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彼から結婚しようなんて、言うわけがない。



責任もどことなく逃れてきて、大きなことは基本人任せで決める性格に嫌気がさしていた。


いつも私から…


正直疲れたどころの話ではなかった。



そんな彼に、プロポーズを匂わされても答えを迷う選択しかなかった。



私、この人とは結婚できないんだな。



それならとっとと別れた方がいいのに…



私はそれすらも億劫に感じていた。



もう1回やり直せる?


それも首を縦に振ることはできない。


再加熱、できない。



一度冷めてしまった好きは、生焼けの味がする。



どうしてもあの熱々でホクホクな状態には戻れないんだ。



こうやって何年も一緒にいると、どんどん冷めてきちゃうの。



熱々の状態で何もかも済ませておけばよかった。



世の中は授かり婚のことを悪くいうが、こんな経済で、こんな世の中で、それしか選択肢がないだろう。


その選択をしないで済むほど、誰しもが豊かではない。



人に迷惑をかけなければ、なんだっていいだろう。



私は何もかもにヤケクソになっていたのかもしれない。

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