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AK@アキ
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#ミステリーかもしれない
ねぎとろ
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#何かがおかしい
夢喰【文月村】
141
もし貴方が、まだこの世に存在していたのなら。
もし、貴方が█████に呪縛されていなかったら。
あの時を思い出すたびに、私の鼓動はドクドクと激しく波打ち続ける。
───私が代わりに呪縛されていれば、世界は変わっていたのだろうか。
七年前の、とある休日の昼下がり。静寂に包まれた邸宅に、本の紙が擦れ合う音だけが静かに響いていた。
大きな革張りのソファに腰掛け、私は近所の市立図書館で借りた本のページをめくる。読書に没頭するあまり、下唇を軽く噛むいつもの癖が出ていた。
「リリス」
ふと、背後から声をかけられた。顔を上げて振り返ると、そこには冷徹な佇まいで立つ母の姿があった。
「お母様、どうかされたのですか?」
私は本を閉じ、ソファから立ち上がる。ほんの少し乱れたベージュ色の長い髪を、癖づいた動作でそっと指先で整えた。
「どうかしたのか、ではないわ。リリス。また無断で外出をしたでしょう」
わざとらしいほど大きなため息を吐き、母は私を見下ろした。
「いえ、お母様は執務でお忙しそうでしたので。お父様に外出の許可を───」
言い終えるより早く、母の右手が閃いた。
鋭い風切り音の直後、私の左頬に凄まじい衝撃が走る。激しい平手打ちの音が、静かな部屋にパチンと虚しく響き渡った。
肌が焼けるように熱い。
私は思わずその場に頽れそうになるのを、必死で堪えた。床に落とした図書館の本が、哀れにページを歪ませている。
「お父様に、ですって? 許可を出す権限が、あの男のどこにあるというの」
母の凍てつくような視線が、私を突き刺す。その瞳には、娘に対する愛情など一滴も含まれていなかった。
「あなたは私の人形。私の所有物。許可を与えるのは、世界で私ただ一人よ。……分かったら、さっさとその薄汚い本を片付けなさい。次はないわよ」
冷たい足音が遠ざかっていく。
一人残された部屋で、私はズキズキと痛む頬を抑えながら、ただじっと床を見つめていた。衣服の擦れる音さえ、今の私には酷く恐ろしいものに感じられた
コメント
3件
やっばい一話目からとても私好み(?)でLOVE
あの男と言う言い方からしてお母様にとってお父様のことを今はあんまりよく思ってないのかなぁ。なんか良い離別ではなかったんだろうな 娘への執心を見るに逆にもうそれしか残ってないとかお母様にもなにかありそう。それに巻き込まれている娘ちゃんは不憫だけど
みぅです、読ませてもらいました🥀 冒頭の「もし貴方がまだこの世に存在していたのなら」——この一文からもう引き込まれました。「私が代わりに呪縛されていれば」って言葉、すごく心に刺さる…誰かを想うあまり自分を犠牲にしたいっていう純粋で歪んだ感情、すごくリアルに伝わってきた。 それと母親の「あなたは私の人形」っていう冷たい台詞、読んでるこっちまで息が止まるようだった。リリスの無意識の仕草(下唇噛む癖とか髪を整える動作)が、彼女の繊細さを静かに物語ってて好きです。続きがすごく気になります…!ゆずさんの描く世界、もっと深く潜りたいです🌙