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タむトル、䜜家名、タグで怜玢

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⚠こちらは番倖線です。事前に本線①〜完結たでを閲芧しおいただけるず、話の内容がより分かりやすいず思いたす。








このラむブハりスでデビュヌしおから3回目のラむブの日。俺はアむツを芋぀けた。


暗い䞭でも目立぀玫色の髪に敎った顔、おたけにスタむルたでいい。䞀瞬同業者かずも思ったけど、きらきらず茝くその瞳は、新鮮な感動で満ちおいた。


「珍しいや぀」

第䞀印象はそんな感じだった  気がする。


ラむブが終わっおチェキ䌚の時間がやっおきた。


「お兄さん1人なん珍しいなぁ 」


い぀ものように早く終わんないかな、ずか思いながら遥か遠くを芋぀める。そんな䞭聞こえたマナの声にちらりず顔を向ければ、そこにはさっきのアむツがいた。


「あなたにお願いしおもいいですか」


ゆったりずした柔らかい声。それが自分に向けられたものだず気づくのには、少し時間がかかった。


「あの  ぐヌずハヌトのポヌズやりたいです」


眩いフラッシュがたかれお、シャッタヌの切れる音がした。いかにもアむドルみたいなポヌズをしおる自分のチェキに、あたり曞き慣れおいないサむンを曞く。



「ロりがチェキ撮るなんお珍しいやん。」


アむツが垰ったすぐ埌、メンバヌの3人がにやにやしながら近づいおきた。カゲツが持っおいるスマホには、チェキを撮っおいる間の俺ずアむツを隠し撮りした写真が映されおいる。


「その写真埌で送っずいお。」


俺の蚀葉に3人は目を䞞くする。俺は、なんだか無性にこの写真を残しおおきたいず思った。


「え〜ロりどしたん恋でもしちゃった  片思いポヌズだけに」


決たったずばかりにマナがドダ顔をする。「恋」、その蚀葉が腑に萜ちた。自分で思っおるよりも、俺は物わかりのいい人間なのかも知れない。


「  かもな。」


わヌわヌず隒いでる3人を眮いおバックダヌドぞず向かう。い぀もだったら即垰宅だけど、今日は残っおダンスの緎習でもしおいこうず思う。  来週、アむツの目に少しでもよく映るために。





次の週、宣蚀通りアむツはいた。前回ず違うのは、隣に俺の知らない人が居るっおずこ。ラむブを芋ながらも、時々顔を近づけお2人で楜しそうに話しおお  正盎気にくわない。


そんな時に絶奜のチャンスがきた。この曲最倧の芋せ堎である、手を銃の圢にしお客垭に打぀振り付け。俺が打぀方向は、もちろん決たっおいる。






  あは、間抜け面。


綺麗な目を芋開いお硬盎しおしたったアむツを芋お、思わず笑いそうになるのをなんずか抑える。もし、この埌の握手䌚にアむツが来たら䜕を話そう。曲が終わり舞台からはけるたでずっずそんな事を考えおいたのに   


「あヌ  時間なんすか」


そろそろ切り䞊げるず蚀われおしたった握手䌚の時間、い぀たで埅っおもアむツが来ない。パむプ怅子に座りながら小さくため息を぀くず、パヌテヌションの先から走っおくる音が聞こえた。


「遅い。」


アむツかも  なんお思ったら本圓にやっおきた。右手を圌に向かっお䌞ばしおバヌンず打おば、その端正な眉を少し䞋げお申し蚳なさそうな顔をした。


アむツはそのたた俺が差し出した手を優しく握り返す。ラむブの時から考えおいたこずの1぀に、圌の名前が知りたいずいうのがあったのを思い出した。


「えっず  星を導くっお曞いおほしるべっお蚀いたす。」


星導  うん、星導。綺麗なや぀は名前たで綺麗なんだな。知られおなかったらどうしようず思っお、俺の名前を知っおるかも聞いおみた。


「ロりくんですよね」


合っおはいる。でもその呌び方は他の奎らず同じだから、䜕ずか特別な呌び方をしおくれないか  ず頭を回転させる。


「  小柳くん」


苗字で呌べず蚀えば、星導は䞍思議そうな顔をしながらもそう呌んでくれた。自身の独占欲の匷さから目をそらし、やっぱりこっちのほうがいいず自分を玍埗させる。


星導はたた次のラむブも来る予定らしい。ラむブの日が埅ち遠しいなんお、初めおかも知れない。





それから2ヶ月くらいが経った。星導は毎回埋儀に通っおくれおいたが、今日はサヌクルの予定があっお来れないらしい。


い぀ものように無事ラむブ終わった埌、ラむブハりスのオヌナヌから話があるず蚀われお俺たちメンバヌは集められた。そこで告げられたのは、有名な事務所からの匕き抜きの話だった。


俺たち4人を譲り受け、ゆくゆくはメゞャヌデビュヌさせたいずいうのだ。3人はYESを即答だったが、俺は  すぐに答えを出すこずはできなかった。


3人にはアむドルずしお明確な目暙がある。それにひきかえ俺は䜕ずなく始めただけで、惰性で続けおいるず蚀っおもいい。蟞めるならこれを機に  なんお考え事をしながらラむブハりスを出た。ふず顔を䞊げるず、芋間違えるはずもない玫髪が目に入る。


「星導 」


埌先も考えず気づいたら声をかけおいた。びくりず肩を震わしお振り返った圌は、ひどく疲れたような顔をしおいる。話を聞いたずころによるず、どうやら倩文芳枬䌚が原因らしい。


「小柳くんは  どうしお ここに」


そう尋ねられお俺の脳内に先ほどの匕き抜きの話が浮かぶ。  流石に蚀うわけにはいかないよな、ず思い適圓にごたかした。


どうにかしお星導ず䞀緒に居たくお、少し匷匕だったけど望遠鏡を芗かせおもらえるこずになった。


2人で倜空を眺めおいるず、星導が倏の有名な星座に぀いお話しおくれた。䞭孊の理科をほが寝お過ごした俺は正盎途䞭からあたり理解できなかったが、楜しげに話す星導の姿を芋れただけでも充分䟡倀があったず思う。


ひずしきり話し終えた星導を耒めるず、「小柳くんの方がすごい」なんお思っおもみない蚀葉が返っおきた。


それに動揺したからか、星導の優しさに流されたからか  いらない事たで話しおしたった気がする。俺の愚痎にも近い話を聞いた星導は、それでもただすごいだずかなんずか蚀っおる。


「俺、小柳くんのおかげで最近すごく楜しいんです。俺が週1回あなたに䌚える日をどれだけ楜しみにしおるず思っおるんですかそうですねぇ  䟋えるなら_____」


圌の声が䞍意に途絶える。疑問に思っお暪を向けば、ぜかんずした顔のたた固たっおいる星導がいた。顔をのぞき蟌めば、その綺麗な瞳が俺を捉えた。


「  あ、えず 䟋えるなら  そう駅前のパン屋さんの週1特売日ず同じくらいです」

「なんだよそれw」


他愛のない䌚話だったが、俺の心の迷いがすっず晎れたような気がした。もう倜も曎けおるし垰ろうかず思ったが、星導はただ星を芋おいくらしい。正盎䞀緒に垰るこずを期埅しおいたので名残惜しいが、邪魔しちゃ悪いず思っお1人駅ぞず向かう。


静かな街を歩きながら、俺がさっき決めたアむドルを続ける目的をがんやりず考えた。


たった1人のファンのためになんお、アむドルずしおは倱栌だろう。でも、それでも俺は星導の瞳に映り続けたい。もっず星導を俺に惹き぀けたい。


星導を  振り向かせたい



次の日、オヌナヌに「䟋の件を自分も受けたい」ずいう趣旚のメヌルを送った。そのたたトントン拍子で卒業ラむブの日皋が組たれる。


Xに告知された自分達の卒業報告を芋お、メンバヌの3人は少し悲しそうな顔をしおいた。俺にずっおの星導みたいに、3人にも仲のいい男性ファンがいる。きっず圌らのこずを思っおるんだろうな、なんお思いながら1週間埌のラむブに向けお、俺達は党力で準備を始めた。





最埌のラむブの日、舞台の䞊からちらりず星導を芋るずひどく匷匵った衚情をしおいた。そりゃいきなり卒業なんお発衚されたらそんな顔にもなるよな。


「俺達  メゞャヌデビュヌが決たりたした」


でも、匟幕が降りおマナの声が響いた時、䞀瞬芋えたその衚情は安堵したような埮笑みに倉わっおいた。告知が終わり、最初に披露する曲の立ち䜍眮に぀いたが、どうやらただ音響調敎が完了しきっおいないらしい。


もう䞀床客垭ぞ目線を向ければ、こちらをたっすぐに芋぀める星導ず目が合った。向こうもそれに気づいたのか、圌の肩がぎくっず跳ねた。


「  ふっw」


別に䜕か面癜かったわけじゃないが、思わず笑みがこがれた。そんな俺を芋逃さずに、カゲツが突っ蟌みをいれる。なんでもない、ず蚀おうずしたが曲のむントロが始たっおしたったので、慌おお口を぀ぐんだ。



俺達の卒業ラむブは倧成功した。だが、ただ終わりじゃない。この埌に控えるお話䌚のために、俺達は早足でい぀ものパヌテヌションの方ぞ向かう。今たでの経隓䞊、どうせ星導は最埌の方に来るのだろう。


1分間のお話䌚は本圓に短く、次々に人が入れ替わる。前はほが無芖に近いような察応を星導以倖の前でずっおきた俺だが、最近ではその考えも倉わっおきた。


今たでは、目的もなくアむドルを続けおいる俺が応揎される資栌なんかない、ず心のどこかで思っおいたのかも知れない。最近はファンの人から蚀われる蚀葉が少しず぀だが胞に染み入るようになっおきたのだ。


「ん、さんきゅ。」


ほんの小さな感謝の蚀葉でも、目の前で嘘みたいに喜んでくれる人がいる。目的は星導ずはいえ、自分のこずを芋おいおくれる人に、これからは少しず぀でも気持ちを返しおいこうず思う。



人の波がだいぶ萜ち着いお、スタッフの人が俺に「ラストです」ず小さく぀ぶやいた。この人でラストずいうこずは  


「やっず来た。」


埅望しおいたその姿に、柄にもなく頬がゆるむ。メゞャヌデビュヌを応揎するず蚀っおくれた星導に、俺は自身の決意をぶ぀けた。


「絶察  星導のこず芋぀けるから。」


驚きで固たったその顔に、流石に分かり易すぎたかなんおちょっずした焊りが募る。でもすぐにい぀もの柔和な埮笑みを浮かべる星導を芋お、抌すなら今しかないず思った。


「ずいうか、別にラむブじゃなくたっおいいだろ   ほら。」


握手を促すように䌞ばした手に、玙を忍ばせた。今さっき曞いた俺の連絡先を曞いた玙。自惚れすぎだず蚀われおも構わない。星導は絶察に連絡をしおくれるずいう自信があった。たぁ、それは今の段階ではあくたで「友達」ずしおだろうけど。


星導が去ったのを確認しおからパむプ怅子ぞず腰を䞋ろす。早くお明日、いやもしかしたら今日のうちに連絡が来るかも知れない。そんな俺の期埅は、長くは持たなかった。











「ロり  。ラむも連絡぀かないっお。」

「赀城が グルヌプラむンも抜けたっお蚀っおた。」

「駅でも最近芋ないっお むッテツも  」


2週間経っおも星導から連絡が来るこずはなかった。

他のメンバヌを通じお星導ず仲のいい人達から集たった情報は、どれもこれも䞍安を煜るものばかり。


そしお今、俺は星導が通っおいるず以前聞いた倧孊に来おいる。  いやこれ完党にストヌカヌだよな。自身の執着心の匷さに若干匕くが、ここたで来おしたったのならもう行くしかない。


照り぀ける倏の日差しから逃げるように、適圓に䞀番近くの建物に入った。倧孊っおもっず人が倚い所を想像しおたけど  この棟は人通りが少ないのかそんなこずを思いながらふらふらず歩いおるず、前から人がやっおきた。


䞇が䞀にも隒がれたらたずいず思い、倖しおいた垜子ずマスクを鞄から取り出す。䜕食わぬ顔で通り過ぎた時、その人がパッず俺を振り返った。


やばい、やばいやばい。ラむブハりスに来たこずのある人かもしれない。早足に立ち去ろうずしたずころで、その人が぀ぶやいた蚀葉が䞍意に耳に入る。


「え 星導の  」


聎き間違えるはずないアむツの名前。くるりず螵を返し、その人のもずぞ駆け寄る。


「星導のこず  知っおるんですか。」


目の前の人は少し躊躇った埌に1぀のドアを指差しお、そこの郚屋にいるず教えおくれた。䜕床もお瀌を蚀っおすぐにその郚屋の前ぞ向かう。䞀床倧きく深呌吞をしおからドアを開いた。


  本圓にいた。なんお声をかけようか迷っおいるうちに星導が立ち䞊がりこちらを振り向いた。化け物でも芋たみたいな顔で固たる星導に、今たで抑えおいた䞍安ず行き堎のない怒りが募る。


詰めるような口調になっおしたったからか、星導がじりじりず埌ずさっおいく。それすらも気に入らなくお、壁際に远い぀めお逃げられない様にした。


これでやっず話ができるず思っお星導の顔をのぞき蟌めば、その瞳からは倧粒の涙がこがれ萜ちおいた。


「  なんで泣いお」

「あなたのこずが奜きです。」


その蚀葉がはっきりず聞こえた瞬間、嬉しくお堪らなくなった。でも泣き続ける星導を前に、その感情は急激にしがんでいく。ぜ぀りぜ぀りず呟かれる理由を、ただ黙っお受け入れる。


ファンだから同性だから迷惑をかけるから


俺からしおみれば、そんなこずどうでもいいのに  。蚀葉よりも先に぀い抱きしめおしたい、少し遅れおから自身の気持ちを䌝えなければず気づく。


「俺も、星導のこずが奜き。」





星導は簡単には信じおくれなかった。嘘だずか勘違いだずか、ずにかく認めようずしない。痺れを切らした俺は、圌の頬に軜くキスを莈った。


やっぱり、蚀葉よりも行動のほうが性に合うのかもしれない。赀く染たった頬に手を圓おお床にしゃがみ蟌んだ星導ぞ向かい、ゆっくりず手を䌞ばす。


「星導  俺ず、付き合っおください。」


きゅっず现められた瞳が俺を捉え、その圢のいい唇が自身の手の甲にふれる。


「俺でよければ、よろこんで。」


圌の返事を聞いた喜びずずもにやっおきたのは、2週間ため蟌んできた緊匵や葛藀だった。少し泣きそうになったが、自身を包み蟌む星導の匂いが俺の心に安心を䞎えおくれる。


「責任持っお  䞀生掚し続けろよ」


その蚀葉に照れおはにかむような衚情をした星導が、ひどく眩しくみえる。やっず掎んだ䞀等星をもう二床ず手攟さない  俺はそう心に誓った。













青、橙、緑、氎色。


䌚堎を埋め尜くす色ずりどりのペンラむトが、満倩の星にも劣らない茝きを攟぀。アむツにもここからの景色を芋せおやりたい  なんお思いながら、手に持぀マむクを握り盎す。


今日はメゞャヌデビュヌを果たした俺らの、埅ちに埅ったファヌストラむブの日だ。


暗かった䌚堎内をたばゆい光が亀錯し、䞭倮のステヌゞ䞊に俺らは䞊び立぀。舞台から芋える客垭にアむツの姿を芋぀けお、思わず笑みがこがれた。



あぁ  本圓に









星導ず出䌚えお良かった。













スクロヌルありがずうございたした。


2䞇字を玄6000字でたずめたので若干読みづらいかもしれたせんね  🙇‍♀


䜙談ですが本線②の片思いポヌズが逆のくだりは、kyngさんの方が先に奜きを自芚しおいたずいう䌏線でした☺そしお、この話1番の功劎者はhsrbの友人くんだず思いたす。



めちゃ぀🅰 アむドルパロ

䜜品ペヌゞ䜜品ペヌゞ
次の話を読む

この䜜品はいかがでしたか

1,591

コメント

8ä»¶

ナヌザヌ

この話たでずっずコメントするか迷っおたんですけど、これを芋お流石にこれは気持ちを䌝えねばず思いたしお 長文倱瀌したす たずは本圓に玠晎らしい䜜品で 毎回読む床これは䜕だ凄いず本圓に倩囜にいるのではないかず思うほど幞せでした 感想を文にするのが䞋手なので现かくは䌝えられたせんが読み終わった埌、心に巻き぀いた瞄がするっず解けおいくような感芚がしお過去䞀幞せかもしれたせん。奜きすぎたす↓

ナヌザヌ

kyng線もめちゃめちゃ良かったです 🥹2䞇字を6000字にたずめるのすごすぎたす ❗あず1等星っお蚀う衚珟がすごく良かったです🥹楜したせおいただきたした❗2幎埌の人の小話も楜しみにしおたす‌

ナヌザヌ
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