テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
おお~、今回も熱い展開だったね!一郎と三郎、ついに本気で殺り合うことになっちゃったか…。三郎の「痛みを感じない」特性を活かした戦い方、めちゃくちゃカッコよかったし怖かったわ。でも、それ以上に心に残ったのは一郎の葛藤かな。妹のためにって気持ちは分かるけど、白雪の甘い言葉に惑わされて仲間を裏切る選択、切なすぎる…。最後の二郎が背中向けて走り出すシーン、胸がギュッてなったよ。次が気になりすぎる!
11月1日 PM17:09 東京市内 Hero Of Justice アジト
キィィンッ!!!
ナイフ同士がぶつかりあう音が響き、晶はフードを被った男の顔を見て、三郎に聞こえる声で男の名前を呼んだ。
「二郎、何でここに居んだ?」
「それはこっちが聞きたいんだけど…、晶」
「顔隠してないで、ハッキリ見せたらどうだ」
「やっ…」
嫌がる二郎の意志を無視して、晶は力づくで深く被っているフードを掴んで脱がす。
フードを外されて現れた二郎の表情はいつもと違く、
唇の色は青色で血の気が引いているが一目で分かる程だった。
晶から見た二郎の印象は、穏やか雰囲気を纏う殺し屋と言うイメージがつかない男だったが、今の二郎は殺し屋そのもの風貌。
視線から晶の気持ちを察した二郎は、短い溜息を吐きながら髪を乱暴に掻き始める。
乱暴な仕草も普段の二郎から想像が出来ず、服装もいつもよりだらしなく、苛々しているのも二郎らしくない。
「あー、もう!晶がここに来るなんて聞いてないし…。三郎だけだと思ってたのに、最悪過ぎるんだけど」
そう言って、二郎は目の前に立っている晶を睨み付けた。
「お前って、俺の事を睨めたんだな。お前がここに居るのも、理由は五郎だろ?」
「だったら何?晶には関係ないでしょ」
「助からないとでも言われたか?確かに、発見した時に見た感じだと重症そうだったな」
「分かってるなら、僕達の邪魔をしないでくれる」
二郎はナイフを構え直してから動き出すまでの時間は早く、向かって来る二郎を軽く笑いながらナイフを構える。
キィィンッ!!!
振り下ろされたナイフを受け止めると、リビングに隠れていた細身の男が包丁を握り締めて走り出し、横目で男の行動を確認していた晶は腰に巻き付けていたナイフ用の革製のポーチに手を入れた。
晶が取り出したのは刃の大きいマシェットナイフで、キッチンから出て来た男の首に向かって振り翳す。
ブンッ、ブシャアアアッ!!!
マシェットナイフで斬られた首の傷口が大きく開き、噴水のように血を噴き出しながら頭の重みに耐えきれずに首が後ろに倒れる。
シュンッ!!!
晶は首を斬った男に目も止めずに、そのまま二郎に向かって行き、マシェットナイフを振り下ろし、避けた
二郎の頬に掠って斬れてしまう。
「晶の相手をするのは本当に嫌なんだけどっ」
「だったら大人しく帰れ」
「それは無理。翡翠を持ち帰るまでは帰らない」
落ちていた包丁を素早く手に取って、晶に向かって投げ飛ばす。
ビュンッ、キィィンッ!!!
投げ飛ばされた包丁をナイフで弾き返すと、体勢を低くしたまま晶に接近していた二郎がナイフを脇腹に向かって振り翳した。
ブンッ、キィィンッ!!!
「ハハッ、体の至る所に目がついてる?もしかして」
晶は二郎の気配を察知して視線を向けずに、マシェットナイフで脇腹を刺されないように動きを封じた姿を見て、二郎は苦笑いをするしかなかった。
「殺し屋ってのはな、守る奴がいる奴といない奴では戦い方が違う。お前と俺で戦い方もやり方もちげーだろ」
「守る奴がいると弱くなるって、ボスにも伊織にも散々言われて来たよ、教育期間の時に。でもさ、僕達は機械でも人形でもなく、人間なんだよ。晶なら分かるでしょ?愛した人が居た晶なら…」
ズシャッ!!!
話している途中の二郎の腕を晶は容赦なくナイフで斬り付け、鈍い痛みが斬られた傷口から広がり血が噴き出す。
「お前、俺に同情してほしいのか?なら残念だが、俺はお前に同情なんかしない」
「本当に心はないんだね、晶は。その言葉を聞いたら、殺す事に躊躇しなくて良さそうだ」
そう言った二郎の顔付きは殺気に満ちたものになるが、晶の表情は何も変わらない。
ブンッ、キィィンッ!!!
素早く動いた二郎は晶に向かってナイフを振り翳し、晶は再びナイフで攻撃を防ぎ、二郎は隠し持っていたアイスピックを使って目を誘うと突き刺した。
右側から自分達に近付いてくる足音が聞こえ、微かな殺気を感じた晶は持っていたナイフを人気のする方向に投げ飛ばすと、ズシャッとナイフが突き刺さった音が聞こえる。
だが、ナイフを投げ飛ばした事で、二郎が突き刺してきたアイスピックが二の腕に刺さってしまう。
グサッ!!!
アイスピックが刺さった部分から嫌な痛みが広がるが、晶の表情は変わる事はなく、何食わぬ顔して腕に刺さったアイスピックを抜く。
カランカランッと床にアイスピックが落ちる音が響き渡り、今度は晶の方から動き出した。
タンッ!!!
覆面をした男達が二郎の前に立つが、晶には何も問題はない。
マシェットナイフの持ち手部分を短く持ち直し、男達の首に向かって横に振り翳すと、鋭い刃が男達の首の皮膚に食い込む感触が伝わり、その感触は包丁で固い肉を力技で切っている感覚と似ている。
コンッと刃に首の骨が当たるが、晶は力技でマシェットナイフを振り下ろすと、覆面の男達の首がパックリと横に開いて一斉に血が噴き出す。
ブシャアアアッ!!!
数人分の血液が壁や床に広がる中、リビングからも晶が斬った男達の何倍もの死体が床に転がり、傷口から流れ出した血液が広がって行く。
キィィンッ!!!
三郎と一郎が激しくぶつかり合う金属音がリビングに響き、お互い本気で相手を殺そうとしている動きをしていた。
カチャッ。
一郎が三郎に向かってデザートイーグル50AEの銃口を向け、躊躇なく引き金を引き、三郎は床に転がっている男のパーカーのフードを掴んで起こす。
#ライトノベル
umaimon
3,936
#会話劇
チェンカ☆1159
132
#現代ファンタジー
裏五条
35,081
ブシャッ、ブシャッ!!!
三郎は死体を起こして銃弾が自分に当たらないように盾にし、脳内に一郎が次にしてくる行動が映像で過り、盾にした死体を一郎に向かって蹴り飛ばした。
ドカッ、パシュッ!!!
蹴り飛ばされた死体の所為で、一郎が三郎に向かって放たれた弾丸が男の体に当たり、自分の体に倒れて来ないように横に避けた時、ナイフが飛んで来ているのが見える。
ビュンッ、ブシャッ!!!
避けたナイフが頬を掠り、傷口から血が垂れてきたのを感じ、一郎は服の袖で拭う。
「リビングのテーブルに置いてある箱は俺のなんだけど。何で、勝手に横取りみたいな事してんの?一郎」
「必要になったから取りに来た」
「俺の話を聞いてた?それは俺が命がけで勝ち取ったの、俺が貰った物なの。泥棒みたいな事すんなって言ってんの」
三郎の棘のある言葉を聞いた一郎は、申し訳なさとか謝罪の気持ちなど1つもない。
「六郎の傷が深い、ある人が翡翠のJewelry Pupiyを必要としてる。お前には悪いが、俺に譲ってくれ」
一郎の口から出た【ある人】と言うワードを聞いて、三郎の頭の中で嫌な予感がしていた。
【そんなまさか、そんな事ってありえるのか?】
【だとしら、一郎と二郎の裏切り行為の説明がつく。一郎の口から直接、奴の名前を聞くまでは確証が持てない】
「ある人って、まさか白雪だって言わないよね?」
「あの人はお前が思ってるような人じゃないよ、助けてくれるって言ってくれたんだ」
「お前、正気か⁉白雪側に寝返って事⁉就任式での白雪の行動とか見てたでしょ⁉あの女は本当にヤバいんだって」
白雪の事を悪く言った三郎の事を睨みつけ、その視線を見た三郎は一郎に何を言っても駄目だと悟らされた。
一郎は三郎の事を確実に殺しに来ている動きをしていて、仲間思いの彼からは信じられない行動をしている。
白雪の甘い言葉に騙されてしまった一郎は、白雪の命令通りに翡翠のJewelry Pupiyを奪いに来て、大勢の男達を引き連れてアジトで待ち構えていたのだ。
少し先の未来が視える三郎が、自分達の事を待つ構えていた事は分かっていたし、本気で殺しに来る事も分かっていた。
「俺達ってさ、普通の関係じゃないじゃん?友達でもなければ、血の繋がった兄弟でも家族でもない。俺達って仲間?それとも別の何かだと思う。10年近くも一緒に住んできたけどさ、結局はこうなる運命だったかもね」
カチャッ。
そう言いながら三郎はナイフを短く持ち替え、呼吸を静かに整える。
「俺は血の繋がった妹を探す為に、ボスに拾われて殺し屋になった。俺にとって、ユマは何よりも大切な存在だ。悪いな三郎、俺に殺されてくれ」
「ごめんね?一郎。俺は冷酷な人間だって自分でも分かってるんだ。メンバーの中で1番大切なのは四郎、四郎の邪魔をする奴は全員殺して来た。ここまで言ったら、俺の言いたい事は分かるよね?一郎」
「恨みっこなしだ、三郎」
「良いね、後腐れない方が良いよね」
「「…」」
ダンッ、キィィンッ!!!
一郎と三郎の2人は同時に動き出し、至近距離でお互いの体に向かってナイフを振り下ろし、互いのナイフがぶつかる音が響く。
キィィンッ!!!
シュンッ!!!
一郎はつかさず三郎の腹に蹴りを入れようと足を上げた時、三郎はガシッと一郎の足を掴んで容赦なくナイフを突き刺す。
グサッ!!!
ブシャッ!!!
三郎が一郎の足にナイフを突き刺したのと同時に、一郎は三郎の顔にナイフを突き立てていたのだが、三郎は素手でナイフを掴んで止めていた。
ナイフを力強く掴み、一郎がナイフを引き抜けないくらいの強さでナイフを平気な顔して掴んでいる。
痛みを感じない三郎だからこそ出来る行動であり、一郎は三郎の強さの1つである事は四郎よりも分かっていたし、その危うさが早死にの原因とも思っていた。
ドンッ!!!
一郎は掴まれている足を力技で解き、腕に力強い蹴りを貰った三郎は一旦、一郎から距離を取って血で滑らないように足に力を入れる。
距離を取った三郎の脳内に一郎が次に何をしてくるのか映像で流れ、三郎は男の着ていた上着を脱がした。
カチャッ。
上着を脱がし終わったタイミングで一郎に向かって投げた時、一郎は三郎に銃口を向けて引き金を引いた瞬間だった。
パシュッ、パシュッ!!!
バサッ。
放たれた弾丸が投げられた上着の所為で弾丸は三郎に当たらず、投げつけられた上着が一郎の顔に覆い被さってしまう。
三郎はすぐに兵頭雪哉が趣味で買った高級の花瓶を手に取って、一郎が上着を退ける瞬間に合わせてソファーに向かって走り出す。
「このっ!」
少しの苛立ちを見せながら投げつけられた上着を剥ぐと、ソファーの弾力を使って飛び跳ねた三郎が花瓶を思いっきり一郎の頭に叩きつける。
パリーンッ!!!
ブシャアアッ!!!
花瓶を叩きつけられた一郎の頭から血が噴き出し、その衝撃が体が大きく揺れてしまい体が後ろに倒れそうになった。
シュンッ!!!
グサッ!!!
三郎は容赦なく一郎の喉元に向かってナイフを突き刺すが、一郎は自分の腕を盾にしてナイフの動きを止める。
デザートイーグル50AEの銃口を三郎に向けて引き金を引き、放たれた弾丸を三郎は反射神経で避け、一郎の腕にナイフが刺さったままの状態で距離を取った。
「痛いな…、花瓶で頭を叩きつけらるとは思ってもみなかった。ボスが気に入ってた花瓶だろ、これ」
「今、関係ある?俺達がこんな風になったんだから、どうでも良いでしょ?頭から血が出てるのに、タフだねぇ。貧血でぶっ倒れてもおかしくないと思うけど」
一郎が血を拭っている間に床に落ちていたナイフを拾い、一郎にバレないようにもう1本のナイフはズボン
のポケットに隠す。
銃を使った戦闘方法も教わったが、三郎個人はナイフを使った接近戦の方がやりやすく、刀を使った戦いも得意の方だ。
一郎は三郎とは逆で、銃を使った戦い方の方がやりやすく、ナイフを使った戦いは好んではしない。
自分達の殺しの師匠である岡崎伊織は時と場合に武器を変え、対象者を確実に仕留めれる方法で模索しろと教えられていた。
花瓶で頭を殴られた所為で血液が右目の中に入り、視界が真っ赤に染まって左目だけを頼りに戦わないといけなくなり、呼吸を整えてからデザートイーグル50AEを構え直す。
「一郎、最後に聞くけど本当に良いんだね?本当に、一郎の事を殺しちゃうよ」
三郎がそう言った瞬間、今まで自分達には向けられた事がない冷たい眼差しを向けられ、全身の毛が逆立ってしまう。
一郎は三郎は自分を含めたメンバーの中で、天性の殺しの屋としてのセンスを持っていると密かに思っていた。
兵頭雪哉も三郎の殺し屋としての腕を認めているから、自分に対しての態度が悪くても見逃がして来たし、重要な仕事はいつも三郎に任せていたのも知っている。
「こんな事、言いたくなかったけどよ。俺はお前に対して劣等感を抱いていたよ。俺もそれなりにボスの役に立っていた筈なのに、ボスは重要な仕事はいつも三郎に回す。お前は1週間くらい掛かる仕事を3日で終わらす」
「マジで、今更何?重要な仕事を回された覚えもないんだけど。仕事を回して貰えなくて、俺に劣等感を抱いてた?そんな風には見えなかったけど、一郎は本当はどっちが大事なわけ?」
「どっちが大事かって、そんなのユマに決まって…」
「一郎のはボスの事も大事なんだよ、本当は。六郎と同じくらいボスの事を思ってるでしょ。俺は四郎が何よりも大事だよ、ボスの命令を無視して勝手な行動が出来る。見放されたって構わなかったよ?俺は一郎みたいに、優等生じゃないからね」
三郎の言葉を聞いた一郎は、持っているデザートイーグル50AEを床に床に落としそうになった。
【俺はユマの為に三郎のように、ボスの信頼を一瞬で失う行動を取れていただろうか】
【今も、ボスの顔が頭を過っていて、自分が中途半端な事をしている自覚もある】
感情がぐちゃぐちゃに掻き回されていく、ここに来たのは自分の意志の筈なのに、訳が分からなくなる。
どうしたら良いのか分からなくなってしまい髪を乱暴に掻いた時、病院の霊安室で白雪と話した会話の内容を一郎は思い出した。
***
「貴方の妹と一緒に運ばれた仲間?だったかしら、私の血があれば助ける事が出来るわ。だけど、私の体の内部は壊れ来ているの」
「内部が壊れてきている?どういう意味ですか」
一郎に問い掛けられた白雪はヒールを鳴らして霊安室の外に出て、設置されてるソファーの腰を下ろしては着ているワイシャツのボタンを外していく。
ゆっくりとワイシャツのボタンは外されていき、露わになった白雪の体を見て一郎は驚いた。
脇腹が浮いた体もそうだが、本来は体内にある筈の肝臓や膵臓、堅臓がある部分が大きくへこんでおり、一目見ただけでないのが分かる。
この状態で生きているのが不思議な体で、一郎の反応を見ながら白雪は口を開く。
「この状態でよく生きてるなって思ってるでしょ?自分でも不思議に思ってるけど、長くはないわね。ねぇ、Jewelry Pupiyが騎士を必要としているのは何でだと思う?」
「心の拠り所が必要だからですか」
「それもあるけど、体への負担を共有してくれるから。私に場合はずっと騎士がいないから。JewelryWordswを使えば自分の体に返って来る負担が大きい。私の場合は内臓が破壊されていった」
「何故、騎士を作らなかったのですか?貴方なら、いくらでおも作れたでしょう?」
「何人か居たわ。だけど、負担に耐え切れなくて死んじゃった。それだけ、私のJewelryWordswの能力が強いのよ。おかげで、邪魔者を排除出来たんだけど」
白雪は軽く笑いながらワイシャツのボタンを閉じていき、一郎の事を上目遣いで見ながら言葉を吐いた。
「私の血を使えば助けれるけど、貴方達の2人の仲間を助けるには血液が足りないわ。私が死んでしまえば、血を提供が出来なる。それは貴方も困るでしょ?」
「2人?七海の事は助けない気ですか?」
「あの子は私と同じアルビノでしょ?私の血が無くたって、勝手に傷を治していくわよ。騎士も2人もいるんだから良いでしょ?私、子供は嫌いなの」
「…、俺に何か頼み事があるんですよね?何ですか」
「貴方の仲間で、椿が開催した闇闘技の試合に出た子がいるでしょ?賞品で出た翡翠のJewelry Pupiyを持って来て。今、私に死なれたくなかったらね」
白雪の言葉を聞いた一郎の脳裏には三郎の顔が浮かび、彼が四郎の病を治す為に命がけで勝ち取った物だと分かっていた。
翡翠のJewelry Pupiyを三郎の留守の間に持ちされば、これまで築き上げて来た信頼関係が壊れる事も分かっていた。
【1つ返事でして良い内容じゃない、これは俺達が仲違いしてしまう可能性がある話だ。俺の行動1つで、三郎は俺の事を敵認定してしまう。三郎を敵に回す事だけは避けたい】
一郎の考えている事が分かったのか、白雪はソファーから腰を上げて一郎に近付く。
白雪にまっすぐ見つめられた一郎は視線を逸らすも、頬を両手で掴まれてしまい強制的に顔を戻されてしまう。
「妹の事が大切なんでしょう?どんな手を使ってでも、妹の事を助けないといけないんじゃないの?」
「それは…」
「何を迷う必要があるの?貴方達が雪哉さんに拾われたのは、モモの事を守る為だでしょ?今の雪哉さんは、モモの事は頭から抜けてるわ。私の事と息子の事しか頭にないわ。雪哉さんの事を気にしなくたって良いじゃない」
「ボスの事もありますが、仲間の事を裏切る訳には…っ、長年一緒に居たんですから」
「仲間と血の繋がった家族は別物でしょ?」
その言葉を聞いた瞬間、一郎の頭の中がスカッとした感覚がした。
【仲間と家族は別物、言われてみればそうだ。メンバーの中で血が繋がっているのは、妹のユマだけ。他のメンバーとは赤の他人で、俺行方不明になったユマの事を見つける為に、殺し屋になったんだ】
殺し屋になった本来の目的を思い出した一郎の表情を見て、白雪は満足そうな笑みを浮かべた時、2人の目の前に一郎の事を探しに来た二郎が現れる。
「何で、ここに白雪さんが居るんですか…?」
驚いている二郎の姿を見た白雪は、何かを思いついたのか二郎に向かって歩き出して、彼の目の前で不敵な笑みを浮かべた。
***
白雪との会話を思い出した一郎は心の中の迷いが消え、三郎への遠慮もなくなった今、躊躇なく三郎に向かって引き金を引く。
パンパンパンッ!!!
ブシャッ!!!
三郎は放たれた弾丸に向かって走り出し、弾丸が三郎の左肩に当たって血が噴き出しても、三郎は足を止めずに一郎に向かう。
至近距離になった三郎は持っていたナイフを一郎に向かって振り下ろすも、一郎はギリギリの距離で避けた後、再び銃口を三郎に向けて引き金を引いた。
パンッ、キィィンッ!!!
瞬時に放たれた弾丸をナイフで弾き、デザートイーグル50AEを構えてガラ空きになっている脇腹にナイフを突き立てる。
ブスッ、ブシャッ!!!
「ガハッ⁉」
一郎の口から吐き出された血が三郎の顔にかかるが、三郎は表情を変えないままナイフを更に奥に差し込む。
口からも刺されている部分からも血が溢れ、一郎は何とか抵抗しようとデザートイーグル50AEの銃口を三郎に向けた時だった。
シュンッ!!!
ガシャーンッ!!!
一郎がデザートイーグル50AEの銃口を三郎に向けた時、三郎はズボンのポケットに入れておいたナイフを取り出し、力を入れてデザートイーグル50AEに向かって振り下ろして破壊する。
デザートイーグル50AEが破壊された音は晶と二郎がいる廊下まで響き渡り、二郎は何かを察して晶に背を向けて走り出してしまう。
殺し屋にとって背中を向ける事は自殺行為だと、同じ
殺し屋の二郎も分かっていた事だが、胸騒ぎがして自分の気持ちを優先してしまったのだ。
二郎の後をすぐに追い掛け、背後から回された腕に首を絞められ、自由を奪われた二郎の首を晶は慣れた手付きでナイフの刃を走らせた。