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水side
in水自室
ハルくんの自室はないからみことくんの部屋を使うのかなって思ってたらみんなが入れるからってことでリビングで生活することになった。
『ぁ、水持ってくるの忘れた。』
3日間引越しの荷造りやらなんやらで消えた為、レポートが溜まってる。
徹夜確定なので、レットブルと水は必須。
あとするめいか。
みんなを起こさないように、静かにリビングへ向かう。
『、~~~~!』
リビングから声がする。
ガラララッ
『ハル~、かわいぃでちゅね~!!』
『シャー!!』
『ぇ、まにき?』
そこには赤ちゃん言葉を使いながら猫に話しかけていて、なぜか新鮮な引っかき傷だらけのまにきと爪をたてて威嚇するハルくん。
『げっ、こさめ、』
『何してんの?』
『何もしてない。』
『嘘つけ。』
バレバレすぎる嘘をつく。
もっとマシな嘘つけよ。
『言葉が足りなかった?ハルくんに赤ちゃん言葉で話しかけて何してんの?』
『詳しく言わなくても。』
『悪いかよ。ハルと戯れて。』
『悪いというか、ハルめっちゃ嫌がってんじゃん。』
『ぇ”、やっぱりハル嫌がってる、?』
明らか嫌がってるだろ。
『うん。』
『まじかぁ~』
まにきの傷だらけの腕や顔をまじまじ見てしまう。
あの頃と変わらず努力家。
『まにき。』
『ん、?』
パァァァァッ
『ぃたっ、』
こさめは聖属性魔法を少し使える。
聖属性魔法を少し使えるぐらいではSランクにはなれない。
こさめの聖属性魔法には欠陥してる所がある。
聖属性魔法を使うとその怪我分、こさめに痛みが生じるということ。
『こさめっ、おまえ、それは使うなって、』
『大丈夫、大丈夫。』
『おまえ、いつか壊れるぞ。』
いるまくんの言う通り、いつか使えなくなる魔法。
使う事にその痛み分身体に蓄積し、どんどん死に近づく。
限界がきたら、その時は死ぬ。
『まにきが、お兄ちゃんがこの家にきてびっくりしたよ。』
こさめの顔を悲しそうな顔で見つめる。
『ごめん。』
まだ、お互い引きずってるんだな。
もう10年経ってるのに忘れられない。
忘れられる訳がないから。
『それじゃぁね。お兄ちゃん。』
お兄ちゃんとはばいばい。
これからは他人として過ごすための言葉。
『ぉん、おやすみ。こさめ。』
ドアに手をかける。
『こ、こさめっ、!』
こさめを呼び止めようとする、変えようとするまにきの声がリビングに響く。
一瞬立ち止まったが、こさめは結局振り返らなかった。
ガラララッ
今からでも振り返れば変えられるのかな。
……