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先生と俺の日々

9 - 第9話 ただいまを迎えてくれる人

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2025年10月17日

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「おじゃまします···」


「なんでピンポンしておじゃましますなんだよ、鍵の意味」



夜帰ってきた先生にそう詰めよるとへへって笑って一応、なんて言っている。



「やり直し、ほら」


「若井くん厳しい···。ただいま」


「おかえり」



嬉しそうに笑って着替えてくるねって手を洗ってから部屋に行ったけど、よくよく考えたら服とかあるんだろうか?自分の部屋着を持ってドアを開けると先生は上半身裸で着替えていたところだった。



「ごめん!服無いかもと思って持ってきただけで覗くつもりは···」


「貸してくれるの?あんまり無くて困ってたから助かる!何から何までありがとう、明日は週末だからちゃんと買いに行くね」



先生は裸のまま恥ずかしがる様子もなくおれの服を受け取る。


そうだよな、男同士だし何をそんなに慌ててしまったのか少し恥ずかしい。


そのままズボンも脱いで俺の服に着替えると脱いだスーツをハンガーに掛けている。



「···なんでも必要なものは言って」


「ありがとね···本当に若井くんは優しいね」



ポンポンと頭を撫でられたけど、やめろよとかうっとおしいとか···そんな気持ちは全くなくて今はなんだかくすぐったいような気持ちになった。



「夜ご飯!食べよ、野菜炒め作った」


「ほんとに?うわぁ、嬉しい!」



2人で一緒に食べて後片付けは先生がしてくれるというので任せて洗い物をしている先生の背中をチラチラと見ながら宿題をした、エプロンがなんか似合うな、なんてぼんやりかんがえたりしながら。




寝る前になって先生はお金のことを話してきたけど家賃はいらない、と俺は言い張った。そのかわり休みの日の料理とか朝食とかは交代で作ったり掃除とかも手伝ってもらうことにした。


あと電気代とかは前の月より増えた分は貰うことにして、一応親には知り合いがこういう事情で暫く泊まると報告しておく、ということで話がついた。



「別にいいのに」


「だめです、僕が気になるの」



確かに暫くいるならこういうことはちゃんとしておいたほうがいいのかもしれない。



「けど本当にうれしいよ···服まで貸してもらって。明日買い物に行こうと思ってたから」


「まぁ一気には無理でしょ、部屋着とかなら貸せるから···無理はしないで」


「ありがとう···あ、タオルとかはそのまま借りていい?」


「もちろん、嫌じゃなければ」



ほっとした顔、目尻が下がって本当に良かった、って顔してる。



この人実は、甘えるのとか頼るの下手なんだろうな···ふにゃふにゃ笑って甘えられて嫌な奴なんていないだろうに。


いつものお返しと、立ち上がって先生の頭をポン、と撫でる。



「風呂先に入ってきてもいい?」


「もちろん!あ、一緒に入る?背中流そうか?」


「なっ···なにいってんの、1人で入るから!」



そう?と不思議そうな顔してる先生を置いて風呂場へいそいだ。

入れるわけないじゃん、変な事言うなよ···!裸をチラッと見ただけでなぜかドキッとしたことを思い返す。



人と入るとか裸の付き合いとかがないからそんなこと言われてびっくりしただけ。



···ただ、それだけだよな?



なんだか最近やたらとドキドキしたり幸せだったり心配したりと心が忙しい。


原因はきっと藤澤先生、なんだけと···その理由はわからなかった。


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