テラーノベル
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リクエスト 黄様×赤様
題名 『色のない世界で』
エセ関西弁・誤字脱字 注意
いつからか、俺は色が分からなくなっていた。 めっちゃ好きだった黄色もわからんくなって、ゲームをしてもそのキャラがどんな色の服を着て、どんな髪色をしているのかも分からない。そのせいか、ゲームがつまらないと感じることも増えていった。
「つまんな、もう、何が何だか分からんわ。 ゲームって、色がないとこんなにつまらないんやな」
最近はゲームをしていてもすぐ辞めてしまう俺を見て、親はめっちゃ心配してる。親は俺がすぐにゲームを辞める理由も最近外に出ない理由もわかっていない。だって、色が見えないことを伝えてないから。
「黄、もういいの?最近全然ゲームしてないね。それに、外にも出なくなって、」
「あー、大丈夫やで。ただ、相手が弱くてつまらんからすぐ辞めてるだけ。外に出ないのは暑すぎるから。あんま心配せんでええで」
親には出来る限り心配させたくない。
だから、ヘラっと笑って話を終わらす。そうしないと、勘付かれそうで怖い。
「あ、俺宿題あったからやってくるわ」
「あらそう?じゃあ、夕飯ができたら呼ぶわね。無理はしないでね」
「わーてる。あんま心配せんでええって」
宿題はあるちゃある。だけど、今残ってる宿題は、数学の円グラフの問題とか色付きでその中に何か文字が書いてあるやつ。あと、社会の地理とか。色が分からんせいでそこの中の文字すら読めない。
俺が見ているのは白黒の世界。俺が一体何をしたからこんな目にあっているのか、
「あーと、なんて書いとるん?ほんま、見えんな」
今日はバスで出かける予定だったんだけど、俺が乗る予定のバスの時刻表が読めない。なぜか、色が塗られていふ。多分、他のと間違えないようにだろうけど、俺にとっては、それが、大問題になっている。
誰かに助けを求めたいけど、人見知りすぎて人に話しかけられない。今日はもう無理なんか。と思って、時刻表の前を離れたら、声を掛けられた。
「君、もしかして、時刻表読めないの?」
「えっ、あっと、はい…」
人見知りのせいで相手のことを見ることができず、目を背けたまま答える。
多分、俺より年上の人だとは思う。声的に
「どこに行こうとしてるの?それ教えてくれたら俺教えるよ?」
「えっと、黒野町に行こうとしてて、」
「俺もちょうどそこ行くから、一緒行く?」
「あっ、でも、自分、ひ、人見知りだし、ちゃんと一緒に行けるか分かんなくて、」
「大丈夫!一回でいいからさ、俺のこと見てみて!俺、結構明るいからさ、君でも仲良くなれると思うんだよね!」
人見知りのことを伝えたら大体の人は諦める。相手にしても意味ないと思われがちだから。でも、この人は何か違うって思えた。だから、少し考えてそっと、この人の方を見た。
「えっ?……嘘やろ」
「うん?どうした?」
この人の顔もまともに見れないと思っていた。
だけど、俺の目はしっかりと赤色の髪、金色で三日月の形をしたピアス。黒と赤を基調とした洋服。そして、太陽みたいに明るい笑顔が見えた。
「あっ、こんなこと、あるん?(泣」
思わず泣いた。バスを待っている人たちにチラチラ見られたり、初対面の人を見て泣くのは失礼だと思ったけど、それより、もう一度色を見れたことが何より嬉しかった。
俺が泣き出した後、ちょうど黒野町へのバスが来たらしく、手を引いてもらって、バスに乗った。
「あの、ごめんなさい。なんか、色々迷惑かけてしまって」
「全然いいって!てか、大丈夫そ?結構目腫れてきてるけど」
「あっ、大丈夫っす。少ししたら治ると思うんで」
黒野町について、バス停の近くにあるカフェに入った。 色が見えた驚きのあまり、結構泣いてしまったらしく、目が痛い。でも、この目で見えているのは、この人とこの人が触れてるものだけ。だから、この人が触れてる机と椅子の色が見える。それ以外は、いつもと同じ白黒の世界。この人の周りだけ、色がついている。
「そうだ、自己紹介してなかったね、俺は赤!呼び捨てでいいよ!君は?」
「えっと、黄です。俺も呼び捨てで大丈夫」
「OK!あのさ、初対面の人に聞くことではないと思うんだけど、嫌じゃなかったら答えて欲しいんだけど、なんでさっき泣いちゃったの?」
「えっと……」
赤になら教えてもいいと思った。だって、俺が見える色は全部赤が触れてるものだし、赤といたら、何かが変わるかもしれない。結構な時間、悩んだ。俺が悩んでる間も赤は何も言わずにずっと待っててくれた。
「実は、俺、色が見えなくなってて、全部白黒でしかみえないようになってるんよ。でもっ!」
「うん、それで?ゆっくりでいいからね?」
「バス停で赤のこと見た時、色が見えたんよ。赤だけが白黒の世界で唯一色俺が見える色を持ってて、俺、結構な期間、色を見てなかったから、その感動でというか、あー、なんで言ったらいいか分からんけど、嬉しかった。ほんまに、その、ありがとな?」
早口で、頭に浮かんだ言葉をそのまま吐き出した。赤は静かに頷いて、俺の話を聞いてくれた。否定も、同情もせずに。
「そういうことだったんだね、…俺以外の人は、白黒ってことでいいのかな?物も?」
「そうなんよ、だから、宿題とかもできないやつがでてくるし、人も植物も全部白黒」
こういうことを話せる相手は今までいなかった。作れもしなかった。
なんで俺は、初対面の赤にこの話をすることが出来たのだろうか。
「ていうかさ、なんのために黒野町に来たの?」
「参考書とか買いたくて、黒羽町は全然俺が欲しいの売ってなくて、こっちにある本屋は結構種類豊富って聞いて」
「じぁ、俺も一緒に行っていい?」
「や、でも、赤だって、用事があって来たんやろ?俺の用事に付き合わせるのは……」
赤には俺の話で結構な時間をとってしまったし、付き合わせるのも何か悪い気がして断ろうとしたが、赤の顔を見たら、断れなかった。
「別に、ええよ。でも、時間きたら教えてな!予定に遅らせたくないし」
「分かった!じゃ、行こ!」
次回 『一緒に買い物』
コメント
3件
「黄様×赤様」第4話、読ませていただきました。 色を失った世界で、たった一人だけ色のある存在と出会う――その瞬間の「嘘やろ」という言葉に、じんと来ました。黄くんが長い間閉じ込めてきた感情が、ようやく腑に落ちたような切なさと温かさがあって。 赤さんの「待つ」姿勢も本当に優しくて、この出会いがこれから二人にどんな色を増やしていくのか、続きが気になります✨