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ヘリオトロープ⑧
※センシティブ無しにしてますが、何故かセンシティブになってます。バクです。笑
大森side
その後は気持ちを切り替え、定時すぎまで黙々と仕事をこなした。
ポンコツ係長がk3の人に付きっきりで回さなきゃいけない業務が俺に降っかかってきて目が回るくらい忙しかった。
何とか今日中にやらなきゃいけない事は終わらせ、若井に声をかける
大森「若井」
若井「は、はい」
大森「お前もう帰れるか?」
若井「はい、大丈夫です」
周りを見渡せば、残って居るのは俺と若井だけになっていた。
大森「……すまん、待たせたみたいだな」
若井「いえ、さっきまで僕も作業してましたからそんなに待ってないです」
黙々と作業をしていたから若井が本当にしていたのかは分からないが、そんなに待っていない、の言葉が嘘だとしても若井の気遣いだ
大森「そっか、じゃあいくか」
若井「はいっ」
オフィスの灯りを落とし、エレベーターへと向かう
若井「主任、どこ行きます?居酒屋?」
大森「いや、お前と居酒屋はもう勘弁、……悪いけど……俺の家……でもいいか?」
若井「主任の……家……ですか?」
大森「嫌ならいい、ただ、あまり人に聞かれたくなかったからで、個室のあるところなら」
若井「行きます!行きたいですっ!主任の家にもう1回行けるなんて……あっ!あの猫元気かな〜?」
大森「いや、やっぱり他のところに」
若井「もう取り消しはダメです……あ、エレベーター来ましたよ、ほら、早く早くっ」
若井に背中を押されつつエレベーターに乗り、『閉』のボタンを連打する若井をボタンが壊れるだろ、と注意して扉が閉まる直前
「そのエレベーター待ってぇっ」
乗りたい意思表示の声が聞こえ、咄嗟に開くのボタンを押した。
だけど、ボタンを押すんじゃなかった
乗ってきた人物が……
涼ちゃんだったから
藤澤「はぁはぁ……ふぅ……ありがとうございました……って、元貴じゃん」
大森「…………藤澤……さん」
藤澤「あ、ごめんごめん、長年の癖でまた元貴って呼んじゃった、大森くん、ね……それと後は……さっき僕に失礼な事言った若井くん」
若井「……先程は……失礼しました……」
藤澤「ちょっと聞きたいんだけどさ、元貴を名前で呼んだり昔の事を言っただけであの態度……もしかして若井くんは、今の元貴の恋人?」
大森「ちょ、藤澤さんっ」
俺の知ってる涼ちゃんはいつもニコニコと笑っていて、人の悪口や暴言なんかも滅多に言うことなんてなかった。
でも、人への洞察力なのか、ただ涼ちゃんの勘が鋭いのか、人の感情や思いを汲み取るのが物凄く冴えてる人だった。
現に今も……恋人ではないが、遠からずな若井の心情を汲み取っている。
藤澤「えぇ〜、だって気になるじゃん」
若井「……僕は…………主任の恋人じゃないです」
藤澤「ふ〜ん…………そうなんだぁ、てっきり恋人かと思った。じゃあ、若井くんの片思いかな?」
若井「っ」
大森「藤澤さん、若井に失礼な発言はやめてください」
これは
ワザとだ
涼ちゃんはワザと若井を怒らせるような事を言っている
藤澤「あはっ、元貴に怒られちゃった……若井くん、ごめんねぇ」
若井「………………いえ」
この嫌な空気と、また涼ちゃんが若井に何か言い出す前に早く1階に着いてくれと願っていたら、エレベーターが1階に到着し、扉が開いた。
さっさと涼ちゃんと離れよう
これ以上のことが起きないように
でも、その願いは
打ち砕かれた
大森「じゃあ、藤澤さん失礼します、お疲れ様でした」
藤澤「いやいや、ここでせっかく会ったんだし、元貴……久々に僕んちおいでよ」
大森「っな、は?」
藤澤「昼間に約束したでしょ?仕事が終わってからって」
大森「いや、それは勝手に」
若井「藤澤さんすみません、元貴は俺と約束してるんで」
藤澤「えー、そうなんだぁ…………てか……ふふふ」
若井「な、なんですか」
藤澤「やっぱり君は元貴が好きなんだ」
若井「………………だとしたら何が悪い」
大森「おい、若井」
藤澤「でもさぁ、ふたりは付き合ってない……それに君、ノンケでしょ?」
若井「お前……何が言いたいかハッキリ言えよ」
明らかに涼ちゃんが若井を挑発してる……
このままだと若井が涼ちゃんに何かしかねないと思い、ふたりの間に入った瞬間
涼ちゃんが俺のことを引き寄せて、耳打ちをしてきた
大森「おい、ふたりともここをどこだと……っ、ちょ、」
藤澤「((ボソッ………若井にさ、元貴の色々喋っていい?」
大森「は?い、色々って……」
藤澤「((ボソッ…例えば……どんな風にしたら元貴が喜ぶか……とかさ」
大森「んなっ」
藤澤「……ふふ、それに、若井くんと元貴が付き合ってないなら僕にだって元貴を口説く権利はあるよね?」
大森「なに、言っ」
若井「オイ、コソコソ耳打ちして、何言ったか知らねーけど、元貴を離せよ」
藤澤「君に命令される筋合いは僕にはないんだよねぇ。だって、君は元貴のなんでもないんだからさっ」
若井「さっきから調子にノリやがってっ」
若井が拳を握って、その手が震えている
だめだ、このままだと若井が涼ちゃんに手を出してしまう
大森「若井、挑発に乗るな、冷静になれ」
若井「……くっ」
大森「藤澤さん……何考えてるか分かりませんが、俺の後輩を虐めないでください、これ以上若井に……」
その時は突然やってきた
思ってもいないことが
涼ちゃんが俺にキスをしてきた
突然伸びてきた涼ちゃんの手は、俺の後頭部わや掴んですぎてなんの抵抗も出来なかった
大森「んんっ、……ガリッ」
藤澤「……つーっ、いったぁ」
大森「……こ、こんな所で何考えてんだよっ」
藤澤「だからって唇噛むことないじゃん」
大森「お前がっ!急にっ!!……おいっ、若井っ!やめろっ!!」
突然涼ちゃんにキスされた俺は、涼ちゃんの唇を噛んで離れたが、若井が涼ちゃんの胸ぐらを掴み拳を振り上げ、今にも殴ろうとしている
若井「お前……何してんだよ!!」
藤澤「……ちょっと……苦しいから手、離してくんない?」
若井「……」
大森「若井っ!やめろっ!」
若井「……ぐっ……」
大森「若井、今すぐ藤澤さんから手を離せ」
若井は俺の言葉に振り上げた手を下ろし、掴んでいた手を離した。
藤澤「……あー若井くんには胸倉掴まれて何だか首が締まったし、何より殴られちゃいそうで怖かったなぁ…………ねぇ……元貴、僕んち来て手当、してくれるよね?」
大森「っ」
若井「お前ふざけんなよっ!!」
藤澤「可愛い可愛い後輩の後始末……しないと……ね?」
そう言って涼ちゃんは俺に手を差し伸べてきた
若井「元貴っ、俺なら大丈夫っ!何言われてもどうなってもいい、だから行かなくていいって!」
藤澤「言う事だけは1丁前な、自分じゃなーんにも出来ないナイト君が言ってもねぇ」
若井「お前ほんといい加減に」
大森「涼ちゃんっ!もう、わかったから…………若井……ごめん……」
若井「も、元貴っ」
俺は
差し出された
涼ちゃんの手を取った
藤澤「ふふ……やっと僕の名前を呼んでくれたね……昔みたいで懐かしいなぁ……ねぇ、もっと呼んでよ」
大森「涼ちゃん、行こう……」
藤澤「ふふ……じゃあ、また明日ね、若井くん」
若井「元貴っ、なんで…………」
大森「…………」
俺はそのまま涼ちゃんに手を引かれ、若井に何も言わずにその場を去った
アル .
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コメント
8件

み、みみ、見るのが遅れてしまいました........( ;∀;) あらまあこれは予想外の展開........。 涼ちゃんが悪澤さんになっていますねぇ(?) 続きがどうなるのか....ドキドキではありますが、正座をして見守っていきたいと思います。 ( *´艸)
へぇ…藤澤さんったら 悪いお方(*´∀`*) 若井さんの余裕ゲージ0なのも熱くていいですね! ただ…藤澤さんにも余裕がなさそうな様子が見え隠れしてる気がしますが… 罪なオトコですねぇ…大森さんは (*´Д`)
ドキドキな展開っっ!! りょうちゃんの煽り口調が新鮮で良いし、それに乗っちゃってる若井さんも良いっ 喧嘩はしてほしくないけど、言い争って、ドキドキして、更なる展開が気になる仕組みの作り方がまさに職人技….(?) ↑深夜テンションで打ってるのでご了承を 次なる展開が本当に楽しみです!