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ジョセフとポテトは桃次郎の部屋にやってきた。ジョセフがドアをノックすると、
中から桃次郎の声が聞こえた。
「どうぞ。」
ドアを開けると、桃次郎は山積みの書類に目を通していた。
ジョセフに気づくと、桃次郎は顔を上げて言った。
「ジョセフさん、いなくなったと聞いて心配していたんですよ。」
ジョセフは冷静に答えた。「ああ、今帰ったところだ。」
桃次郎は眉をひそめた。「いったいどこへ?」
ジョセフは一歩前に出て、決意を込めて言った。「桃次郎、悪いが明日の調印式には出ない。」
桃次郎は驚きと怒りを隠せなかった。「なんだって、いったいどういうつもりですか?」
ジョセフの目は冷たく光った。「あんたの裏の顔は知っている。この島を権力者の不正資金の温床にするつもりだろう。」
桃次郎は一瞬たじろいだが、すぐに反論した。「不正資金だと?」
ジョセフ「その点については興味がない。脅すつもりもない。
不正資金であれ、天下りであれ、オレには関係のないことだ。」
桃次郎は不審そうに尋ねた。「何が言いたい?」
ジョセフは一息ついて言った。「俺の持ってる情報と引き換えに、この島から安全に帰してもらおう。」
桃次郎は考え込んだ。「取引ということか。」
ジョセフは頷いた。「明日の調印式で、権力者の前で恥をかくのは避けたいだろう。」
桃次郎の迷いを見て、ジョセフは考えた。これでいけるはず、もう少しで彼は決心するだろうと。
ジョセフは最後の切り札を出すことにした。この島の象徴、椿だ。椿のことを言えば、
桃次郎は血相を変えてアジトに奪還しに向かうだろう。そうすれば桃次郎に信用され、ここから脱出できる!
ジョセフは冷静に言った。「オレは椿の居場所も知っている。」
桃次郎の態度が一変した。「何!?椿と会ったのか?」
ジョセフは自信たっぷりに答えた。「ああ、その居場所も教える。さあ、どうする?」
桃次郎は驚きのあまり膝から崩れ落ちた。「椿..無事だったのか..」
ジョセフは意外な反応に戸惑った。「あれ?意外な反応だな。」
桃次郎は涙を浮かべながら言った。「分かった。」
ジョセフとポテトは安心してお互いを見合わせた。しかしその瞬間、
桃次郎は引き出しから銃を取り出し、冷たく言った。
「すぐに椿のところへ案内してもらおう。」
桃次郎の心の中は嵐が起こっていた。椿の居場所を把握するために、
急いで確認したいという焦燥感が彼の胸を支配していたのだ
取引をする余裕など微塵もなかった
ジョセフは驚愕し、声を上げた。「お、おい話が違うだろう!」
桃次郎は冷静に答えた。「探していたんだ、ずっと..だから今すぐ案内してくれ。
無事が確認できたら、あなた達をすぐにヘリで帰そう。」
ジョセフは仕方なく了承した。真夜中、桃次郎とその部下、ジョセフとポテトは椿のいるアジトへ向かった。
道中、ジョセフは疑念を抱き尋ねた。「秘書はどうした?」
桃次郎は眉をひそめた。「さあ、どこにもいないんだ。」
アジトに到着した一行は、目の前の光景に驚愕した。そこには、
傭兵たちや鬼たちが既に制圧され、血を流して倒れていた。
桃次郎は呆然とつぶやいた。「これはいったい?」
その傷ついた傭兵たちの間を縫うように歩いてきたのは、秘書だった。
秘書の背後には、整然と並んだ兵士たちが控えていた。
「桃次郎さま、今ご到着ですか。」秘書は冷ややかに言いながら、
倒れているパルの頭を無情に踏みつけ、パルは苦痛に呻いた。「うぅ...」
ジョセフは怒りと混乱の中で叫んだ。「どうしてこの場所がわかった?」
秘書は冷笑を浮かべて答えた。「鬼を管理してると言ったでしょう、GPSぐらい付けますよ。」
桃次郎は怒りを抑えきれずに問いただした。「知っていて今まで黙っていたのか?」
「この傭兵たちが椿様をかくまってくれたおかげで、あなたから引き離すことができました。
私の計画通り、鬼を奴隷化することができましたから。」
「なんだと?!」
秘書はにやりと笑い、部下に合図を送った。すると、暗闇から出てきたのは首輪をつけられた椿だった。
桃次郎は椿を見て叫んだ。「椿!!」
椿は首輪についている電流をかけられた後で、意識がほとんどない様子だった。
しかし、桃次郎の声を聞いてかすかに反応し、「桃次郎さま..」とつぶやいた。
その声を聞いた瞬間、桃次郎の怒りは頂点に達した。「貴様!!」と叫び、銃を秘書に向けた。
その動きに応じて、背後に控えていた兵士たちが一斉に桃次郎に銃を向けた。
緊張が走る中、桃次郎は激しく問いただした。「なぜ私を裏切った、マサ彦!」
村上は冷笑を浮かべ、挑発的に答えた。「まだわからないのか?」
そう言うと、マサ彦は顔につけていたマスクをべりべりと外した。
その下から現れたのは、驚くべきことに猿の顔だった。桃次郎は驚愕して声を失った。
さらに、背後の兵士たちも帽子をグイッと上げた。桃次郎の目の前には、全員が猿であることが明らかになった。
「猿族!?」桃次郎は信じられない様子でつぶやいた。
猿のマサ彦は冷ややかに笑った。「かつてこの島を統治したのは桃猫太郎一匹ではない。
我々一族の活躍があってこそ成功した。それを無視し、自らが唯一の支配者になろうなど、
冗談にも程がある!私にも十分権利があるはずだ」
桃次郎は驚きと混乱の中で立ち尽くした。