隼(はやと)の視線の先。
昇降口の奥にいたのは、 榎本(えのもと)さんだった。
偶然ではなく、待っていましたと言わんばかりに、隼を見て目を輝かせている。
一直線に、榎本さんはこちらへ駆けてくる。
何度も廊下ですれ違ってはいるのだが、空太から見ても可愛いと思うし、人気が出るのも納得ができると改めて思った。
「私、一晩経って気がついたの。やっぱり渡(わたり)くんのことが好きだって」
開口一番、榎本さんは隼への気持ちを告げた。
空太(くうた)は、心の中でひっそりと、すごい人だと感心してしまった。
「んなもん、知らねぇよ。俺はお前に興味はない」
あっさりと答えながら、隼は自分の下駄箱に向かっていく。
「知ってる。男の子が好きなんだもんね。だから、今日は改めて好きですって伝えたかっただけ! 今日も勉強頑張ってね!」
榎本さんは顔を真っ赤にして、逃げるように去っていった。
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