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芥川が体を洗い始めて数分後────、


「中也さん、できました」


何処か達成感のある顔でそう云った芥川。未だ黒ずんでいる体を見て、俺はまた深い溜め息をついた。

タオルの使い方は教えたが、力加減が難しかったようで。


……矢張俺がやることになるのか。


「ホラ、芥川。タオル貸せ」

「?」


芥川からタオルを貰い、ごしごしと汚れを落としてやる。洗っていく内に、本来の真っ白で綺麗な肌が見えてきた。

所々に傷が有るのが気になるが、ちゃんと手当てすれば直ぐに治るだろう。

擦っていると、時折くすぐったいのかぴく、と震える。其の動作が小動物の様でくつくつと笑った。可愛い、という思いと同時にわき上がってくる加虐心を理性で如何にか押さえつける。


「芥川、気持ち好いか?」

「ん、はい……」



芥川は目を緩く瞑って体を俺に預けており、本当にリラックスしているらしい。


────嗚呼、如何してこんなにも無防備なんだ!!


俺と一緒に入っていることで安心して呉れていることは素直に嬉しいと感じるが、悶々とした気持ちも有る。

邪な心が暴走する前にと、芥川の体を急いで、然し丁寧に洗う。此処で襲ってしまったら、もう最低どころの話では無い。俺は芥川を傷付けないと誓ったのだ。




洗い終わった芥川が鏡で自分の姿を見て驚く。自分の肌がこんな色だとは思いませんでした、と目を輝かせている(他の奴には判らない位の変化だが)芥川を見て、俺は得意気に笑った。






風邪を引かないように確りと乾かした芥川の髪はさらさら、ふわふわとしていて迚も触り心地が好い。暫く堪能して、そういえば、と思い出す。

一寸待ってろ、と俺の机の上に置いてある紙袋を取りに行く。戻ってきた俺の手には、前の世界で芥川が着ていた服。

そう、前の世界で芥川の正装に、と太宰が選んだ服である。


「彼奴が選んだッてとこは最高に気に入らねェが、彼の服、芥川に似合ってたからなァ……」


と、ぶつぶつ云いながら芥川に着せる。芥川は首を傾げていた。


「おし、出来たぞ。どっか苦しい所は無いか?」

「否、大丈夫です」

「其れは善かった。他の服は今度一緒に買いに行こうな」


そう話していると、急にドアが凄まじい音を立てて開いた為、芥川が驚いて俺の後ろに隠れてしまった。

ドアを思いっきり開けやがッた犯人は────、



「オイ、クソ太宰ィ……ドアは静かに開けろって云ったよな??」

「そんなことは如何でも善いじゃない!!そんなことより、君、子供を拾ったって本当かい!?」

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