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M.S🦊🎧
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gr×tn R18
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冷たい床の感触にトントンはゆっくりと目覚めた。いや正確には瞼を開いても闇しかなかった。全身を駆け巡るのは疲労と妙な寒気、そして四肢が固定されている感覚。
(なんやこれ……完全に縛られとる)
ギシギシと音を立てる金属の枷。手首には冷たい感触。目隠し越しに感じる微かな光さえ届かない漆黒の世界。
(いつもの執務室やないな……どこやここ)
鼓膜に刻まれる静寂を破るように遠くで何かが滴る音。ぴちゃん……ぴちゃん……水滴? それとも……
「っ……」
息が詰まった。突然の異変に全身の神経が研ぎ澄まされる。この閉鎖空間の奥底から湧き上がる恐怖。誰かに監禁されたのか? もしかしてガバったのか?
(アカン……冷静になれ)
トントンは自身に言い聞かせた。呼吸を整え五感を働かせる。漂ってくるのほどこか嗅いだことのある独特な落ち着いた香り——
(あれ? この匂い……どこかで)
思考が混乱する間にも身体は警鐘を鳴らし続ける。皮膚にまとわりつく違和感。視界を奪われた状態での感覚過敏は異常なまでだ。耳の奥がザワザワと騒ぎ立てる。足音が微かに——
コツ……
(来る……!)
コツコツ……
トントンの心臓が跳ね上がった。ゆっくりと接近してくる靴音。規則正しく静かな足音だが、確実にこちらを目指している。
コツコツ……コツコツ……
距離が縮まるにつれ足音が鮮明になる。床材は大理石か。
(いや待て……この足音……まさか)
突然音が途切れた。すぐ傍らで誰かが立ち止まった気配。軋む寝台のスプリング。布団が沈み込む重み。
「っ……!」
反射的に肩が跳ねた瞬間——
「ん、?」
聞き覚えのある低い声。そしてあの匂い。間違いない。
(グルッペン……!)
張り詰めていた緊張が一気に弛緩する。安堵で胸が熱くなった。
「グルさん?これはなんの悪戯ですか? 早くこれを外してくれへん? 怖くて——」
訴えを遮るように重々しい溜息が落ちてきた。
「まったく……あれほど無理して徹夜するのはやめろと言ったのになぜ聞かない」
硬質な革の軋む音。グルッペンが腰を下ろす振動が寝具を通じて伝わってくる。低い呟きが耳朶を撫でた。
「言うことを聞かない悪い子には——」
冷たい空気が一変する。
「——お仕置きだな」
嗤うような声色。背筋に氷の刃が走った。次の瞬間——
ふぅーー
耳朶に生温かい呼気が押し当てられた。
「ひっ——!」
予期せぬ接触に悲鳴が漏れる。視界ゼロの状況下での聴覚刺激はあまりに凶暴だ。
「どうした?」
楽しんでいるような囁き。同時に柔らかな息がなん度も吹き込まれる。
「ひっ……やめ……!」
抗議の声は上擦り歯がかち合う。耳介を滑る吐息の湿度が脳髄を痺れさせる。耳たぶの付け根をくすぐるように追撃が始まった。
ふー……カリカリ……
爪先が耳を軽く弾く音。
すり……すりすり……
柔肌をなぞる摩擦音。
「ひっ……んッ……!」
意志とは裏腹に肢体が弓形に跳ね上がる。視覚を奪われたまま未知の攻撃に晒される恐怖と愉悦が交錯し理性が崩壊寸前だ。
(アカン……おかしな声が出る……!)
歯を食いしばろうとしても声帯が勝手に震える。荒い息遣いと唾液の絡まる音だけが反響する密室。
「仕置きで感じているのか? 淫乱だな♡」
嘲笑に近い囁きが追い打ちをかける。
「ちが……違ぉ……っ!」
否定しようとした唇を甘噛みする吐息。
はむっ
ぐちゅ……ぐちゅ……♡
「んぁっ……アッ……あ゙ぁ゙っ……!!♡」
衝撃的な水音と同調するように嬌声が爆ぜる。両耳を塞ぐように掌が押し当てられ頭の奥で耳を舐めらている水音が響く。
ジュボッ♡グヂュ……グチュグチュ♡レロォ……ヂュルン♡
「ひっ……! やめっ……何して……っ!!♡」
喘ぎと懇願が重なり合い言葉にならない。脳幹を直接浸食する泡立つような快楽の渦。
ぐちゅ♡ぐちゅぐちゅ♡あぐあぐ♡れろ♡ぐちゅ♡
「んぁっ……アッ……頭ん中っ……おかしなるっ……!!♡」
耳管に絡む舌肉の蠕動音が容赦なく加速する。空いた口から溢れる涎が顎を伝った。縛られた手首が枷を引摺り悲痛な金属音を奏でる。
ガチャン……ガシャン……
「ふふ……良い声だな」
恍惚とした囁きと共に左耳への愛撫が最高潮に達した時——
カプッ♡
鋭い牙の感触と同時に閃光が脳内を貫いた。
「ンア゙ッ……!!」
絶叫。一拍遅れてあそこから溢れ出た熱い迸りが下着を汚す。崩れ落ちる意識を支えるように硬い腕が頭を抱き寄せた。
「まだまだ終わりじゃないゾ」
耳元で悪魔の宣告。汗で湿ったシャツ越しに乳頭を探り当てる指先。爪が突起をカリカリと掻き毟る。
カリッ♡カリッ♡カリッ♡
「あっ……はぁ……! やっ……それ嫌ぁ……!」
羞恥で顔面が沸騰する。腰が勝手に跳ね上がり新たな快楽を求めてしまう浅ましさに泣きそうになる。視界を奪われたままの官能は中毒性がありすぎた。
(アカン……こんなの続けられたら狂う……!)
しかしトントンの口角からは無意識に唾液が垂れ落ちる。酸欠寸前の唇が餓えた金魚のようにパクパクと開閉する。
その隙を見逃さないグルッペン。指先で顎を掴み強引に開かせる。
そして口内へ熱い舌肉がねじ込まれた。
ちゅっ♡ぐちゅ♡ヂュルルルル♡
ぐちゅぐちゅ♡じゅる♡ぐちゅッ♡ヂュルル♡
両耳を掌で完全密閉され脳内で快楽音波が反響する極限状態。視界ゼロの状態で最も原始的な欲望だけが剥き出しになる。
(こんなん無理や……溺れる……っ!!)
粘膜と粘膜が絡み合い唾液が流れ込む。溺死寸前の快楽窒息。全身の血管が拡張し脈動が鼓膜を揺さぶる。
グルッペンの舌先が軟口蓋を執拗に舐り喉奥まで侵蝕してくる。
ベロォ……ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅぐちゅ♡
「んッ……んふッ……!♡ ッ……はぁっ……!んぁッ……♡」
咳き込みながらも咥内は奉仕する奴隷のように舌を絡め返す。敗北感と屈辱感がさらに性感を煽る悪循環。
(アカン……また……っ!)
二度目の絶頂が訪れる兆候——瞬間的な意識喪失——を察知した時、唐突に口が離れた。
だが脳が信号を送るよりも早くグルッペンの掌が瞼を覆う目隠しを掴んだ。
シュル……スルッ……
目隠しが外され視界が切り開かれる——そこにあったのは息を呑むほど美しい赤眼と猛禽類の如く爛々と輝く瞳。
「グルッペン……?」
掠れた声で呼びかける。応える代わりに唇が柔らかく重ねられた。先ほどの暴力的接吻とは異なる慈しみに満ちた啄み。
チュッ……チュッ……
「んッ……♡ 」
胸の奥から溢れ出す温かい感情が堰を切った。縋るように舌を差し出す。
互いの唾液が糸を引き唇と唇の境界を曖昧にする濃厚なやりとり。快楽より愛情を感じさせる接吻。
「まだまだこれからだゾ」
悪戯っ子のように笑う悪魔の囁きが第二幕の開演を告げた。
つづく
コメント
1件
第1話、読み終えました……! もう冒頭から「こんなん無理や……!」ってトントンと同じこと叫びそうになりました(笑)。視覚を奪われた状態の官能の描き方がすごく丁寧で、耳舐めの水音の生々しさにこちらまでドキドキしてしまいました。あと、あの「まだまだこれからだゾ」で終わるの、続きが気になりすぎます……! グルッペンの甘くて怖い感じと、トントンの必死に抵抗しつつも感じてしまうもどかしさのバランスが絶妙でした。続き、心から楽しみにしています!