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episode1 「異変」
レイナ視点(視点ころころ変わるかも)
「おやすみ、レイナ」
「おやすみ!」
私はゆっくりと目を閉じた。
翌朝、目覚めると、目の前に現実とは思い難い光景が広がっていた。
「ど、どうしたの?!」
「かッ体が…全身が痛いねんッ!」
「き、救急車!」
私は同居しているKAITOさん、こーくさん、なろさんを起こして病院へ向かった。
車の中では一言も喋らない。唯一喋ったのは、ナビに
「めろん総合病院はどこですか?」
と指示する一言だった。
病院に辿り着き、病室を聞き出した。
ゆっくりとノックをして、扉を開ける。
「ご家族の方ですか」
医者が振り返った。
「はい、そうです」
「これから翔さんの病気について説明します。翔さんは、一日一失病にかかっています」
ああ、これか。最近流行ってる病気って。
「この病気にかかると、まず全身に強い痛みを覚えます。そして、痛みが消失した次の日から、体の機能が失われていきます」
するとKAITOさんが泣き腫らした目で言った。
「失われる機能の順番って決まってるんですか?!」
それは多分、「初日に心臓を失わないですよね?!」と聞きたかったのだろう。
「いいえ、決まっていません」
私は、最も聞きたかったことを聞いた。
「あの、治す方法ってありますか?」
「あります。それは、心臓移植ですが、この病気は流行しているためドナーが不足しているのです」
間髪入れずに、なろさんが尋ねる。
「進行を止めることは、できないんですか?」
「できますが、永遠にこの痛みが続くことになります」
代償にしてはあまりにも重すぎる。理不尽だ、理不尽だ。
「家に帰ることは可能です。今日はお帰りいただいても結構です」
私は鎮静剤を打たれて静かに眠る翔くんを、車に乗せて家へと帰った。