どこで生まれたのかも親も分からない私を愛してくれる人がいました。
私には愛してる人がいました。
とても優しい方でした。
私はその方にとても愛されていました。
しかし、中々気持ちが伝わりませんでした。
寒いよ、遊んでと言っても伝わらなかったりと…
近頃眠たくなって息苦しくなる時が増えました。
ある日私はとっても寂しくて苦しくて眠たくなりました。
彼は悲しそうな目で駆け寄ってきました。
私は苦しいよと泣きました。
彼は優しく背中をさすってくれました。
彼は言いました。
「もう我慢しなくていいよ。何も分かってあげれなかったかもしれない。そばにいて欲しい時にいてあげられなかったかもしれない。本当にごめんね。でも、もう苦しまないで。僕は君を愛してる。」
彼はそういうと瞳から頬にかけて一雫流しました。
私は「謝らないで。」と言うように
「ニャー」とか弱く鳴きました。
私は薄々気づいていました。私の愛していた方は人。私は猫。
彼に言葉が伝わらなくても彼は理解してくれようとしていた。
私は「今までありがとう。 」「愛してるよ。」と言うように
「ニャーン」「ニャーオー」と鳴いて瞳を閉じました。
意識が途切れるまであと数分。
また愛する方へ会えることを願って。







