[みこと視点]
いつもの日常。
毎日学校に行って、ただただ過ごす。
こんな俺の日常が変化をした。
「 …」
毎日、つまらない。いつも同じことの繰り返し。今日も学校に行く。
「行ってきます…」
と、誰もいない家に言う。
両親は交通事故で亡くなってしまった。
俺自身働ける身になってから両親が亡くなった。
つまらない日々、学校が終わったらすぐに帰って課題をやる。
課題をやっていたらいつの間にか時間が過ぎていた。晩御飯はたまに食べない日があって、今日はその日だった。お風呂に入って寝る…
はずだったのになかなか寝られない。
本当になかなか寝られないため、外に軽く散歩に行こうと思った。
外は街灯で照らされ、星はなかなか見れない。星が見たいと思った俺は、街灯の少ない公園へ向かった。
「〜〜♪〜〜」
公園についたら、 綺麗な歌声が聴こえてきた。その声は、透き通った声で、誰もが聴きたがるような声。その声を持つ人は、俺と同じ制服を着ていた。その人から突然、泣き声が聞こえてきた。
俺は急いで事情を聞こうとしたがその足を止めた。見ず知らずの人に話しかけられてびっくりしないだろうか。話しかけたとしても何か言ってくれるだろうか。そんな考えが頭に過ぎる。
俺はただただ、その人の泣き声を聞くことしかできなかった。
その人が泣き止んだ後、その人はまた歌って公園から出て行った。歌っていた曲が気になったため、歌詞から調べようとしても出てこない。どうしても違う曲が出てきてしまう。そこまで人気がなくても出てくるはずなのに出てこないと不思議に思った。その人が自分で作った曲なのだろうか。本当に自分で作ったならすごいと思う。一つひとつの歌詞の意味が深かった。音程やテンポなどがとても心地がよかった。
「ぁ、」
もう1時になってしまう。本来学生は11時から補導対象やから早く帰らんと…
家に着いてから、さっきの人はどの学年やろうか、なんて考えていたら段々と眠気が襲ってきた。リビングでは流石に寝たくないから部屋に戻る。
部屋に戻ってベッドに入ったら途端さらに眠気が襲ってそのまま眠ってしまった。
「んん、」
起きた時間は7:00と起きる時間には丁度いい時間だった。本来なら5:00に起きて受験の勉強をしなくてはならないが、俺はそんなことはしなかった。したくなかった。
学校の準備が終わったら7:30になるので、もう家を出なきゃいかん。昨日見た人を知りたいのがあってか、いつもよりも心が踊っていた。
電車に揺られながら昨日の人の特徴を思い出していた。
緑色の髪をしていて一部が深緑の色をしていた。それとは反対に、瞳は赤く吸い込まれる様な目だった。暗かったからそこまで見えなかったものの、左耳にピアスをつけていた。身長は高く、モデルの様にスラッとしていた。
そんなことを考えていると、
「あっ、すみません、」
と声が聞こえてきた。
「ぁ、大丈夫です、!」
なんて言っていたが、俺は少し思ったことがあった。昨日の人とそっくりだった。
「あの、!」
「ぇ、」
「き、昨日公園で…」
「す、すみません、!」
話しかけた途端、すぐに行ってしまった。それはそうか、知らない人に話しかけられたらどこかに行ってしまう。
…それか、昨日のことを話されたくないか、
きっとこのどちらかだろう。
なぜか俺は…あの人に興味が沸いた。
学校が終わってまた家に帰るとき、思った時があった。
「せめて名前でも聞くべきやった…(ボソッ」
名前が分かれば多少はどうにかなるかと思ったんやけど、きっと答えてはくれんやろうな…
ともかく、今日もあの公園行って、あの人と話したい。
俺の願いが神様に届いたのか、会うことができた。あの人はまた、分からない歌を歌ってる。
「ぁ、あのっ、!」
「へっ、!?」
話しかけに行こうと思ったら逆に話しかけられた。それにびっくりして分からん声が出た。
「き、昨日からなんですか、!」
「ぁっ、、」
「ずっと、俺のこと、見てました、よね、!」
全部バレてるみたいやった。
「俺の歌聴いててっ、どうせあなたも俺を馬鹿にするつもりですよね!」
馬鹿に、するつもり、?絶対そんなことしない。実際、歌っていたのがほんまによかった、
「そんなつもりっ、やって、あなたが歌っとったの、すごいよくって、!」
「いちいち嘘つかないで!」
「ついとらん!!」
「っ、ほんと、、?」
「ほんま!」
「…ごめんなさい」
え、なぜか急に謝られた…
「ぇ、なんで急に謝るん、!?」
「だ、だって…俺が、勘違いしてて…」
「お、俺こそ、ごめんなさい…、」
「…では、これで…」
「ま、待って、!」
引き止めてしまった。どうしても引き止めなければいけないと感じてしまった。
「あの、名前、!なんですか、?」
「ぁ、り、緑風すち、です…」
「すちくんね!俺の名前は八黄地みこと!」
「みこと、さん、?」
「そんなかたくるしくせんで!」
「じゃあ、みこちゃん、? 」
ドキッ//
「う、うん!それで呼んで!//」
なんで、すちくんに呼ばれてドキッとしたんや…、?///
「みこちゃん、?顔赤いけど大丈夫、?」
「大丈夫、!」
「ほんと、?」
ピタッ
「んんー、?若干熱い、?」
「だ、大丈夫やから、!」
「そう、?」
「うんうん!!」
俺、すちくんのこと好きなんかな…?
でも、男の子同士って、おかしいよな、?
「すちくん、!連絡先交換せん、?」
「あ、いいよ、!」
「やった、!」
「へ、?//」
「あ、別に変な意味とか無いから安心して、!」
「そっか、?」
その日を境に、俺とすちくんが仲良くなってきた。すちくんと過ごしていると楽しくて、でも、ドキドキして、俺はやっぱりすちくんに恋をしていると自覚した。でも、この恋は叶わない。そう思うしかなかった。
[すち視点]
あの日から楽しい毎日が送れていると思っている。その分、辛い毎日も送られてくる。
「オラッ、!!」
ボコッ
「い”っ、」
「お前、!なんで!なんで!楽しそうなんだよ!」
「っ、」
この人、俺のこと”嫌い”なんだって。なんで嫌いか分からないけど、いつもイジメてくる。
「あいつか?あの馬鹿な先輩とつるんでるからか、!?」
「ば、馬鹿、?」
「そうだよ!あいつは馬鹿なんだ!ドジでマヌケで!お前とは正反対なやつだ!」
馬鹿、?それ、先輩に言う言葉じゃないでしょ、?
なぜかわからなかった。けど、みこちゃんを馬鹿にするあの人が、憎かった。
「だからあいつより俺の相手しろよ!」
「それ、先輩に言う言葉じゃ、ない、でしょ、」
「はぁ、?」
「それに、あなたを相手にするより、あの人といる方が、何倍も、楽しいよ、 」
「お前っ、!あいつの迷惑だろ!」
「っ、!」
迷惑…迷惑、、?
「めい、わく、?」
「そうだよ!あいつ、受験生だろ?お前なんかといて迷惑でしかないだろ!」
「…」
迷惑。確かに迷惑かもしれない。受験の邪魔に、迷惑になりたくない…
「だから俺の相手してろよっ!」
ボコッ
「い”ぁっ、!」
「何しとるん?」
「ぁ、」
みこちゃん、、!
「っ、先輩…」
「すちくんに手あげて、」
「それは…」
「すちくん、行こ」
「あ、はい、!」
よかった…助かった、でも…疲れたなぁ、
楽しいけど、辛いこともいっぱいあるし。それに、みこちゃんに迷惑かけちゃってるから…これ以上は迷惑かけたくない…受験の邪魔になっちゃう…それだけは本当になりたくない、
「すちくん、大丈夫、?」
「ぁ、うん、!大丈夫、!」
「すちくん、いじめられとったんやね、」
「う、うん、!でも大丈夫、!」
ほんとは身体中痛いけど、迷惑だよね、たいしたことないし、大丈夫大丈夫。
「そっか、?なんかあったら言ってな!」
ポンポン
「ぁ、ありがとうございます…//」
み、みこちゃんから頭ぽんぽんされちゃった、、。
「あ、俺そろそろ、」
「おけ、!じゃあまた、!」
「うん、!」
もういいんだ。俺の気持ちをずっと否定していたけど、やっぱりみこちゃんが好きなんだなぁ、でもこの恋は、絶対に叶わない。
そう思いながら俺は海へ向かった。
[みこと視点]
すちくんと別れたけど、いつもすちくんあっちじゃないよな、?
…着いていこっかな、
タタタッ
海、、?なんで海なんか…。
ぁ、すちくんの歌声…
「〜〜〜♪〜〜」
やっぱ、上手やな…すちくんの歌声、透明すぎる声がいつか、消えてしまうんやないかと不安にも思う。
夏の暑さで、その声が解けてしまいそう。
そう思っていると突然すちくんがスマホを取り出した。誰かに連絡をしているようだった。その後、靴を脱ぎ始めた。俺は疑問に思ってすちくんのとこに向かおうとした。その後すぐ__
『みこちゃん、今までありがとう。』
と、連絡がきた。すちくんがなにかよくないことをしようとしているのに気づいて、俺は今までにないほど全力で走った。
[すち視点]
海で死ぬって、なんだか神秘的かもなぁ、
なんでこんな海は綺麗なのに人は汚いんだろうなぁ。
そう思いつつ海に足を入れた。夏で暑かったため足が冷たくて気持ちよかった。この海、みこちゃんと…、なんて、叶うわけないよね…
もう、俺は死ぬんだな、海の奥へ歌いながら向かった。
バシャバシャッ
「…」
だれだろうなぁ、なんて考えていると、
ギュッ
「へっ、?」
突然、誰かに抱きしめられた。
「すちくんっ、!」
「みこちゃん、!?」
「すちくん、!なんでこんなことっ!」
見られちゃった。死にたがる姿なんて見られたくなかったのに。
「…」
「すちくんっ、!」
「っ、だ、だって…毎日、いじめられるし…みこちゃんに、迷惑かけてるから、ポロポロ」
「…迷惑なんかじゃないよ、それに、いじめ、辛かったな、お疲れ様。次からは俺が守るからな、」
「うぅ、ポロポロ」
迷惑をかけたくないはずなのに涙が出てくる。泣いたら迷惑なのに。
「今度からは頼って、ね、?」
「…ぅん、ポロポロ」
その日からまた、みこちゃんとの関係が深まった気がした。
みこちゃんの家にお邪魔した時、ドラムがあるのに気づいた。
「あれ、みこちゃんドラム持ってるんだ、」
「うん、俺もともと軽音部入ったったし、」
「そうなんだ…」
意外だった。みこちゃんは軽音部と言うイメージがなかったため少し不思議だった。
「すちくんはなんの部活?」
「えっと、美術部に、」
「ほぇ〜、!そうなんや…!すちくん絵上手やもんね!」
「そうかな、?//」
みこちゃんに褒められて少し恥ずかしくなってきた。
「ぁ、すちくん、!」
「ん、?」
「俺ドラム練習しとるから聴いてくれん、?」
「うん!聴きたい、!」
「!ありがと、!」
〜〜〜♪〜〜〜✨
綺麗だった。ドラムはもっとこう、騒がしいイメージがあったためドンチャカする物だと思っていた。みこちゃんの性格なのだろうか。
綺麗な音で耳に残るような音が、好きだった。
「…どうやった、?」
「上手だった、!」
「よかった、、!」
その安心する顔が好き。
「あ、俺、すちくんの絵見たいなぁ、」
「えっ、?」
「ぁ、いや、!すちくんの絵上手やからそれ参考したいなって、」
「あ〜、なるほど、、!」
「んー、紙とシャーペンある、?」
「あるよ!」
「それ貸してくれない?」
「おけ、!」
「はい、!」
「ありがと」
「〜〜✨」
「…ふふ、そんなに、? 」
「やって…!すちくんが絵描くとこ楽しみで、!」
「そっか、w」
描くものが思い浮かばなかったため、少し恥ずかしいがみこちゃんを描くことにした。
「うぇ、?これ人…?」
「うん」
「ムスッ、)誰描いとるん…?」
「内緒」
「すちくんの意地悪(プクッ」
可愛い。ほっぺを膨らませるのが可愛かった。普段はかっこいい分、可愛い一面を見ることができて嬉しかった。
「できた、?」
「うん」
「…その人誰、」
「ぇ、分かんない、?」
まさかの分からないとかえってきた…そこまで下手かな、、。でもみこちゃんのかっこよさは流石に表せない…
「えっと、みこちゃんなんだけど…」
「うぇ!?俺やったん、!?」
「う、うん…」
「俺こんなイケメンやない…」
「え、いや、イラストで表せなかったかっこよさだよ…?」
「うぇ、!?////」
なんでそんな驚いてるんだろ、?
「い、今、俺のことなんて、、?//」
「…ぁ、///」
く、口に出ちゃった…か、かっこいいって…//
自分の発言を振り返るとだんだん顔が熱くなってきた
「〜〜!//すちくん、!」
「ぅぁ、はい、、!//」
「好き!」
「ぇ、?///」
スキ、すき…好き、!?
え、みこちゃんが、俺を…?
「すちくん、俺はすちくんのことが、ずっと好きでした!もしよろしければ付き合ってください、!///」
[〇〇視点]
あれからすちとみことは付き合って、毎日幸せなんだって。 毎日イチャコラしやがって!
…まあ、それがみこととすちか、!
「んじゃ、会議始めるぞー」
「あれ、?すちくんは?」
「ぁー、今すちくん、寝とるよ、?」
「起こして来いよ、」
「起こしても多分会議参加できひんよ?」
「なんでだよ、」
「やって、昨日…」
「あー、(察し」
「みこと…漢になったな…」
「俺はずっと男やって!」
「www」
こんな風に、幸せなんだって。
いつもと変わらない毎日、なんてつまらない。
いつも辛い毎日、なんてもうあいたくない。
互いが互い、違う辛さに出逢った想い。
いつもと違った毎日。
いつも幸せな毎日。
これを掴むのは、自分自身。
恋をした青年。
それを掴むためのちょっとした努力を続けた。
そして今、その恋を掴めた。
あなたはどうやって、
“いつもと変わらない毎日”
“いつも辛い毎日”
から抜け出しますか。
あなたはどうやって、
“恋”を
掴みとりますか。
続き♡〇〇??
コメント
1件
めっちゃ感動しました!変わらない毎日を過ごすのも辛い毎日を過ごすのもどちらも苦しいんですね…