テラーノベル
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後ろからエレベーターが到着した音が聞こえる
俺はもう少しで階段の曲がり角に辿り着く
扉が開き人が降りた
俺は慌てていたせいで、手に持っていた右脚の靴を手から落としてしまう
「あっ‥‥!」
痛くて右脚の靴は履けなかったからそのまま手に持っていたのだ
それが勢いよく階段を転げて行った
しかも階段は片足では降りられない
だから俺は思わず右脚を階段に降ろしていた
「痛っ!!」
右脚に力が入らず、身体が前に倒れ込んだ
左手で手すりを掴んではいたものの、痛さで身体を支えきれない
その時後ろから身体ごと誰かに抱きしめられた
この香り‥‥‥‥
知ってる
「‥‥‥‥‥‥」
「‥‥ビビった」
耳元で凪さんの声
凪さんは俺を抱えたまま後ろに座り込んだ
「お前‥‥何してんの?」
「‥‥‥‥凪さん」
「なんでここに居るんだ?」
「鍵‥‥返そうと思って‥‥」
凪さんが立ち上がり、俺の事も立たせようとする
俺は釣られて立ち上がると脚の痛みでふらつき、凪さんによろけてしまった
「っ‥‥ごめ‥‥」
「怪我した?」
「そうじゃなく‥‥」
凪さんが俺の足元を見る
「小柳、靴は?」
「あ‥‥‥‥」
俺の片方の靴はこの下の踊り場に転がってる
「なんであんなところに‥‥」
「大丈夫、俺拾ってくる!」
「あ、待て!」
ふらつく身体では下には降りれない
「やっぱり怪我してるじゃないか!待ってろ」
凪さんが俺の手を離すと俺は壁まで行き手を付いた
「何?そんなに痛いのか?」
「‥‥‥‥‥‥」
凪さんが靴を拾ってくると俺に履かせようとした
「凪さん‥‥ごめん。俺足痛くて靴履けない」
「え?ここで挫いたんじゃないのか?」
俺は事の経緯を話した
「ほら、乗れ」
「え?」
「病院行くぞ」
「でも‥‥」
凪さんが俺の前に背を向けてしゃがんだ
俺はその背中を見つめた
「早くしろよ。立ってても痛いだけだろ」
「‥‥‥‥ごめんなさい」
「怒ってないよ。ほら、早く診てもらおう」
「‥‥うん」
そっと背中に触れ、身体を預ける
凪さんが俺をおぶって立ち上がった
「重くない?」
「重いと言いたい所だが、意外と軽くて驚いてる」
「意外と力持ちなんだね」
「意外とってなんだよ」
「‥‥ごめんね凪さん。俺もっと早く病院行ってれば‥‥」
「私が帰ってきたタイミング良くて良かったな」
「‥‥本当ごめん」
「まったくこの野良は‥‥目が離せないんだから」
「え‥‥?」
それってどういう意味?
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コメント
2件
心配すぎる... 凪ちゃん誰でも惚れるって 続き待ってます!!