【お願い】
こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります
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ご本人様方とは一切関係ありません
犯罪組織と戦うメンバーさんの、戦闘パロ のお話です
ほとけがあにきと連携を取っていたらしく、目的のワゴンはすぐ傍まで来てくれていた。
りうらが開けてくれた後部ドアから、ないこと勢いよく乗り込む。
座席をしまいフラットな状態にしたところに、しょにだの体を横たえた。
「しょうちゃん!!!?」
しょにだを視界に止めた瞬間、ほとけが悲鳴に似た声を上げる。
そこで初めて俺もしょにだの様子を注視した。
肩や腕、腹と何箇所も撃たれて出血がひどい。
息が上がり苦しそうに呻くけれど、意識はほとんど失いかけているようだった。
「あにき、これ…」
「とりあえず車出す。ちょっと行ったらまろ、運転代わって」
そう言って、あにきは俺の返事を待たないまま思い切りアクセルを踏み込んだ。
「しょうちゃん、しょうちゃん…!!!」
今にもしょにだに抱きつきそうなほとけを、りうらが必死で羽交い締めにする。
「ほとけっち、動かしたら危ないって…!」と止めるりうらも、そうしているとこの前の傷が痛むらしく眉を寄せて耐えているようだった。
「だってしょうちゃんが…!」
ほとけの声を聞きながら、タオルや毛布やらと車に積んであるありったけの布類で傷口を押さえる。
途端に赤く染まっていくそれに、俺は思わず舌打ちをした。
「まろ、交代!」
数キロは進んだだろうか。
追手がすぐに来ないことを確認してあにきは急ブレーキを踏んだ。
運転席から飛び下りて、後部座席に移ってくる。
それと入れ替わりに運転席に座ると、俺は血に塗れた手を覆うようにレザーグローブを装着した。
「ないこ、ここ押さえて」
あにきが手際よく応急手当の指示をする。
「組織の病院に運ぼう。まろ、道分かるな?」
そんな問いに頷いた。
頭の中で最短ルートを確認し、アクセルを踏み込む。
昨日のりうらの怪我とはワケが違う。
すぐにでも手術をしないと危ないということだろう。
「しょうちゃん、しょうちゃん…っ」
狂おしい声で名前を呼ぶほとけ。
その場にいた誰もが、そんなほとけの気持ちを手に取るように感じたに違いない。
「ほとけっち、しょうちゃんはきっと大丈夫だから」
励まそうとしたんだろう。
ないこが傷口を押さえながらそんな言葉を口にする。
なだめるような穏やかな声だったけれど、その言葉に一瞬でほとけをまとう空気がピリついたのが分かった。
「…何、言ってんの…?」
ほとけのものと思えないような、いつもより低い声が響く。
「こうなったのはないちゃんのせいじゃないの!?」
声を荒らげたほとけの叫びに、ないこは「……え?」と驚いたように小さく漏らすだけだった。
「だっておかしかったじゃん! 囮だなんて言っておいて、僕らの方にはほとんど敵が来なかった!」
「…それは…っ」
「ないちゃんがあんだけ爆発起こしたって、ろくに敵は来なかったじゃん! 結果地下組が大人数に待ち伏せされてて…こっちの作戦が漏れてたとしか思えない!」
「ほとけっち、落ち着いて…」
今にもないこの胸倉でもつかみそうなほとけを、りうらが必死に止める。
「この前もそう、作戦が読まれてた! 誰かが漏らすとしたら…このチームには一人しかいないんだよ!」
「ほとけ!」
ハンドルを切りながら、俺は思わず声を叩きつけた。
「言い過ぎや」
付け足した俺に、ほとけはキッとこちらを振り返る。
「いふくんもいふくんだよ! りうちゃんからあの話聞いたくせに…!」
「あの話…?」
「りうちゃんがやられた時、敵が『ないこにすぐ報告しろ』って言ってたってやつ! りうちゃんがあにきといふくんにそう話してるの聞こえたんだから!」
「!……」
思わず絶句した俺に、ほとけは一瞬言葉を止めた。
興奮してがなりすぎたせいか、肩で大きく息をする。
「……何…それ…」
それまで黙っていたないこが、目を大きく見開いて呟くのが分かった。
震えそうな声は、いつも毅然としたリーダーらしいあいつのものとは思えないほど弱々しかった。
「知らない…っ俺そんなの知らないって…!」
「じゃあ何で僕のパソコンからデータ抜いたの!?」
「!!」
反論するべき言葉を失ったのか、ないこがぐっと息を飲む。そんな様子にほとけは「ほら」と鼻であしらうように続けた。
「言えないんでしょ! 僕たちのこと裏切ってたから!」
「ほとけ、いい加減にせぇ! 降ろすぞ!」
それまで黙ってしょにだの手当をしていたあにきが、そこで初めて声を上げた。
その圧にほとけもさすがにぐっと言葉を飲む。
一瞬だけクールダウンするかのように呼吸を深くした。
そしてそのまま、見開いた目でないこを睨むのがルームミラー越しに見えた。
「…もししょうちゃんに何かあったら…」
トーンを落としてさっきまでの勢いをなくした声は、それでも揺らぐことない強い意思を感じる。
「僕、一生ないちゃんのこと許さないから」
瞬きすら忘れた水色の瞳から、一筋涙が零れ落ちた。
コメント
4件
水さん白さんのことめっちゃ大切にしてるんだなぁ... 桃さんの反応からして裏切り者ではなさそうだなぁ...と思うんよな、 白さん無事であってくれ~... 続き楽しみに待ってます
水くんが白ちゃんのことを大事に思ってることがめっちゃ伝ってくる、、、 「ないこにすぐ報告しろ」(あってる?)って文の桃ちゃんの返しから裏切ったようには見えないんだよね、、 🩵水くんが心配のあまり、🩷桃ちゃんを責めて、🖤黒が桃ちゃんを庇うような言葉を吐いて、❤赤ちゃんが痛みに耐えながら水くんを止めようとして、💙青くんは水くんを止めようとするけど水くんに槍を刺されて、
水さんの白さんを思う気持ちが強くて感動します、でも気持ちが強いからこそ桃さんに当たるような感じになってしまった感じはありますよね…。 水さんとも桃さんここからどうなるのか楽しみです