きれいな色に包まれるこの春が僕は憎かった。
薄桃色で包まれているのに僕には灰色に見えてしまった。あまりにきれいでアノコトを忘れそうになる。この世界がある限り春はいつまでも訪れる。皆が春を祝福し鶯の声を待ち望む。僕だけがあの春に空し取り残されてしまっているようでなんだか空しくなった。いくら望んでもこの春は僕の青を返してはくれないんだ。恋をした青を光り輝く青を。きっと君もないままだけど。この世界のどこかに主人公がいるのなら。僕はモブにすらなれない。脇役すらも許されない。悪役すらもなれない。世界に許されてはいけないんだ。それが僕の罪滅ぼしだ
___青の消えた春へ
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