テラーノベル
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今…脳内に…直接語りかけています…
“今日の君もやっぱり可愛いですね”
その一言、その一文、すぐ壊れそうな恋の気持ち。全て言えれば僕はどれだけ幸せだろう。
もし君と目があったりでもしたらこの言葉は決して君の耳には届くことはないだろう。
だから僕は今日も届くことないテレパシーを送る。いつか本当に届くことを願って。
「おーい、凛!次の授業の化学、一緒に行こうぜ」 「うん、行こうか」
「うわ、今日も田渡さんモテモテだな。あんなにモテてたら高校生活薔薇色だろうな」
今日も雅さんの前には群衆ができている。優しく美しい見た目をしているため男女問わず人気者。 僕なんかと話せる機会なんか全然ない。
「ああ、確かにね。」 「ま、俺らには関係ない話だけどな!そんなことより凛、~~~」
僕の親友春樹は全く興味ないと言った様子ですぐ別の話になった。
「じゃ、お前ら席につけ〜」
そんなこんなで喋っているうちにもう授業が始まる時間になったようだ。
雅さんは僕の席の右斜め前にいる。今日は最高気温が40度を超える猛暑日。流石に暑いのか絹のような白い肌にも雫が流れている。
クーラーも付いているが、それでも暑いものは暑い。僕はこの授業が終わったら春樹と一緒にアイスでも食べようかと考えていた。
「じゃあこの問題を…塩日!答えてみろ 」
「えっ」
さっきまで別のことを考えていたからもちろん答えなんてわからない。どうしようかと考えていだ時に…
「 𝑃 𝑉 = 𝑛 𝑅 𝑇 」 雅さんの方から声が聞こえてきた。
僕はとっさに 「 𝑃 𝑉 = 𝑛 𝑅 𝑇 です!」と答えた。
「正解だ。じゃあ次、佐藤!この問題の答えはなんだ?」 「はい!~~~~です!」
なんとか助かった。僕はお礼を言おうと雅さんに声をかけようと思ったら、彼女はうつ伏せになって寝息をたてていた。
まあ、僕みたいな凡人に声をかけられても迷惑だろうと思い声をはかけなかった。
そのかわり、テレパシーで、感謝を伝えることにした。
“雅さん、助けてくれてありがとう。”
その瞬間、雅さんの体が少し動いた気がしたが、多分僕の気のせいだろう。
「じゃあ、今日はここまで!次の授業はテストをするから復習を忘れないように」
授業も終わったし、春樹と帰ってアイスを食べながらゲームでもしようとあいつに近寄った。
「今日部活終わったら僕の家でゲームでもしようぜ」
「ごめん!今日は家族で飯に行く予定があってさ、できそうにないわ」
「わかった。楽しんでこいよ!」
少し残念な気持ちで春樹を見送り、部活に行くことにした。僕は雅さんと同じ美術部。
唯一と言っていいほど雅さんと話せる数少ない機会だ。美術部といっても、基本話すだけで絵や作品は作らないことが多い。
僕と雅さん以外は楽しそうに喋っている。
だから僕と雅さんの2人で話しながら作品を制作している。今日のテーマは「願い」
ぼくは地球の周りで人々が手を繋ぎ、笑っている絵を描いた。チラッと雅さんの作品を見てみると、家族3人が手を繋いで笑顔で話している絵が描かれていた。
その時はなんだろうと少し思っただけで特になんとも思わなかった。
時間になり、また明日も雅さんと一緒に作品を作れるかな。
そう思いながら春樹と一緒に家に向かった。
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