テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
あれから俺は自分の家でダンスの練習を繰り返していた
マンションには行かずに‥‥
挙動不審な俺を凪さんに見られたくないし
それにちょっと右脚も痛かった
捻挫でもしたのかと思ったけど、少し休むと痛みは引く
だから気にせずに小さな鏡の前でまた踊り始める
スマホの画面が明るくなった
なんだろう
画面を覗き込むとセラさんからのメッセージだ
“ロウ君一緒にダンスの練習しない?”
俺が連絡取らなくなって気にしてくれているんだろうか
俺はスマホの画面を長い事見つめながら断る文言を探していた
でも上手く綴れない
セラさんとレッスンするだけなら凪さんとは合わないか?
少し顔を出して急いで帰ってくれば良いか
俺はセラさんの誘いを断りきれずに、セラさんが待つマンションへと向かった
「あれ?ロウ君足どうした?」
「え?」
セラさんが俺の元にやってくる
俺は汗を拭いながら普通を装った
「なんか右脚庇いながら踊ってないか?」
「いや‥‥別に‥‥」
「そう?‥‥でも見せてみて」
「なんともないですけど‥‥」
踊りだすと痛みが出てくる
でもそんなに気にする事じゃない
だから俺はその事を隠してる
「座って?」
「‥‥はい」
「‥‥痛かったら言ってね?」
「‥‥はい」
俺はその場に座り足を差し出す
セラさんが両足を手で触る
脛‥‥足首‥‥
右脚の足首に触れられると少し痛む
でもやり過ごせるくらいだ
だが足首から足の甲に手が触れた瞬間‥‥
「‥‥‥‥っ!」
「ここ?」
「‥‥‥‥いえ」
「ちょっと靴下脱がすね」
素足になった俺の足の甲にセラさんが先程よりも優しく触れる
「‥‥っ」
「腫れてはないな‥‥でも少し熱いかも」
「でも俺‥‥挫いた記憶はないです」
「待って。湿布貼ってあげるから」
「それほど痛くないから‥‥」
「でも痛みがあるなら貼ったほうが良いし、病院にも行きな」
「‥‥わかりました」
本当は触られた部分に痛みが走った
でもセラさんに心配かけたくない
「今日はこれで終わった方が良いかも」
「え‥‥でも‥‥」
「何日かちゃんと休んだ方が良い。また誘うよ」
俺はセラさんの言う通りに家に帰り、その後1週間は湿布を貼って安静にしていた
そしめセラさんにまた誘って下さいと連絡するとすぐに返信が返って来た
「あれからちゃんと休んでた?」
「はい。湿布貼って休んでたら痛くなくなりました」
「良かった。早く気づいて」
「セラさんのお陰です。もう大丈夫ですから」
セラさんが新しく持って来た曲を聴きながら振りを頭に入れて行く
そして2時間が経つとセラさんは用事があると言って俺に鍵を渡した
「悪いんだけどさ、今夜凪ちゃんがここ使うみたいだから、凪ちゃんの部屋のポストに鍵入れて帰ってもらえる?」
「OKです。俺も後1時間で帰ります」
「ごめんね。急用入っちゃって」
「いえ、全然」
俺はセラさんを見送ると床に座り込んだ
脚は治ったと思ったのに‥‥
急に右脚の甲が痛み始める
しかも今までになく痛かった
「なんだよ急に‥‥」
痛い箇所に手を当てる
「え‥‥腫れてる?」
ちゃんと休んだし、湿布も貼ってたのに
とりあえず早く帰ろう
時間を掛けながら身支度を整える
そして急いで部屋から出て鍵を締めた
「‥‥あ」
鍵だ
返さないと‥‥
壁伝いに手を付き、片足でぴょんぴょんと跳ねながらエレベーターに乗る
凪さんの部屋‥‥
ここだ
ドアポストに鍵を入れる
急いで帰らないと‥‥
情け無い姿を凪さんに見られてしまう
その時エレベーターが先に一階に降りて行く表示が目に入った
もしかして下に居るのは凪さん?
俺は慌てて階段へと方向を変えた
.
コメント
3件
痛いのに心配かけたくないからって言わないの こや っぽいけど心配💦 続き待ってます!