ガシッ
ふわっと何かに支えられた感覚がする。
これは…?今までなったことのない感覚。
何かに支えられた後ガタガタッっとものに少しぶつかる音がする。
何があったのかとそっと目を開けると剣持刀也が私を押し倒したような体制になっていた。
『は…。』
剣「ぁ…。」
沈黙の空間が続く
そうしていると私の方が先に正気に戻って、剣持刀也をトンっと押して立ち上がり後ろに下がる。
『えっと……。』
剣「…ほんっとうにすみません!!!!!!」
『うるさ』
剣「だって、まさか押し倒しちゃうとは思わなかったので…、」
剣「…。」
そう言葉をはっした後剣持刀也は顔を赤らめる。
『…自分で言ったのに自分で照れないでください…。』
『私は助けてもらった側なので何も言えないですし…。』
剣「はい…。」
『早く顔赤いの戻せ。』
剣「戻せと言われて戻せたらもうとっくのとうに戻っています…。」
そういいながら剣持刀也は顔を少しつねっている。
赤いのを直したいのか?と不思議な行動に困惑しながらも口を開ける。
『…私は寝ていたらいいんですよね。』
剣「はい、寝ていてください。」
今度こそベットに行き布団を少し膝にかけ座る。
『…あなたは教室に行かないんですか、もうすぐ始まりのチャイムが鳴ると思いますが。』
連れてきてもらった立ち位置だというのに少し冷たい言葉で話しかけてしまう。
悪い癖だ。
だが、剣持刀也は何も気にしていなさそうな顔で答える。変なところが一つあるとすれば顔を赤くしているだけだ。
剣「そうですね、朝比奈さんのことは先生に言っておきます。」
『わかりました、』
剣「僕はこれで。」
そういって剣持刀也は保健室のドアへ向かおうとする。
このままだとなんとなく申し訳ない。
『…あの、ありがとう、』
『…ございました、』
剣「…、いえ、では、」
『…今の時間…』
暗殺のチャンスだったのでは…?
…さっき殺ればよかった
剣「…はぁ…、」
押し倒してしまった。とても申し訳ない。
あの表情は見たことがなかったな、と反省の色が見えないようなことを考える。
少し経つと首を振ってあの記憶をなくそうとする。
体調が悪いからしらないが、とてもか…、ん”…もうこのことは考えるのをやめておこう。
なんだろう、この胸の高鳴りは、
剣「ほんと、なんなんだあの人は…」
僕は少しどきどきしながら教室に戻った。