テラーノベル
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カフェをでてから本屋に向かった。確かに、黒野町の本屋は黒羽町より本の種類が豊富だった。でも、俺にはどれがなんの参考書なのかが分からない。難しい顔をしてる俺をみて赤が心配した顔で俺を見てきた。
「あのさ、これも白黒に見えてるってことだよね?てことはさ、どれがなんの参考書なのかもわかんないよね?」
「あー、まあ。そうなるな、でも、勘で買えばいいやろ」
「ダメでしょ、参考書って、結構高いんだよ?それでさ、黄が読めないものとか、内容が知りたかったものじゃなかったらどうするの?」
多分、一人だったら適当に買って、できるとこだけやってたかもしれない。でも、赤がいてくれたおかげで、俺が読めるものを選んで買うことが出来た。怒る時はちゃんと怒って、優しい時はちゃんと優しい。今日初めて会ったはずなのに、人見知りで、まともに人と付き合った事がないのに。俺は、 赤の事が好きになっていた。
「そういえばさ、黄は何歳なの?参考書を買うってことは、まだ高校生?」
「あ、うん。今、高三で、大学に行きたいって思ってるから」
「どこ目指してるの?」
「まだ決めてないけど、スター大学かダイス大学」
赤に大学の名前を伝えると、なんか渋い顔してたけど、その後すぐに笑顔に戻った
「黄って、結構頭いいんだね、羨ましい」
「えっ?いや別に頭いいわけではないで?ただ、家から近いし、先生達がめっちゃ勧めてくるから、そこがいいんかなって思っただけで、頭がいいわけでは…」
「言っとくけど、そこ二つは結構むずいからね!あっ、でも、いくならダイス大学きなよ!俺いるからさ!」
さっき渋い顔してた人が何か言ってるんですが?さっき、頭がいいの羨ましいとか言ってたの嘘なんか?
「さっき、頭いい人が羨ましいとか言ってたくせに頭いい大学にいるんですかー?」
「うっ、やあ、まあ、ね?俺はさー、まぐれ?みたいなものだし?」
「でも受かっとるやん。じゃあ、ダイス大学の試験の過去問とか持ってるん?あったら見せてやー!」
「えー?黄なら自力でも受かる気がするんだけど」
ちょとおふざけをしながら、本屋を出てバス停に向かう。
「バスが来るのは、後15分後とかみたいだよ。どうする?バス停で待っとく?」
「15分くらいならバス停で待ってるほうがええな」
「じゃあ、お話しして待っとこ!俺、まだ話してたいからさ!」
『まだ話をしてたい。』あまり言われた事がなく、不意にドキッとしてしまった。もしこのまま、別れてしまったら、俺はどうなるんだろうか。また色が見たいと思ってしますのか。それとも、何も思わなくなるのか。色々と考え難しい顔をしてる俺の顔を覗きのんだ赤は笑顔で眩しく、思わず目を背けてしまった。
「黄〜、連絡先交換しよ〜?勉強も教えてあげるからさ〜。あっ!言っとくけどナンパと一緒にしないでね!俺、しっかりと勉強教えるからさ!」
「いや、別にナンパとは思ってないけど、勉強教えてくれるのは嬉しいわ。ありがとな」
「いいってことよー!じゃあまた後で連絡するね!いつでもってわけじゃ無いけど、わかんない問題とかあったら聞いてね。教えてあげるからさ!」
「おー、ほんまありがとな。じゃあまた」
連絡先を交換したり、雑談をしている間にバスが来た。赤に別れを告げてバスに乗るとまたいつもの白黒の世界に戻った。やっぱり、俺にとって赤は特別な存在なのかもしれないと改めてと思った。
家に帰ったてからすぐ部屋に行き、参考書を開いた。勉強をするためではない。ただ、赤が選んでくれた参考書を見たかっただけ。
「赤がいたら、もっと楽しい人生送れんのかな。いや、欲張りすぎはダメや。まずは、色が見れたことを大切に!」
次回 『秘密の先に』
コメント
3件
「まだ話をしてたい」って赤が言ったところ、すごく刺さりました……黄くんのドキッとする気持ち、わかるなあ。色のない世界で初めて出会った特別な存在だからこそ、別れた後の白黒がまた染みるんですよね。参考書を開いて赤の気配を確かめるシーン、切なくて好きです。次回も気になります……!