TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
シェアするシェアする
報告する



☃視点


『先生この本読んでもらえませんか??』


僕がいつも通り診察をしていると

おんりーにそう言われた。


☃「もちろん。よろこんで!!」


あの日お気に入りの本だと

嬉しそうに話していた本だ。


おんりーは寝たまま

僕の顔を見てにっこりと口角を上げた。



僕はベットの横にイスを持ってきて

椅子に腰掛ける。



☃「青いバラは

夢を叶えてくるという噂がある。


きっと僕の夢も青いバラがあれば

きっときっと叶うのだと思う。


これは一人ぼっちの僕が

夢を叶える物語。












誰にも愛されず

気づけば一人ぼっちだった僕は

青いバラを探す旅を始めてから

たくさんの人に触れた。


街で出会ったおじいさんは

何もわからなかった僕に

この街で生きるすべを教えてくれた。


森で出会った冒険家は

道に迷っていた僕に

手を繋いで大通りに連れてってくれた。


次の街で出会った同い年の女の子は

怪我をした僕に

優しく治療をしてくれた。


やっとの思いで見つけた青いバラは

美しい宝石のようだった。


僕はこの旅を通して

人に触れ愛を知り夢を叶えた。



そんな僕の夢は

人を笑顔にすること。」


僕が読み終われば

おんりーは嬉しそうに


『先生ありがとうございます。

とってもよかったです。


大好きな本を

大好きな人に読んでもらえて

自分は最後の最後まで幸せ者です。』


おんりーはそのまま話し続けた。


『最初先生のこと信じられなくて

毎日が辛くてしかたがなくて

はやく楽になりたいと思ってました。


けど先生と一緒にいると楽しくて

病気なんて

治ってしまうんじゃないかと思いました。


…治ってほしかったんです。

分かっていたのに信じてたんです。


病気が治ってまた先生の隣で

外に行きたかったんです。


自分の足で歩いて

ずっと先生と居たかった…。


自分は最後の最後まで

先生と居られて幸せでした。』


目から大粒の涙を流すおんりーに近づき

涙を拭き取ってあげる。


☃「僕はおんりーに

出会えてとてもよかったよ。


僕も毎日が楽しくて

ずっと続けばいいと思った。


なんとか治せないかと

必死に治療法を探した。


…けど見つからなかった。


大好きで大切な人を

僕は守れなかった。


…ごめん…。」



『先生謝らないでください。

これは運命ですから。


…先生。大好きです。


…本当にありがとうございました…。』



そう言っておんりーは目をつぶった。








☃「おんりー僕も大好きだよ。」


手の甲にそっとキスを落とした。








残り0日。







〜僕とお話しませんか END?〜


僕とお話しませんか

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

3,075

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚