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いれいすパロ
最近、リスカが、やめられない。
どれだけ努力したって、体が気づいたら、カッターに手が伸びている。
自分でも、誰なことはわかってる。
でも、だめだ。
少し、自分が怖い。これが属にいう、依存症。というものなのか?
今日もいつものようにカッターに手が伸びる。キラキラ光る刃を出して、手首に巻いてある包帯を剥がして…
カッターを手首に当てる。これはもう慣れた作業と言っても過言ではないだろう。
やりすぎて、痛みも感じない。
いつものように、包帯を巻いて、長袖で傷口を隠す。
ピコンとスマホがなった。
いれいすのグループラインからだ。
桃「今日かいぎあるから!遅刻すんなよ!」
桃ちゃんから、メッセージが来ていた。
最近は、みんなにあってすらいない。風とか、頭痛とか適当な言い訳をして、休んでいる。
今は、メンバーに会いたくない。直感的にそう思っている。
今の僕は、最悪な状態だと、自分でもわかる。
机の上には、血のついたカッター、大量のエナジードリンクの空き缶。薄暗く、カーテンの閉め切った部屋。今、メンバーにこれを見られたら…
なんて、想像もしたくない。
ピーポーン
フラグ回収をするように、時計の秒針を掻き消すようなチャイムが響いた。
赤「白ちゃーん!いる?」
赤だ。
がちゃ
玄関のドアを開ける音がした。
鍵を締めてなかった。
だんだん足音が近づいて来て、おそらく、ドアの向こう側に赤がいるのだろう。
この数秒間で何ができるわけでもなく、ドアが空いた。
「白ちゃん?電気、つけるよ?」
あ、うん。
と、素っ気ない返事をしたあと、
ピカッ
っと眩しい光が僕の目を差した。
お互い気まずい時間が流れた。
状況を察したのか、赤が口を開いた。
「最近は、あってなかったけど… 」
きっと、失望されただろう。俺は、覚悟を決めた。
「大丈夫だった?」
え?
予想外な、優しい言葉が、僕の心に降り注いだ。
あ、うん。
心配ありがとう。
「ねぇ、白ちゃん。なんで泣いてるの?」
へ?
頬を触ってみたが、本当に泣いていた。
なんでかは、自分でもわからない。でも、安心したのか、今までの、恐怖や怯えていたことが吹っ切れたのだろう。
そして、赤の温かい優しい腕が僕を包み込んだ。最近の中で、一番暖かく、温もりを感じた。
「今日、会議行けそう?」
いや…
「無理そう?」
うん
「じゃあ、赤も休むから、一緒に部屋の片付けとか、しよ?」
いいの?本当に?
「もちろん!」
ごめんね。
「ありがとうがいいな!」
あ、うん。
ありがとう
赤にリスカのことなど、色々話した。
「よく頑張った。」
褒めてくれた。慰めてくれた。
その日から、赤に手伝ってもらいながら、リスカをやめ、外出を増やし、普通の人と同じ生活ができるようになった。
今となっては、メンバーにすべてを話し、理解をしてもらうことができた。
あのとき、赤に打ち明けて良かったと思う。
あのとき、メンバーに助けてもらった分、僕が、みんなを助ける番だ!
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