コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「私能力二つあるんだよ最強だから。これ一般常識な」
「能力二つあるんだとよ」
「え、二つっすか。それ英単語名前の人たちはみんなそうなんすか?」
「ネームドはみんなそうだ」
「ネームドって言うのは英単語?」
「そうだ、お前らそんなことも知らないのか。初心者帯はさすがだな」
「英単語名前はネームドっていう名前がついてるらしいんだけど、ネームドはみんな能力二つあるらしいな」
「厄介っすね」
「その能力、二つとも教えて下さる?」
「一個目は”その気にさせる能力”だからー…指揮の能力がちょっと弱くなった版だな。どっちかというと二個目のが強い」
「その気にさせるってどの程度だよ」
「行動乗っ取れるみたいな。IQ低いやつほど乗っ取りやすいけど、ウインドーレベルで賢いとほぼ成功しないゴミ能力だ」
「人間相手なら?」
「体感4割くらい成功」
「指揮は100パーセント成功してたし劣化版っていう認識でいいのかな」
「二つ目も話してくださるかしら」
「えーやだ」
「嫌だって」
「ここまで教えてくれたんだし教えてくださいよ」
「いやあの本当に結構マジで二つ目の話したら殺されるんだよ上に」
「上…?に殺されるらしい」
「上って何?」
「上っていったら上だよ…!もうそれ以上は」
「上についても話してくんないな」
「じゃあ話題を変えますか、変に刺激してもいいことないですし。ネームドは全員で何人いるんですか?」
「7」
「7人だって」
「ネームドは全員人外っすか?それとも人間もいるんすか?」
「5人間2人外」
「5人人間で2人人外らしい」
「なんていう人外?」
「教えられない」
「無理だってさ」
「7人ですか…それに人外が能力を二つ持ってるとなると中々強敵ですわね」
「今俺達が7人。猫手は依然行方不明っていうのも含めると6人とみてもよさそうだが」
「人数不利だな。まあ一人木更津に入ってるやついるし」
「だとしても一対一じゃ負けちゃいます」
「今俺達があったことあるネームドって何人いる?」
「happybloodに今いるmessiah。あとは」
「俺が一瞬会ったblossomっていうやつ」
「だとするとあと3人も知らないやついる」
「会っても実力が分かってるのmessiahしかいないし…不利なのは変わんないな」
その時だった。
背後にある図書館の壁が突如破壊され、そこから一人の少女が出てきた。
頭に付けたティアラが妖しく光り、何を考えているか分からない表情で俺達を見つめる。
「tearと申します。ご命令を受け、あなた方、並びに」
すると少女は後ろ手に隠し持ったフルーツナイフを向ける。
矛先は俺の方を向いている。
「とりわけ木更津を殺しに来ました。以後、お見知りおきを」
tearと名乗る少女は右手を胸に当て上半身を下げた。
「…!お、俺を?」
「tear!最強プレイヤーをこのみみっちい器から解放してくれるというのか!流石私の部下なだけあr」
「messiah。あなたごと貫けと、blossom様から命令を受けまして」
「え…なんで…」
「産業廃棄物が復活したところで産業廃棄物なのでは。”最初に来た時”bloodさんがおっしゃっていましたよ」
「…」
「貴方にたとえ抗う意志がなくとも、ご命令はいつだって真実ですので。異端は潰さねばなりません」
「…くそが」
「messiah…?今、何が起きて」
「目の前にいるやつを殺せばいい。”お前は”、な」
「また戦うのか。というか、俺またやられちゃう気がするからお前に憑りついてほしいんだけどだめか?」
「出来なそうだな。私もよくわからないが」
「そっか。って、あ」
するとtearの剣先が俺に近づいた。
俺はギリギリで右に避ける。
「あっぶね」
「やろっか?」
「頼む、俺一人じゃ負けるから」
「ん」
天神は胸に手を当てて兎形態に変身した。
「マジで頼もしいな」
「どーも。でも前みたいにはいかないよ」
「え、あいつがmessiahより強いから?」
「そういうわけじゃないけど。どう考えてもあの子早いじゃん」
「まあスピードはありそうっすけど」
「僕を上回ってたらだるい、あと攻撃当てづらい」
「あー…でもお前ならいけるんじゃ」
「戦いづらくなってるからみんなに頑張ってほしいの」
「何すれば?」
「基本的に動きを止めてほしい。あと木更津はどう考えても狙われてるから前線に来なくていい。君の代償かかったらだるい」
「そっか、俺が能力使っても代償が…」
「てなわけでよろ」
そういうと天神は腰から2本のナイフを取り出す。
どうやら二刀流のが使いやすいらしい。
俺はとりあえずみんなよりちょい後ろくらいに下がった。
しかしtearはそんな俺を狙い最前線から離れていく。
落ち着け落ち着け。
大丈夫だ。
こっちのが人数では勝ってるし天神もいるし。
tearと目が合う。
「討伐対象を確認。これより殲滅モードに移行します」
「殲滅…?」
するとtearは背中から大量にナイフを出した。
と思えば、そのナイフは全て同じ動きをして、俺の方向を向く。
「まずい…!」
「背後!背後狙え、それかヘッショ!」
「わ、分かった」
俺は出来る限りの速さでtearの背後に回る。
しかし、
「動きは全て視認しています」
tearが振り向くと同時にナイフが全て背後に回る。
相変わらずすさまじい速度で、ただ逃げただけじゃ追いつかれてしまう。
「第一の能力を使用。”acting tragety”」
そして目を見張るほどの速度でナイフが俺の方を追う。
俺はなんとか走って逃げようとするが、
「その先は行き止まりとなっています」
tearは俺を遂に行き止まりへと追い詰めた。
この壁じゃ被弾は避けられない。
「だ、誰か…」
その時だった。
「…今」
急に視界から有彩色が消え、白一色となる。
ほのかに見える輪郭が状況を示している。
この白色は光だ。
「…視界に異常が発生しました。緊急修正プログラムを」
「させねぇよ?”freezing”!!」
今度は衝撃音が鳴り響き、周囲の温度が一気に下がる。
おそらく衣川の魔法で凍らせたのではないだろうか。
「まぶし…今どうなって」
俺が段々見えるようになってくると、凍っているtearに今にも切りかかりそうな天神が居た。
「かっっっった…凍ってるとやばいわ」
「ごめんな、でも」
「僕が凍らせてって言っちゃったしいいよ」
「なあ、でもなんで凍らせる必要が?」
「雷より動き止めれそうだから」
その時、ピキピキという音が鳴る。
どうやら氷が割れてきているようだ。
「やばいな、あの速度が復活するのか」
「まあ怒ってくるだろうし、もっと強くなってるかもね」
「やっば…」
「大丈夫でしょ、指揮が”溜めてる”から」
「溜めてる?」
「能力使う時にちょっと溜めて撃つ…というか狙いを定めて、みたいな時間があるっすよね。その時間をもっと長くするんすよ。そしたらより強力な能力になるらしいんすよね」
「いいこと知ったわ」
「お前らそんなことも知らなかったのか…。いくら初心者共とはいえ…逆によくそんな生き残ってたよな」
「動作…異常を確認…」「…!」
「これより…強化モードに移行…」
「強化モード…まあ強くはなるんだろうけど」
「多分二つ目の能力が来るぞ」
「二つ目の能力は知らないんだったよな…」
「俺の二つ目もそうだが、明らかに強い能力を使ってくるぞ」
「…どんなんだろ」
「”hamlet”」