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スターセット
279
みみ
27
羽海汐遠
16,040
「……私は一体……」
11月9日
私はいつの間にか屋敷のような建物の前にいた。ここはどこなのだろうか。
私はその屋敷の中に足を踏み入れた。
屋敷の中に入ると本が各分野に仕分けられ、ズラっと並んでいた。どうやらここは図書館らしい。だが気になったことがある。ここは私の見慣れた図書館とは違う分類の仕方をしているらしく、その分野がどれも感情に関するものであった。私は悲しみと書かれたその棚から一冊抜き取り、読んでみることにした。
───その本の記憶は、大事にしていた花瓶が割れてしまったという、人から見れば些細な悲しみである記憶だった。だが次の瞬間、記憶の他にその人物の感情までが脳に直接流れ込んできた。
……なんだこれは……
その感情は深く悲しい感情で、今にも涙が出てきそうなほどの悲しみであった。
───数分後、ようやく記憶と感情の供給が止まった頃には私の目からは涙が溢れていた。
……なるほど、この本は……かなり厄介な性質を持っているようですね……メモしておきましょう
そんなことを考えていると不意に視線を感じた。そして視線を感じた方を振り返ると、そこにはメイド服を着て、名札には初心者マークを着けている女の子がいた。誰がどう見ても新人研修中なのだとわかるくらいには大きい初心者マークであった。その子は私と目が合うと逃げるように仕事に戻って行った。
……私の顔はそんなに怖いだろうか……
少し傷つきながらも探索を続けることにした
コメント
1件
おお、これは面白い導入ですね!感情そのものを記録した本を読むと記憶と感情が流れ込んでくる……という設定がもう惹かれます。主人公が「厄介な性質」と冷静にメモを取りつつ、実際には涙を流してしまうギャップもいい。新人メイドの初心者マークでちょっとホッコリした後に「顔が怖い?」と傷つくところに思わずクスッとしました。この図書館の謎、そして主人公自身の正体も気になりますね。続きが楽しみです!