ここは『人族』『獣人族』『魔族』『天使族』などなど…様々な者達が暮らす世界。
勿論、魔法や剣などと言う物も存在している。私が言うのもなんだが”何でもアリ”というやつだ。
今から君達が眼にするのは、そんな世界でたった1人記憶も何もかもを失った青年が旅をし、良き出会いも悲しきことも経験しながら成長し、記憶を取り戻して行く物語だ。
どうかあたたかい眼で見守ってやって欲しい…彼らの紡いできた記憶と運命を…。
そうすれば私のこともいつか知ることになるだろう…。
おっと、話しすぎてしまったかな?
安心して欲しい。私はいつだって君達のことも彼らのことも見守っているから。
ではまた…物語の終焉で会おう…!
『君達に神々の祝福があらんことを…。』
ふわりと香る花々の優しい匂い…頬をかすめるくすぐったい草の葉…。風に揺られながらも一面に立派に咲く花々の中に1人の人族の青年が寝ていた。
「ん……ここは…。」
眠りから覚め、ゆっくりと身体を起こしながら周りを見渡す。誰もいないどころか生物の気配すら感じられない。
「あら?目が覚めたのね。良かったわ。」
背後から女性の声が聞こえ、慌てて振りかえるとそこには宙に浮いた長い白髪と赤い瞳をもった美しい女性がいた。
「…ごめんなさい。驚かせちゃったかしら?」
青年が驚いた様な表情のまま固まってしまったのを見ると心配そうに青年の前へ膝をついて座り、顔を覗き込む。
「え、あ…いや…。大丈夫…です。」
青年が慌てて返事をすると女性が小さく笑う。
「ふふ、精霊族を見たのは初めてだったのかしら?」
「精霊族…?って何ですか?」
予想外の反応が青年から返ってくると女性は一瞬、目を見開いた。しかし、直ぐに先程と同じく微笑むと優しく説明する。
「私達、精霊族は自然と共存している種族よ。魔法でも魔術でも無い”精霊術”を扱うのも特徴の1つね。」
女性は少し考え込む様にして顎に手を添えていたが、小さく頷くと再び口を開く。
「自己紹介がまだだったわね。私は無の精霊…ペリーレ・ニールよ。」
青年は少しの間ポカンと驚いた表情していたが、慌てて自分も自己紹介をする。が、何も思い出せない。
「俺は…えっと…俺は…何なんだろ…。」
女性が首を傾けながら優しく問う。
「自分が何者か分からないの?名前すらも?」
青年がしばらく思い出そうと目を瞑り、眉間にシワを寄せながら考えていたが、何か思い出した様にハッと目を開く。
「名前…名前だけなら…。」
「フィーニス・イニティ…だったはず…。」
ペリーレはニコッと静かに微笑むと片手でフィーニスの頬を優しく撫でる。
「そう、良い名前だわ。その名前は絶対に忘れては駄目よ?」
「さて、自己紹介も終わったわけだし、私がフィーニスを拾った時のことを話そうかしら?」
今回は一旦ここまで!
この話を見てくださりありがとうございます。
出来る限りこの作品は続けていけたらなと思っているので、良ければ次回も見てみてください。
あ、あと…常にネタ不足なので、「こんなキャラ登場させて欲しい!」などあれば気軽にコメントして貰えれば要望に応えていこうと思いますので、よろしくお願いします!
では、また次の話で。
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