テラーノベル
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仕事終わりの酒は美味い。
これは誰でもそう思うだろう。
俺の場合は、長期に渡り探し続けていた攘夷浪士を捕まえ、総悟のバズーカからも逃げる日は本当に疲れる。
そんな日はいつもあそこへ行く。
万事屋とよく会う酒屋へ…
「おばちゃん、土方スペシャル」
俺が注文すると、おばちゃんはいつものように「はいよ」と、慣れた手つきでマヨネーズを取り出した。
「おばちゃん、宇治銀時丼」
その注文を聞いたおばあちゃんは、先程のように「はいよ」と言い、もう一つ丼を取り出した。
「よぉ、土方君。お勤めご苦労さん。」
万事屋は俺の隣の席に座った。
恋心を自覚してから、コイツが隣の席に座るだけで、距離を取ろうとしてしまう。
決めたから、これ以上誰かの幸せを奪わないと。
「今日はどんなことがあったの?」
万事屋が頼んだ酒を片手に俺に質問してきた。
「まぁ、今日は総悟が大活躍だったな。麻薬の密輸してる奴をひっ捕えた。そっちはどうなんだ?」
「うーん…特にないかなぁ。いつも通り神楽がうるさくて…あっ!そうそう。新八のメガネを神楽がぶっ壊してな?神楽顔真っ青にして謝ってたわw。」
いつもこんなようなどうでもいい話をお互い話す。
でも今日は違った。
「今日吉原行ったんだけど、月詠が酒昼から飲んでやがってさ〜。まぁ、ウィスキーボンボン食っただけなんだけどよ。顔真っ赤にして抱きついてきたと思ったら、ぶん投げられたの。そのせいで頭痛いんだよね〜。」
…抱きつかれたのか。
酒の勢いで、月詠も万事屋に甘えてしまったのだろう。
月詠も恋心を隠しているのか、自覚がないのかはわからないが、周りからはバレバレだ。
…羨ましい。
俺も万事屋に抱きつきたい。
酔っているからか、そんなことを思ってしまった。
「…土方君。顔色悪いよ?今日はもうやめとけ。」
万事屋が俺の顔を覗き込んできた。
そして俺の手から酒を離した。
「ゔ〜〜!」
月詠に抱きつかれたこと。
もう万事屋と別れなければいけないこと。
俺の顔を覗き込んできたときの顔がかっこよかったこと。
色々なことが頭の中でグチャグチャしてしまった。
「⁇どうしたの今日。そんなに仕事大変だったの?」
ビクッ
万事屋がそう問いかけながら俺の肩に手を置いてきたので、びっくりした。
「⁇土方君⁇」
「…お前がぁ〜…お前のせいで…」
「…俺?」
俺は力尽きてそこで意識がなくなった。
次に目を開けると、見知らぬ天井を見ていた。
「…?どこだここ。」
「おはよう土方君。」
隣から声がしたと思ったら、それは万事屋だった。
コメント
1件
ああ、もう……土方さんの不器用な恋心が胸に刺さります……🥀 「お前のせいで」って言いかけて力尽きちゃうところ、切なすぎる。月詠に抱きつかれた話を聞いて、羨ましくなっちゃったんだろうなって思うと……俺も万事屋に抱きつきたいって思う本音、ちゃんと出てたよね。隣で目覚めたときの万事屋の「おはよう」が、どう響くのか気になる……続き、読みたいです。