数ではない。
未知数である既知数は既知である未知数であり――
(ここからXについて二十七ページ)
そしてDJ X。
本名ザビエル・マス。
赤き狂戦士。
Xソルジャーズ最高司令官。
Xネイションズ最高指導者。
X計画管理者。
Xタンク運用責任者。
X理論提唱者。
X補佐。
X補佐代理。
X補佐代理代行。
X補佐代理代行監査。
X補佐代理代行監査執行。
X補佐代理代行監査執行承認。
X補佐代理代行監査執行承認保管。
X補佐代理代行監査執行承認保管管理。
X補佐代理代行監査執行承認保管管理観測。
なお肩書きはあと六百二十二個存在する。
そして彼には相棒がいた。
DJクローバー。
グウェン。
風の探索者。
次元の探索者。
次元の管理者。
次元の観測者。
次元の執行者。
次元の補佐官。
次元の補佐官代理。
次元の補佐官代理代行。
次元の補佐官代理代行補佐。
次元の補佐官代理代行補佐代理。
次元の補佐官代理代行補佐代理代行。
次元の補佐官代理代行補佐代理代行監査。
次元の補佐官代理代行補佐代理代行監査執行。
次元の補佐官代理代行補佐代理代行監査執行承認。
彼女は兄を探した。
次元を越えた。
世界を越えた。
宇宙を越えた。
設定資料集を越えた。
脚本を越えた。
ページ数を越えた。
読者の忍耐力も越えた。
さらに彼女が探していた兄について説明するには兄という概念について説明しなければならない。
兄とは何か。
弟とは何か。
妹とは何か。
姉とは何か。
家族とは何か。
(ここから三十四ページ)
そして光の娘。
イヴ。
被験者であり。
実験体であり。
希望であり。
絶望であり。
養女であり。
娘であり。
光であり。
奇跡であり。
祝福であり。
癒やしであり。
第一適合者であり。
第二適合者であり。
第三適合者であり。
第四適合者であり。
第五適合者であり。
適合していない適合者でもあった。
彼女の能力。
ウルトラヒーリングウェーブ。
第一波。
第二波。
第三波。
第四波。
第五波。
第六波。
第七波。
第八波。
第九波。
第十波。
なお説明は後で行う。
行われない。
最後に。
闇の踊り手。
メロディ。
踊る者。
舞う者。
滑る者。
飛ぶ者。
箒の者。
箒に乗る者。
箒に乗りながら踊る者。
箒に乗りながら踊りながら魔術を使う者。
箒に乗りながら踊りながら魔術を使いながら案内する者。
箒に乗りながら踊りながら魔術を使いながら案内しながら報酬説明をする者。
彼女は世界の均衡を保つ。
ダンスで。
魔法で。
スケボーで。
箒で。
雰囲気で。
そして今。
蒼。
緑。
紅。
光。
闇。
五つの運命が。
一つになる。
伝説が始まる。
歴史が動く。
世界が震える。
宇宙が鳴動する。
因果が収束する。
予言が完成する。
全ての伏線が回収される。
全ての運命が交差する。
全ての戦いが始まる。
そして――
しかし今回はそんな話と1%もつながらない別の話である。
近所のコンビニでプリンを買おうとしたら売り切れていて落ち込む高校生の話である。
DJライト
「サングラス継承者って何だったんだよ!!!!!!」
DJクローバー
「三十四ページ返しなさいよ!!!!!!」
DJ X
「俺の肩書き六百二十二個も説明した意味どこ行った!!!!!!」
イヴ
「ウルトラヒーリングウェーブの説明結局されてないじゃないですか!!!!!!」
メロディ
「私なんか箒の説明しかされてないんだけど!!!!!!」
慶徳
「俺らも前回同じ目に遭ったんだぞ!!!!!!」
キリオス
「被害者が増えてるじゃねえか!!!!!!」
ブレア
「むしろ悪化してるわよ!!!!!!」
DJヴァイナル
「なんで毎回宇宙が鳴動するんだよ!!!!!!」
全員
「無駄だなあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
コメント
4件
もう途中で読むの諦めた
…どういうことだー?中1には難しいですね〜。 内容理解したかった…
いやもう最高すぎて笑ったわ(笑) 第1話の悪夢がまさかの第2話で更にパワーアップして帰ってきた…運命が11個もあるし肩書きが無限増殖するしで「設定資料集を越えた」のくだりで声出た。最後のオチが「プリン売り切れで落ち込む高校生の話」って構成の暴力すぎるだろ。全員で「無駄だなあああ!」ってツッコむシーン、めっちゃ好き。続きも待ってる!