「え?本当にここなんですか?」
でっかいマンションを目の前にして僕は立ち止まる
そんな僕をおいてどんどん先に進んでいくぺいんとさん
「そうだよ?ほらしにがみ早く」
淡々とそう言うぺいんとさんの後をオドオドしながらついて行った
「え、ほんとにほんとにこんな大きい部屋で暮らすんですか!?」
部屋に着き、玄関を開け、中に入り僕はまた同じことをぺいんとさんに聞いた
「だからそうだって!今日からここで暮らすんだよ?」
そう、僕たちはこの大きな大きなマンションに2人で同居することになった
なぜこんなことになったのかと言うと……
遡ること1か月前
配信、日常組の動画撮影、個人チャンネルの撮影、編集、ラジオ、、、
最近いつもよりも目まぐるしい日々を送っている気がする
そんな忙しい生活をしていたせいで僕はまともに寝れていなくて寝不足だし、食事もあまりしていなかった
それが良くなかったんだと思う
その日は確か久しぶりに皆で直接会っての会議だった気がする
その日は前日も全く寝れずいつも以上に食欲がなくて何も食べずに出発したんだっけ
「おはようございまーす」
「おはよー!」
「しにがみくんおはよう」
「しにがみさんおはようございます!」
みんなはすでに集まっていて僕は1番最後だった
「じゃあ始めますかっ!」
「「はーい」」
「ー!〜〜〜!!」
「ー??〜〜!!ーーー??」
「ー!?」
話している声は聞こえているのに何を話しているかは全く聞き取れなかった
「し……が……」
「……がみ」
「しにがみ!!」
「はっ、ぺいんとさん?どうしました?」
「さっきから呼んでるのに気づかないから、」
「それより大丈夫??」
「大丈夫です!ごめんなさい」
呼ばれていたのに気づかないだなんて……会議中なのだから集中しないと
「ほんとに??」
「ほんとですって!もうぺいんとさんは大袈裟だ、」
そう言って立ち上がろうとした
その瞬間酷い目眩がして目の前が真っ白になった
「しにがみ!!」
「しにがみくん!?」
「しにがみさん!!」
みんなが呼んでくれてるけど返事が出来なかった
耳鳴りもしてきて何も聞こえなくなる
最後に見えたのは苦しそうに顔をしかめるぺいんとさんの顔だった
「ん……あれ、ここは……?」
目が覚めると真っ白な見覚えのない天井が見えた
「僕、確か倒れてそれで……」
なんか右腕が異様に重い気が……?
「ぺいんと……さん?」
右腕を見てみると僕の手を握って眠っているぺいんとさんが居た
寝ているぺいんとさんの目元は少し泣いた跡があった
「ん……」
状況を整理している時、ぺいんとさんが目を覚ました
「しにがみ、?」
パチッと目が合った瞬間
「うぇ……ぺいんとさん??」
ぎゅっとぺいんとさんに抱きしめられた
名前を呼んだけど何も言わないぺいんとさん
しばらく抱きしめられてるとガラガラと扉の方から音がした
「あれ、しにがみくん目覚めましたの?」
扉を開けて入ってきたのはクロノアさんだった
「あ……えーとはい」
抱きしめられているのでクロノアさんの姿が見えない
「ぺいんとさん一旦離れてもらってもいいですか……??」
そう言うとぺいんとさんは首を横に振った
「まぁまぁぺいんとほんとに心配しててずっとしにがみくんの横に居たんだからさ」
それを聞いて僕は驚いた
「そうなんですか?ぺいんとさん?」
僕がそう聞くとやっと僕から離れて口を開けた
「ほんとに心配したんだからな……」
ぺいんとさんは視線を下にして少し泣きそうになっている
「心配かけてほんとにごめんなさい」
「しにがみはもっと自分を大事にして?」
「はい……」
「忙しいのは分かるけどせめてご飯食べるとかそういうのちゃんとしないとだめ」
「はい……わかりました……」
「それと、今回のことがあって心配だから俺と一緒に住もう」
「はい……ってえ、??」
「い、今なんて言いました……?」
なんて言ったのかよく理解できなかったのでもう一度聞き直す
「だーかーら!俺と一緒に住もうって!」
「え、え、ええええ!??」
コメント
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初めての作品でこれって凄すぎます!続き楽しみに待ってます!