テラーノベル
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プレゼント大作戦を無事終え、俺は次の作戦へと移す。
その名もご飯作戦。
意味もそのままである。一緒にご飯を食べる、以上。
最近元貴は気まずさに食べる時間を避けてずらしている。
だから久しぶりに2人で食べてもらおう。
そう思っているが現場でそうさせるのはかなり難しい。
俺が休憩でいなくなったらおかしいし、
かと言って俺がずらしたら今度は涼ちゃんに俺が心配されそう。
家しかないな。ハードルが一気に上がるけど何とか頑張ってもらおう。
「涼ちゃん。」
俺はまたしても涼ちゃんに作戦の提案を実行していく。
涼ちゃんはキーボードを手入れしながら
うん?と聞いてきた。
「今度さ、夜ごはんみんなで食べない?俺ん家今ちょっと片付けてるから元貴か涼ちゃん家で。」
誘っておいて人様の家を指定する。
結構最低な奴である。片してるなんてこれも大嘘だし。片す物なんて普通にない。
涼ちゃんはあぁ、確かに最近ご飯3人で食べてないね……と呟き、
「うん、食べよ。俺ん家でも全然いいけど元貴は自分の家がいいかな。」
元貴は神経質だから落ち着いて食べられないかも、と付け足して言う。
涼ちゃんの家なら今の元貴はそうかも。
「じゃさ、俺元貴にご飯食べいっていいって聞くわ。どうせろくなもん食べてないだろうしあいつ。」
冷蔵庫に水分しか入ってないのを見た。
普通に心配になるくらいに。
「ね、なんか作っていこうかな。人が作ったの食べたくないかな。」
それ、2重でいいかもと思い涼ちゃんを肯定する。
「え、そうしよ、ちょっと何日分かタッパーに詰めて。大丈夫食べてくれるよ。」
そう言うとうん!帰ったら作ろ!と明るい顔で答えた。
俺はすぐ別現場にいる元貴にご飯食べに行きたいと連絡をする。
既読が早い。さすが未読スルー大嫌いな男だ。
ーお前またなんか企んでない?ー
その通りである。
でもあなたのためなのよ、これ。
俺はいいよと言ってもらうために涼ちゃんにもお願いをする。
「んね、元貴に食べいきたーいって連絡しよ。涼ちゃんも。」
涼ちゃんからなら断れないだろ。
「うん、してみる。」
そうスマホを出して文字を打ち出した。
数分後グループに
元貴からこの日に集合、とだけ連絡が来た。
よしよし折れたな。
そしてその当日である。
また俺はいなくなりますよ。当然。
3人でお疲れ様でした、と現場を後にした。
「よし元貴ん家行こ。」
俺はそう2人に声をかけてマネージャーに元貴のうちで大丈夫と伝えた。
元貴はジト目だ。これから俺抜けるからな。
涼ちゃんは1週間分くらいのおかずを紙袋に詰めてきたのであろう。
車の中で他愛もない話をし元貴の家へと着く。
マネージャーに感謝をして車を降りた。
3人でエントランスを抜け元貴の部屋の前へ行く。
元貴が鍵を開け、お邪魔しますと俺と涼ちゃんが部屋に入った。
そして今である。
スマホのバイブ音が鳴った。
俺が鳴らしただけだが。
電話が来た振りをしてあ、ごめん。ちょっと、と言って電話に出た。
「なに」と、出て。
「あー、はいはい、ええ?」と普段の感じを思い出しつつ振りを続ける。
「今じゃなきゃだめなの?」とあえて話す。
元貴は多分察してるな。睨んでいる。お前嘘の電話しているな、と。
電話を切って「ごめーん家族からちょっと来いって来ちゃった。あ、元貴これちょっとおかず作ってきたから冷蔵庫入れとけよ。涼ちゃんごめんな。また機会作るわ。2人ともお疲れでした。んじゃっ!」と2人に話す瞬間を作らず足早に外に出た。
よしよし、どう抜けようか悩んだが家族ならしょうがないってなるだろう。
元貴にはバレてるが。
さ、あとは何とか頑張れ2人とも。
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