テラーノベル
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「現在、渋谷区にてマスカレイド災害が発生しています。一般市民は直ちに避難をしてください。 繰り返します。現在……」
10月31日 ハロウィン。
世界中が仮装やコスプレで賑わうこの日、人々はもう一つの顔を知っている。
仮装に込められた強すぎる感情や願望が理性を侵食し、人を怪物に変え暴走を引き起こす災害……
怪物に変化した人は**《ロスト》**と呼ばれ、場合によっては街ひとつ破壊する。
「ロストだ!」
「みんな逃げろ!」
「誰でもいいから早く**{ 百鬼機関 }**を呼べ!」
人々の悲鳴や、駆けつけたパトカーや消防車・救急車のサイレンが街中に鳴り響く。
スクランブル交差点の真ん中には**狼男の仮装をした巨大な怪物**が咆哮を上げ、信号機をなぎ倒している。
誰でも感じ取れる強力な殺気を放ち、正気を失っているのであろう口からはヨダレが垂れている。
誰もが逃げる中…… たった一人だけ怪物に向かって行く少年がいる。
「うーん……鋭い牙。逆立つ毛並み。威嚇するような姿勢……なんか違うよなぁ」
ブツブツとつぶやきながら持っていたトランクを下ろし、服のポケットからメモ用紙を取り出し右手に持っている鉛筆でサラサラと模写をし始める。
「怒りでもないし……憎しみにも見えない……あれは·····寂しさか! 」
モヤモヤが解決したのか少年は喜び、怪物スケッチを書き上げ、かがんで下ろしたトランクを開ける。
トランクの中には**色々な仮面と小道具、少しの衣装**がパンパンに詰め込まれており、少年は
「ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪
か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り♪
お・べ・べ・の〜〜べ!」
と言いながら指を指し、ひとつの仮面と小道具、衣装を取り出す。
「さて、君のそのデザイン(人生録)を見せてもらおうか!Trick or Treat!」
その瞬間、青年はスポットライトで一点に照らされるように輝き……姿を変えた。
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