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学年トップの秀才で誰からも好かれる人気者
白鳥 ヒロ(しらとり ひろ )は、ある日、
学校の屋上でタバコを吸っていた
「ちょっと不良」なクラスメイト
黒瀬 うり(くろせ うり)と出会う。
関わらない方がいいとわかっていながらも、
どこか寂しそうなうりが気になってしまうヒロ 。
そこから、少しずつ距離が近づいていく
2人の関係は、友情を超えて――。
本編(短編1話分)
誰もいない放課後の屋上。鍵は壊れていて 、
こっそり入れることを知っているのは、
ごく一部の生徒だけだ。
ガチャ。
「……誰?」
鋭い声に、白鳥ヒロは立ち止まった。
煙草の匂い 風に流れる白い煙
その奥にいたのは 制服をゆるく着崩し
ポケットに手を突っ込んだままの
男子――黒瀬うりだった。
🐑「ごめん … 誰もいないと思って」
ヒロは静かに頭を下げる。本当は生徒会の仕事
で書類の整理をしていたけれど
少しだけ一人になりたくて 、 屋上に来た。
🎸「……ふ ~ ん お前、白鳥だろ?
真面目くんがこんなとこ来るとはな」
🐑「君こそ タバコ 見つかったら退学だよ」
🎸「わぁ ってるよ 。 見逃してくれんの ?」
からかうように笑う うりその表情の奥に
どこか影があった
ヒロはなぜか目を逸らせなかった。
🐑「……別に、誰かに言う気はないよ。僕も
人のこと言えないし」
🎸「へぇ ~ 優等生様が サボりか?」
🐑「たまにはね」
不思議な沈黙が 風に乗って流れる
屋上は静かで、でも、どこか温かかった。
🎸「……お前さ、やっぱ、俺のこと怖い?」
唐突な質問に、ヒロは少しだけ目を見開いた。
🐑「怖くは ないよ ただ
近寄らない方がいいのかなって 思ってた」
うりは一瞬 驚いたようにヒロを見た後笑った
🎸「正解 ~ 俺 面倒ごとは嫌いなんだ」
🐑「じゃあ どうしてここにいるの?」
うりは答えなかった。ただ 空を見上げ
ぽつりとつぶやいた。
🎸「…ここだけは、誰も俺を見ないからさ」
その言葉に、ヒロの胸が少しだけ痛んだ。
この人は、孤独なのかもしれない。
「……じゃあ、僕も見ないふりをして、ここにいていい?」
うりが少し驚いたような目をして、
ヒロを見つめた。
そして――ゆっくりとうなずいた。
「……勝手にしろよ、優等生」
その日から、2人の屋上での時間が始まった。