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『なにぼーとしてるんだよ。』『ごめん,って中也なんで家に?』
『お前が誘ったんだろうがなに考えてんだよ?』
『ごめん,ちょっと昔のことを考えていただけ。』
春になると思い出す春だとというのに溶けかけの雪や桜や梅など植物が咲いていない私の街となぜかこの時期になるとする少し鼻を刺激するツーンとしたなんだか懐かしい匂い、そして彼のことを。私は散歩をしながら兄と懐かしの話をしながら盛り上がっていた。
『兄ちゃんはさ彼女作るの早かったよねぇ。中一で作ったなんか早すぎるよ。私まだ高一なのに恋人すらできたことないのに。ずるい。』
『お前がさ一樹のこと諦められないのはわかるけどさそのことで誰かと付き合っても一樹のことは忘れられないと思うよ、それに付き合ったとして,お前も相手も傷つくだけだと思うよ』
『…』
彼とは一樹君のことだ。彼も生きたいたならこの景色を見ていたのかなと想像してしまう。
今でも彼と出会ったのは小学生のときだった。兄が一緒に登校しようと言い出したのが始まりだった。最初は兄の友達だからといっても私からしたら何も知らない人、他人だ。だから一緒に登校するのは嫌だった。でも彼は私があまり喋らずに行っても気まずい顔や雰囲気をしないし、彼は私が転んだ時は荷物をもってくれ、自然と好きになっていった。彼は運動神経にして人間性にして頭の良さにしても有能で、周りから好かれていた。私はただそれを目で追っていることしか出来なかった。でも私何も出来ずにいた自分が嫌だった。私が小5の春のある日だった。この日が彼らとの全盛期だったのかもしれない。たまたま近所の自販機を通りかかったときだったそのときはのどが渇いていたので下校中にも関わらず自販機で立ち止まってしまった。家に帰ったらお小遣いをもってきて買いに行こうと想像しながら自販機を通りかかった彼が話しかけてきた。
『三ツ矢サイダー美味しいよね。今帰り?』
『うん。』
『おごるよ。』
『いいの?ありがとう。』
『ねぇよかったさこれから桜見に行かない?』
『うん、いいよ。』
彼と最近流行りの曲の話をしながら桜の木につくと
『桜咲いてないね。』
『咲いてないけどさ春になる独特な匂いがするよね。』
『春に匂いとかするの?』
『うんするよ。』
『私も嗅いでみたい』
『無理じゃねいのお前、鼻良くないし。』
『くぅ、悔しいけど否定できない。』
『そこは否定しろよ。』
『でもそういうところが。』
『いまなんていった。』
『嗅覚だけじゃなくて聴覚も悪いのかよ。』
『なんか悪い?』
『いや。』
『来年もこれる?』
『冷たいこと言うなよ。これるとかじゃなくて行こうぜ。』
『そうだね。』
『そろそろ帰るかー遅くなったら怒られるしね。』
『このあいだ怒られてだよね笑。』
『よーし帰るぞ。』
『え、無視笑。』
『せっかくサイダー買ったし飲もう。』
『うんそうだね。』
ソーダの缶を開ける少し歩いてふられたのかソーダがしゅわしゅわと音をたって吹き出した。
勢いがよく顔にかかってしまった。
『ごめん手が滑って振っちゃだよね。』
と彼は笑いながら謝る。
『まぁもう一本あるし飲もうぜ。』
『え、でも一樹君どうする一本しかないじゃん。』
『半分ずつ飲めばいいだろ。』
『間接キスじゃん。』ボソ
『なんかいった。』
『いや何も〜』
『なんか怪しいな。まぁいっか。』
夕焼けの日に照らされたせいなのか彼の黒髪も茶髪に見え、そしてソーダの味もいつもよりしゅわしゅわしていて少し甘酸っぱいかった。
『中学校になってもこうやって一緒に歩いてくれる。』『もちろんだ!!』
だがその後私たちはその桜の木を見ることはなかった。
三年後私は中二彼は中三になった。あれから彼には好きな人や友達ができ、私たちは話さなくなった。彼の好きな人は梅先輩と言って同じ部活の人で、頭もよく、スポーツもできる。非の打ち所がないがなく、私には到底叶いようがない。彼は、彼女と居るときは楽しそうで、彼女となんだかカップルみたいだ。前はこんな感じじゃなかったのにと思いながらため息をつく。
『はぁ。』
『なんだよため息なんかついて、てかお前でもため息なんかつくことあるんだな。』
コイツは中也だ。いつもなぜか声をかけてくる。
『なに。』
『悩みなら聞くぜ!』
『悩みなんかないよ。』
『お前最近ずっとそうだぞ。』
『あんたに関係ないだろ。』
『今日暇?』
『暇だよ。』
『じゃさ今日遊び行かない。』
『考えとく。』
『おk行くのね。』
『まだなんもいっt』
『まあまあ。』
『じゃ俺教室戻るわ。』
『待っt』
『嗚呼,行ってしまった。』
放課後、私は中也のいる教室に向かった。
『お〜い、中也いる?』
『来ないかと思ったわ。遅いけどなんかあったの。』
『委員会だよ。』
『なんだ言ってくれよ。』
『中也がすぐに教室に帰るからだよ。』
『そういえばどこに行く予定なの。』
『ええ〜決めてない。』
『適当にブラブラしようぜ。』
『いいよん。』
『そろそろ帰る?』
『その前にちょっと待って。』
『ん。』
『え。三ツ矢サイダーじゃん。てかなんで私の好きなもの知ってるの?』
『お前よく自販機でサイダー買うじゃん。』
『ありがとう。』
だがそこに彼と梅先輩が手を繋ぎながら、笑顔で歩いている。なんだか梅先輩に彼を取られたみたいだ。気づいたら涙が出ていた。
『お前だいzy』
『ごめん帰る。』
気づいたら泣きながら走っていた。
翌日私は学校に行かなかった。そしてその翌日もその翌日も私は学校に行かなかった。理由は簡単だ。ただ単に今はこの間の件を誰とも話したくないのと梅先輩と一樹君が付き合ったという事実を知りたくなかったというなんともくだらないな理由だ。家族は心配していたが私は学校に行かない理由を家族に話せなかった。
『ねぇねぇ部屋から出でこいよ。お前何日部屋に籠る気だよ。』
『い〜や〜だ。』
『じゃあ、ゲームのカセット捨てるよ。お前籠ってばかりだたら健康に悪いよ。』
『はぁわかったよ。』
『じゃあ散歩行ってこい。ついでにおつかいも。』
『ええ〜嫌だ。』
『わかっt』
『はや、行ってきますますぐらい言えよなまったく。
そろそろ帰るか。
『ねぇ今帰り?』
『うん、って一樹君?』
『よ!』
『てかさお前さ、恋愛詳しかったりする。』
『え。』
『まあまあいいからいいから。』
本当は嫌だったが聞くことにした。
『俺の好きな人さ好きな子いてさ』
まだチャンスがあるんじゃないないかと彼の好きな人の話を真剣にしたいるのにその事実にラッキーだと思ってしまう自分が最低だと思ったと同時にこれ以上聞きたくないなと思ってしまった。理由は自分が傷つくのが嫌だからだ。
『三ツ矢サイダーが好きでさ、同じ学校なんだよね。でさその子のさ好きな子が中二でこないだ好きな子にサイダーあげてた人で…』
『ごめん、用事思い出した。』
私はまだ彼が話したそうだったがそれを遮ってその場から逃げ出した。気づいたら涙を流しながら走ったいた。その瞬間だった私は何が起きたかわからないかった。とても体が重く生暖かい液体が体の周りを覆っている。なんだか周りが騒がしいが周りの音も何が起こっているかもわからず、私は目を開けた。目を開けると彼が私を庇って車の下敷きになったいた。生暖かい血が流れていた。私は彼の手を握り話しかける。
『一樹君、起きたよ、ねぇねぇお願いだから』
彼が目を覚ます。
『ねぇ聞いて,俺さ,はぁはぁ』
『…のこ…と……』
その瞬間だった彼の手が地面に落ちる。
『ねぇ,嘘でしょ。先みたいに目を覚ましたよ。ねぇ。』
『起きろよ。』
『お前自分からデート誘ったくせに、ぼーとするし寝るし,さいてー。』
『またこの夢か。』
『春の匂いがするがあの日の匂いでは気がするな。』
『おい聞いてるのかよ。』
『ごめんって,笑笑。』
あれから数年私は大学生だ。毎日彼のお墓に行くのが日課だ。中也と付き合い始めてからはこの夢をほぼ毎日見る。だがこの夢を見た後はこの夢のことを話すと大体中也のため息をつき何故か夢で兄が言っていたことが刺さってしまい、あの後どうすればいいか今でも考えてしまう。私はこの夢を毎日見るが彼が最後に言った言葉を覚えていない。
思い出したい『I want to remember your word someday 』