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今僕は神域であやかしたちの相談を受けている。
僕の目の前にはずらっとあやかしの列が並び、僕は社で偉そうに座って相談を受ける。
土地神をしていると色々なあやかしから相談を受けるのだ。
相談を受け、解決し、感謝や信仰をもらうことで僕の力も増すので大切な仕事だ。なので不定期で相談会を開き、みんなの話を聞いているのだ。
みんなとも仲良くなれるしね。
大体の相談が、喧嘩やなくしものをしたなどたわいもないことだが今日相談に来た黒い翼の生えた少年のあやかしは違った。
「あなたがあの悪凱を討った土地神のシン様ですか?助けてください!われわれの森が人間たちに襲われて一方的に殺されています!」
「ん?どう言うこと?詳しく話して。」
「1週間前のことです。特に悪いことをするあやかしのいない平和な僕たちの森が、急に祓い屋たちに襲われたのです。もちろん僕たちも抵抗はしましたが、僕たちの森には強いあやかしはおらず抵抗したものから順に殺されていきました。そんな時にあの悪凱を倒した心優しく強い土地神がいると聞きつけシン様に援軍を頼みたく、こちらに参ったのです。」
「おっ、あんたにごり酒のでる泉の森のものか?なんか見たことあるぞ。」
後ろの列に並んでいた直立した牛が着物を着ているようならあやかしの牛田が言った。ちなみに牛田は意外に強く、悪凱との戦いでは、鬼を結構な数倒していた頼もしい傘下のあやかしだ。
「何か知ってるのか?」
僕の隣で護衛をしているシロがたずねる。
「へい、祓い屋のことはしりやせんが、この森はにごり酒の湧く泉があって時々もらいに行ってたんです。ここの森のあやかしは気のいいやつばかりでとても悪さを働くようには見えませんでしたぜ?」
悪いあやかしがいないのに殺されているのか。
「これはその祓いやたちに、一回話を聞いてみたほうが良さそうだね。」
「では!来てくれるのですか?いますぐにお願いします!こうしている間にも仲間達が殺されているのです。」
「わかった。シロ、留守は紫に任せて、クロを呼んできて。あんまり数を連れて行くと警戒されちゃうから、三人で行って話を聞きに行こう。」
「御意。」
相談会はそこでお開きとなり、僕はその森へ出かける準備をして、クロとシロ、その森から来たあやかし、名前はつばさと言うらしい。を連れて、雲のあやかしに乗りにごり酒が湧く泉があるという森へ向かった。
その森はなかなか遠く、かなりのスピードで飛ばしたのだが、1時間半くらいかかった。
「この森です。」
この森に着いた。そして、つばさにこの森のあやかしたちが集まっているところに案内された。
「みんな!!シン様が来てくださったぞ!」
「シン様?」「シン様ってあの悪凱を倒した土地神か?」「助けが来たのか!?」
集まっているあやかしは皆傷つき、血と涙を流していた。矢が刺さっているものもいる。
ひどい。
「シン様お初にお目にかかる。わしは、この森ののまとめ役のようなものをしているロロというものじゃ。ご助力感謝いたす。」
ロロは大きな猿のようなあやかしだ。
「あぁ、君たちを助けに来た。まずは君たちの傷を癒そう。」
僕はそう言うと近くにいた傷ついているあやかしに手を向け、土地神の力を使い傷を癒した。
「おぉ!すごい!傷が癒えて行くぞ!!」
次々とみんなの傷を癒していった。それにしてもかなり深い傷のものいる。
傷は癒えても、失った仲間を思い泣いているあやかしがたくさんいる。
どうして人間がこんなことを…
全員の傷が癒え切った頃…
「祓い屋が来たぞー!」
向こうからそう言って走ってくるあやかしが来た。
さて話を聞こうか。