TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

 ソファーで右手に漫画、左手にスマホを持ちうたた寝をしてしまっていた時にピロンッとスマホから音が鳴り飛び起きた。
 隆ちゃんからやっと返信が来たのは午前0時を回ってからだった。


“ごめん! 今メッセージに気づいた。もう寝てるよな? 今帰ってるよ。遅くなってごめんな”


 朝早くからこんな時間まで、何をしていたんだろう。昨日は出かけると言われても何にも思わなかったのに、何故か今は少しだけ不安が生まれた。


“お疲れ様。気をつけて帰ってきてね。先に寝てます”


 読む為に持ってきた漫画は殆ど読めなかった。両手で抱えて部屋に戻す。漫画に集中出来なかったなんて初めてで、それ程に私は隆ちゃんのことが気になって、好きなんだ……と改めて思わされた。


(恋愛って、人を好きになるって……お、おそろしい……こんなに漫画が読めなくなるなんて)


 一人の夜のリビングは静かすぎて自分の呼吸音しか聞こえない。まだか、まだかと好きな人を待ちわびる時間はやっぱり長く感じてしまう。今日は何度スマホを確認したか分からないくらいだ。何だか能天気に二次元の事しか考えてなかった自分が少しずつ変わっているような気がして、少し怖くなった。


 ガチャリと鍵の開く音が玄関の方から聞こえた。帰ってきた! と喜びのあまり小走りで隆ちゃんの元へ向かう。


「お帰りなさいっ」


「美桜、起きてたんだ。遅くなってごめんな」


 かなり疲れているのか表情は暗く、声もなんだか元気がない。靴を脱ぎ顎を私の肩に乗せ「はぁ〜」と深く溜息をついた。


「あ〜、癒し。美桜の匂い好き」


 ぎゅう腰に腕を回し、スンスンと私の首筋の匂いを嗅ぐ。息が当たってくすぐったい。私も負けじと隆ちゃんの背中に腕を回し彼の匂いを吸う。


(……煙草の匂い?)


 普段煙草を吸わない隆ちゃんから煙っぽい匂いが服から匂った。なんで? どこに行ってたの? 一つの小さな疑問からどんどん枝分かれして疑問が増えていく。


「隆ちゃん煙草の匂いする……どこ行ってたの?」


 少し身体を離して隆ちゃんの目をジッと見つめる。


「煙草臭いか……今日は実家に呼び出されてこき使われてたんだよ。シャワー浴びてくるから先に寝てて」


「そっか、お義父さんの所に行ってたんだ! なら言ってくれればいいのに〜、私は漫画読んであっという間に時間経っちゃってたから大丈夫だよ! じゃあ先にベッドに行ってるね」


(なーんだ! 実家に呼び出されてたのか! 確かにお義父さん一人じゃ色々大変なのかもしれないもんね)


 何で不安に思ったりなんかしたんだろう。モヤモヤとした気分はスッと晴れ、軽い足取りでベットに潜り込んだ。安心したのか急に睡魔が私を襲う。うつらうつら目を開けては閉じるを繰り返した。

loading

この作品はいかがでしたか?

0

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚