朝練がひと段落し、部員たちが片づけを始める頃。
こさめがボールを片づけていると、体育館のドアが静かに開いた。
🌸「こさめ、いる?」
涼やかな声が響き、全員の動きが一瞬止まる。
そこに立っていたのは__
生徒会長、らん。
薄い書類ファイルを抱え、整った髪を軽く耳にかけた姿は、朝の光を受けて一層まぶしく見えた。
☔️「らんちゃん!おはよ ~ っ!」
こさめは駆け寄って笑顔を向ける。
☔️「どうしたの?朝から」
🌸「ちょっと確認してほしい資料があって、、本当は後でにしようかと思ったんだけど朝のうちに片付けておきたくて … ごめんね、」
差し出された書類を受け取りながら、こさめは首を振る。
☔️「んーん!大丈夫!すぐ確認するね ~ 」
🌸「ありがと ~ 、こさめ … !」
そんなやりとりをしている2人を、少し離れた場所から いるま は見つめていた。
__会長は誰にでも優しい。
そうわかっていても、胸が高鳴るのを抑えられない。
らんがふと、こちらに視線を向けた。
🌸「ぁ、お疲れ様。朝から頑張ってるね、ニコッ」
📢「っ … 、!⸝⸝」
不意打ちのような一言に、いるまの心臓が跳ねた。
いつも通りのことをしていただけなのに、まさか褒められるとは思っても見なかった。
📢「 … ざっす、、ッ … ⸝⸝」
ようやく絞り出せたのは、その一言だけ。
それでも耳の先が赤くなるのを、隠すことはできなかった。
🌸「じゃあ、こさめ、後で生徒会室寄ってくれる?」
☔️「はぁい!」
🌸「ふふっ、じゃあよろしくニコッ」
柔らかな笑顔を残し、らんは踵を返す。
揺れる髪が朝日に透け、背中が廊下へと消えていった。
__完璧すぎる。
いるまは胸の奥で、誰にも届かない呟きを漏らす。
横で見ていたこさめは、苦笑しながら小さく口笛を吹いた。
☔️「 … ほらね?らんちゃんって、やっぱりすごいでしょ … 笑」
けれど、そんなふうに言いながら。
自分の胸の奥にも、別の名前で疼く痛みがあることを__
こさめ自身だけが知っていた。
next__♡300
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