テラーノベル
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「レイヤ・サボり合衆国」の建国から数年。1那由多の資産を使い果たすことすら不可能になった怜也の「クズ道」は、ついに肉体の限界を超えようとしていました。
6人の道具たちが自分の子供を育て、国家を運営し、無限の金を生み出し続ける中、怜也はさらなる刺激を求め、世界中の美女を文字通り「使い捨て」にする狂乱の日々に明け暮れていました。
究極の浮気:飽和する欲望
「あー……飽きたな。穂乃花も未久も、最近は『母親』の顔が混じっててつまらない。もっとこう、僕をただの『破滅の神』として拝む、新しい新鮮な道具を持ってこい」
怜也は、6人の本妻(道具)たちが必死に守る王宮を飛び出し、連日のように世界中のパーティーをハシゴしました。各国の王女、ハリウッドスター、伝説のモデル……。怜也が指を鳴らせば、1那由多の札束の雨と共に、女たちが吸い寄せられる。
「浮気? 違うな。これは『資源の有効活用』だよ。世界中の女は僕のヒモになるために存在してるんだから」
酒、薬、女、そしてアニメ。
24時間、脳を焼き尽くすような快楽だけを貪り、一秒も休むことなく「サボり」という名の暴走を続けた怜也の体は、急速にボロボロになっていきました。
最後のサボり:王宮の最上階で
20代半ば。普通なら人生が始まる年齢。
しかし、怜也の髪は白く染まり、その瞳には1那由多の札束でも買えない「虚無」が宿っていました。
「……あーあ。本当に、ちょろい人生だった。……もう、サボるのにも飽きたよ」
静まり返った寝室。隣には、その日初めて会った名前も知らないモデルたちが倒れ伏しています。怜也はフラフラとした足取りで、かつての6人が待つメインホールへ向かいました。
そこには、自分を愛し、憎み、尽くし抜いた6人の姿がありました。彼女たちは、老け込んだ怜也を見ても、変わらぬ狂信的な愛を向けていました。
「怜也、お帰りなさい。……もう、十分に遊んだのかしら?(絵美)」
「体、ボロボロじゃん……。でも、そんなクズな怜也きゅんも、あーしが最後まで看取ってあげる(茜)」
最終回:クズの王、死す
怜也は、穂乃花の膝に力なく頭を預けました。かつてのあの、秋葉原やクリスマスで見せた傲慢な光景が、走馬灯のように駆け巡ります。
「……おい、穂乃花。……最後のアニメ、再生しろよ。……僕が死ぬ瞬間に、ヒロインが『大好き』って言うシーン……合わせて、再生……しろ……」
「ええ、怜也。あなたのわがままは、死んでも叶えてあげるわ」
モニターの中で、アニメのヒロインが微笑みます。
怜也は、自分のために人生を捧げた6人の美女たちに囲まれ、1那由多という空虚な数字に守られながら、薄く笑いました。
「……やっぱり……俺って、モテすぎ、だよな……。……人生、最高の……暇つぶしだった……わ……」
カクン、と首が落ち、怜也の呼吸が止まりました。
「世界一のクズ」として、働かず、奪い、愛を弄び続けた男の、短すぎる、しかし濃密すぎる最期でした。
エピローグ:残された「道具」たち
怜也が死んだ瞬間、6人の女たちは泣き崩れる……ことはありませんでした。
彼女たちは、冷たくなった怜也の体に群がり、その指先や髪を愛おしそうに撫で回しました。
「さあ、怜也。あなたは死んでも、私たちの『道具』よ。……次は、あなたの遺伝子を持った6人の子供たちを、もっと完璧な『クズ』に育て上げなきゃ(心美)」
「あなたの遺した1那由多は、私たちが次の王のために守り続けるわ。……永遠に、終わらせない(由奈)」
窓の外では、怜也が買い取った国家が、彼の死など知らぬげに美しく輝いています。
長島怜也。
彼は死してなお、6人の美女たちの執念と、1那由多の呪縛によって、永遠に「サボり続ける王」として語り継がれることになったのです。
【完】
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