テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
若井が忘れ物を取りに行ってしまった。
おいまさか今朝の連絡も今も2人だけにする口実じゃないだろうな?
いきなりすぎだろ。
どうしよう。俺は書類から目が離せなくなっている。
「あの、元貴。」
2人だけになった今、いちばん気まずい涼ちゃんに声をかけられる。
心の中で深呼吸をし、ん?となるべくいつも通りに、と頭で考えてから答えた。
「あのね、元貴が少しでも眠れるように、これ。」
すると涼ちゃんはラッピングされた何かを渡してきた。
「えっ」
驚いて声が出る。
「眠れてない……でしょ?ちょっとでも休まればいいなって……。」
まぁ、貴方のせいでもあるのだが。
でもこれは予想外すぎた。
あ、若井だな、全部。
俺はえ、ありがと……と驚いたまま
涼ちゃんからのプレゼントを受け取って
開けていい?と聞く。
涼ちゃんはもちろん。好みじゃなかったら……その時はごめん、と謝る。
綺麗にラッピングされた袋を開けると
アロマセットが入っていた。
森林の匂いと記載されている。
あ、これ前に撮影の時に森林は落ち着くって若井に言った気がする。
あいつ……。
「元貴、森林の匂いは落ち着くって聞いたから……。テスター嗅いでないから俺も分からないけど……。」
涼ちゃんは俺の様子を伺っている。
蓋を開けてスンっと匂いを嗅いでみる。
すごく好きな匂いだ。
「わ……すごいいい匂い。これめちゃくちゃ好き。涼ちゃん、ありがとう。今日から使うね。」
涼ちゃんを久しぶりにちゃんと見てそう言うと
「は、う、うんっ!!良かった……!」
ものすごく笑顔になった。
可愛い。可愛すぎる。
もしかして若井はこれを狙ってたのか?
なんでやつだあいつは。
いいタイミグでガチャっと扉が開いた。
「よっしゃ、ただいま。」
若井、お前、と言うように目で訴える。
「あ、若井!おかえり。荷物あった?」
嬉しそうに若井に聞く。
純粋な涼ちゃんを騙すんじゃないよ、全く。
「あったー。なんか汚れないように誰かが移動してくれててさー。時間かかっちったー!」
そう笑って答えた。
どこまで大嘘をつくのか。
はぁ。若井にまんまとやられた。
こちらの手元のプレゼントを見てにんまり笑う。
「良かったなぁ元貴。」
ニヤニヤするな。
「若井、提案ありがとうね。」
涼ちゃんは若井にお礼を言った。
「んーんー、眠れてない元貴ちゃんのため、ですからぁ! 」
今とてもぶっ飛ばしたい。
「おいドヤ顔やめろや」
ひとまず、感謝はしてやらない。今は、絶対に。