竜胆side
暑い夏の日
耳に響く蝉の声
照り散らかす太陽の光
じわじわと流れる汗
湿る身体、服
白い入道雲
青い、そら
わずかな機械音
じー、じー、じー、
耳の、裏、?
かすかな違和感、異物感
でも何かは分からない
なにも、分からない
そうだ、春千夜のところに行かなくては
でないとまた
1人になってしまう
ひとりは、いやだ
もう、二度と
あんな思いしたくない
これでいい、春千夜が居てくれるなら
これでいいんだ
竜「…暑い」
(竜「…暑い」) (盗聴器の音声
蘭「ん、ふふ♡」
蘭「竜胆、竜胆、竜胆……♡」
蘭「おれの、俺だけの竜胆」
蘭「あんなやつに渡さない」
蘭「俺たち、生まれた時からずぅっと一緒にいただろ?」
蘭「これまでもこれからも、」
蘭「竜胆は俺のもの♡」
蘭「可哀想な竜胆」
蘭「あんなやつに気に入られて、壊されて」
蘭「すぐに兄ちゃんが治してやるからな♡」
蘭「それまでまってて、すぐだから」
蘭「楽しみだね、竜胆♡」
蘭「なぁ竜胆?」
竜「なに、兄ちゃん?」
蘭「お前さ、最近なんか違和感感じることある?」
竜「…いや、特には」
蘭「ふーん、そう」
竜「なんで?」
蘭「いやー実は言うとさ」
蘭「俺、見ちゃったんだよね」
蘭「春千夜が竜胆の耳の裏に盗聴器仕掛けてるところ」
竜胆「…え、?」
竜胆「…盗聴器……?」
蘭「うん」
竜「な、なんで、?」
竜「いや、でも、っ春千夜がそんなことするわけ、ないよ……っ」
蘭「ほんとにそう思うの?」
蘭「お前はあいつに何をされた?」
蘭「薬使われたーとか、酷いことをされたーとか」
蘭「思い当たること、あるだろ、あるよな?」
竜「え、ぁ…っわ、わかん、ない」
竜「…おれ、分からない」
蘭「……」
蘭「ま、無理に思い出さなくてもいっか」
蘭「でも一つだけ忠告」
蘭「春千夜は危ない」
蘭「盗聴器は本当のこと」
蘭「それでもあいつのこと信じられる?」
竜「そ、れは」
蘭「あぁ、まって、怖がらせたいんじゃないの」
蘭「俺は、竜胆の事が心配なの」
竜「しんぱい、?」
蘭「そう、だって、俺たち兄弟だろ?」
蘭「俺は今までもこれからも俺のもの」
蘭「な?そうだよな?」
竜「……」
蘭「返事」
竜「う、うん」
蘭「あは、そうだよね」
蘭「竜胆はいい子」
竜「いいこ…」
ぎゅっ
竜「……!」
蘭「ね、ずっと一緒にいようね」
竜「兄ちゃん」
蘭「なぁに?」
竜「おれ、兄ちゃんのこと…っ」
蘭「ん?」
好き
と、言ってしまっていいのだろうか
春千夜は?
春千夜のことは好きではない?
分からないよ、分からないけど
今は、今だけは
兄ちゃんといさせて
竜「兄ちゃんが、す 春「りんどーう」
竜「…?!」
竜「はる、ちよ」
春「大好きな兄ちゃんと抱きあえて嬉しいかぁ?」
春「なぁ、おい?」
竜「は、はるちよ、っこれは、ちがくて…っ」
春「なぁにが違うんだァ?」
春「なぁ」
春「おまえ、言ったよな」
春「春千代と一緒にいるって」
春「いってたよなぁ?!」
春「裏切るのかぁ?」
竜「そ、そんなつもりじゃ」
蘭「竜胆」
蘭「俺のところにおいで?」
蘭「あんなやつとは一緒に居ないで」
蘭「ね、?」
竜「あ、にい、ちゃん」
春「りんどぉー?」
春「だれがお前を助けてやった?」
竜「…っ」
春「俺だよなぁ?」
春「今お前の隣にいる男は、お前の心を傷つけたやつだろ」
春「前も言っただろ」
春「お前は俺にしか愛せないって」
春「だから、俺のところに来いよ」
春「な、?」
竜「はる、ちよ」
蘭「竜胆」
竜「にい、ちゃん」
竜「おれ、わかんない」
竜「わかんないよ…っ」
竜「2人とも、好きだから」
竜「でも、それと同じくらい」
竜「2人が、怖いの」
竜「も、やめて」
竜「1人にして」
竜「お願い、」
蘭&春「1人にするわけないだろぉ?」
竜「…え、?」
蘭「んーそっかそっかぁ♡」
蘭「竜胆は俺たちふたりのことが好きなんだね」
蘭「なら、ねぇ?春千夜」
春「あぁ、そうだな♡」
竜「ふたり、とも?」
竜「な、何考えて…っ」
蘭「竜胆、帰ろっか」
竜「事務所に?」
春「ちげぇよ♡」
春「俺たちの家」
竜「おれ、たち」
蘭「俺と春千夜と竜胆の3人で暮らそう♡」
蘭「それなら寂しくないでしょ?」
春「はは♡やっと俺のものにできる」
蘭「俺のものでもあるからな」
春「分かってるって」
竜「あ…や、やだ、っ」
竜「やだ…」
蘭「なんで?」
蘭「なんでやなの?」
竜「…わかんない、けど」
春「分かんないならいいだろぉ?」
春「いいから従え」
春「分かったな?」
竜「……やだ、」
春「…ちっ仕方ねぇな」
ドスッ
竜「…あ゙っ?!ひ、ぐ…っ?」
竜「はる、ちよ゙っ」
春「動くなよ、危ないから」
蘭「薬使うとか、性格わるー♡」
春「お前も大概だろ」
春「盗聴器しかけたのはお前のくせに」
蘭「お前にも聞かせてやってたんだからいいじゃーん」
竜「にい、ちゃ…、?」
竜「…あ」コテン
春「寝たな」
春「起きるまでに連れてって、手錠かけて首輪して足枷しとけば逃げないだろ」
蘭「そうだね」
蘭&春「楽しみだなぁ、竜胆?」
しゅーりょーです
投稿遅くなってすみません
続きは伸びたら
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