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番外編2 「スイカ割り」
うだるような暑さ。巳月達は相も変わらず家で各々好きなことをしている。
「今日は、猛暑日を記録している地域も多く海水浴やレジャー施設では夏涼みをしている方々で溢れかえっています。」マオがそう言った内容のテレビに釘付けだった。そんな中テレビのワンシーンにスイカ割りを楽しむ子供の姿が映し出された。「巳月様、これなんですか??」とマオはテレビを指差した。「ん?あぁ、スイカ割りだな。なんだ?やってみたいのか?」そう言ってまるで休日の父親のようにソファーに寝転がりながら相づちを打った。すると後ろのダイニングテーブルで休日にも関わらず報告書やらの仕事をしていた虎之助が訝しげに「まさか、やろうとか言わないだろうな。」そういうと巳月は「まぁマオもまだ子供だからな、たまにはこう言った遊びをやっても良いんではないか?」と虎之助にとっては非常に面倒な回答が返ってきた。巳月の横にいるマオも少し期待をしているような様子だ。「いや、でも、場所とかどうするんだよ。家じゃ出来ないぞ。」と虎之助が否定的な意見を述べるとマオがあからさまにシュンとした様子になってしまった。そんな様子を見て巳月は黙って虎之助を睨み続けた。するとマオは目をうるつかせながら「ボク、スイカ割り?出来なくてもおうちで遊んでるの楽しいのでスイカ割り無くてもいいです。」と今にも泣きそうになっていた。巳月はさらにジトっと睨み続けた。虎之助はこういういわゆる子供の『ウルウル攻撃』にはめっぽう弱く、軽くため息をついて「本部の演習場なら出来るかもな…」と根負けした。巳月はその様子を見てニヤニヤしている。
そうして巳月達は本部の演習場に来た。「案外許可降りるもんだな!」と巳月はスイカをバスケットボールのように指で回している。「朱音さんもマオ関連は弱いからな。」そう言って虎之助は演習場の芝生にブルーシートを広げている。マオは麦わら帽子の端を両手で抑えてワクワクしている。その時後ろから「あれ?虎先輩達じゃないっすか?こんな所で何してるんですか?」と翔と美々子が演習場の扉から顔を覗かせた。巳月が「スイカ割りをやろうと思ってな、2人ともまぁ入れ入れ。ワシらじゃ食いきれんしな。」と2人を招き入れた。「スイカ割り?!めっちゃ楽しそう!いいじゃん!」と美々子はすぐに場の空気に順応した。翔も同様だった。虎之助は内心「なんでこいつらこんなのすぐに順応出来るんだよ。」と思っていながら準備をしていた。
いよいよスイカ割りが始まった。多分客観的に見ると演習場前を通りがかった者は異様な光景にしか見えないが本人達(虎之助を除く)は真剣だ。マオはテレビで観た通り目隠しをして手にはちょうどいい大きさの棒を持ちフンスフンスとやる気満々で、ヨタヨタと前に歩き始めた。その時点で周りの大人達の策略が始まっている。まず美々子や翔が「もう少し右!」「そのまままっすぐ!」などのナビゲートをして巳月はスイカをマオにバレないように移動した。「今だ!そこだ!」と巳月の声に合わせてマオは思いっきり棒を叩き下ろした。もちろん妖怪とは言えマオは子供だ。スイカはビクともせずヒビひとつ無い。そこで巳月と虎之助は目配せをしてスイカの真ん中から引き裂くように手で割った。「もう目隠し取っていいぞ。」そう虎之助が言うとマオは目隠しを外した。割れてる。マオ目線だとしっかり割れていた。もちろん裏で大人達が動いて居た事は全く気づいていない。マオは嬉しそうに「すごい!割れてる!」と目を輝かせた。「おー!凄いな!綺麗に真っ二つだな!」と巳月は笑いながらマオの頭を撫でた。
そうして無事スイカ割りを終え皆でスイカを食べながら束の間の休日の暑い夏を過ごす。
番外編 「スイカ割り」完
コメント
1件
結城さん、番外編のスイカ割り、すごくほっこりしました🍉 マオちゃんの「ウルウル攻撃」に虎之助が根負けするところ、家族みたいで可愛いなって思いました。大人たちが裏でスイカを割る連携プレーも、マオちゃんを喜ばせたい気持ちが伝わってきて、思わず頬が緩みます。こういう日常のひとコマがあるから、本編のシリアスなシーンがもっと映えるんだろうな。素敵な番外編をありがとうございました🌿
漬物🥒
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